主木に植えたカツラの樹。
おばちゃんがいつもタバコを吸うテラスの真ん前に植えました。
春の新緑。夏のこもれび。秋の黄葉。冬の枝ぶり。
四季の移ろいを感じて頂くとともに風の揺らぎやこもれびの美しさを感じてもらえたらいいな。と思いこの樹を植えました。
この樹は地下支柱がしてあります。見えない所で支えています。
なぜかと言えば見た目も当然ありますが、樹は風になびく事で幹を太らせ根を発達させます。
途中で長い事支えてしまうと根が支柱があるために十分に発育せず、強風等で倒れてしまいます。
その為に根鉢で固定し、風になびき樹が成長したら次第に腐り、肥やしとなる素材を使っています。
おばちゃんはこの支柱をみて、「樹も人も同じだね。うんと揺れなきゃだめなんだね。倒れないように一生懸命に根を張って。見える所で親が支えていてはいけない。
私は果して子供らに見えない所で支えてやれただろうか?」と。
今回庭をつくりながらいろいろな事を教えて頂きました。
以前ご住職に言われた「この石畳は軽い。優等生ばかりでもろいです。これは技術的な事ではなく、人間的な事です。」も
竹穂の袖垣をつくってる時におばちゃんに相談。
「どうすればより深く、よりいいものがつくれるのか。どうしてもキレイで使いやすい材を選んでしまう。わざと外すとわざとらしすぎてしまう。」
「いいものをつくるには、技術を高める事よりも人間を高める事が大事。あんたが一生懸命やってればいつかいいものが出来てると思うよ。
竹垣や石畳をどーこーじゃなく、人間を。だから頑張りな。」と。
モノをつくる人間にとって、とても重要な事を教えてもらえた気がします。
岩城亘太郎さんの言葉で「人格以上の庭はつくれない」という言葉がありますがまさにその通りなんですね。
人が、心が何よりも大切であるということ。誠実であるという事。
師匠である安諸親方も同じ事を言われました。
そんな若輩者にこのような機会を与えてくれた事。好きなように、都合のいいときに、仕事の合間で。
改めてお礼をいいたいです。
おばちゃんありがとうございました。
そんな訳で、当初は細かい写真とビフォアーアフターをアップしようと思っていましたが、もったいないのでやめときます。
もし興味のある方がいらっしゃいましたら是非、直接みに来て下さい。
心をこめ、一生懸命つくりました。
ちなみに施工前です。
明日もまた、頑張るぞ!!