日日是好日 山口庭園の日々

埼玉県入間市で植木屋をやってます
山口庭園です。

土橋制作

2022年09月01日 14時06分12秒 | 日記

またしても素晴らしいご縁を頂いた。

福島県郡山の庭師、新さんより土橋制作のお話。
湯島天神で土橋を作ったのは2010年。
あの時以来12年ぶりになる。
一生に一度、作れるかどうかの大仕事にまたしても声をかけていただいた。
感謝しかない。


ここは福島県矢吹町。
元々は江戸時代の藩庁が置かれた「陣屋」跡。





樹齢何百年であろうすごい迫力のカヤがあるのが現場だ。


そもそもお話をいただいたのは2月。
設計と施工方法を新さんと電話でやり取りしながら進んだが、
話が二転三転し、お断りする雰囲気まで漂っていた。

が、しかし流石は新さん。
見事施工が決まり、7月に着工。

材料は施主の所有する山から切り出した山グリだ。



この太さの栗は関東には無いな〜







とにかく手斧と曲面ガンナでハツリ、ハツリ、ハツリ…


この池に



事前に護岸の石を新さんに組んでいただいていた。
軟弱地盤の為施工が容易ではないが、流石の二日で石組み完了。
早い。そして上手い。

護岸の石組みに橋桁をのせる



新さんとユンボの青コーデ



ぴったりだ。
後15センチ丸太が短かったらのらなかった。

橋桁に横桟の栗ナグリ丸太をつけていく



新さん、會田さん、ユンボに工具箱に青空のコーデ…





丸太の小口がバラバラにならないよう、太さや向き、勾配に気をつけながらムクリと丸太同士のあたりを取りながらつけていく。





第1期工事はここまで。




次は着岸の処理と手摺つけに伺うことになった。




そして日を改め第2期工事。
今回から竜も参戦。滅多にない機会なので燃えてます。

手摺のいい曲がりの丸太を山に探しにいく。







いいのがあった。
湯島天神の土橋はムクって雁行しているので、曲がりに合わせて丸太をカマボコ状に削り出したが、新さんと相談して
ここは丸太のまま使おうとなりました。

取り付け。
これが難しい。
丸太と丸太の接合部、柱の高さや位置を考慮しながら向きを考えつけていく。






厳選した4本を仮置きしては順番を変えてみたり、向きを変えてみたり。








取り付け状況の確認。そしてまたしても青のコーデ…



どこで継いだかわかるかな〜






設置完了!!











最後の仕上げは第3期工事になりました。

9月10日にイベントがある為それまでには…

完成後、またアップします!


9月は寺平さんの一周忌。

完成したら墓前に報告しに行こう。



















追悼。

2022年02月17日 21時51分56秒 | 日記

私の大工仕事の師匠である数奇屋大工の寺平さんがお亡くなりになりました。

初めてお会いしたのは修行中、安諸親方と編笠門の作り方を伺いに行った時。
修行1年目で、ノミ3本くらいしか持っていなかった小僧に対して口も聞いてもらえなかったことを覚えている。

初めて任された現場で、初めての庭門。
25歳の時。
とにかくがむしゃらに手元をやりました。

製材から仕込み、手斧の振るい方、墨の付け方から刃物の研ぎ、ノコの挽き方、正確な墨がつけられるよう鉛筆の削り方まで。

「なんだ、お前のノコは曲がって切れんのか?貸してみろ…切れんじゃねーか!姿勢が曲がってんだよ。」
「おい、ノミ研いでみろ。…そんなんで刃がつくわけねーだろ!貸してみろ。こーやんだよ。」
「削りすぎんなよ、墨残せよ。…墨残せって言ってんだろ!削りすぎだよ!」

よく怒られたっけな。


とにかく仕事が正確で早い。
腕のいい数奇屋大工。
頭の回転がめちゃくちゃ早い。
口数も少なく、あまり笑わない。黙っていると怖い。笑
難しい方だが、めちゃくちゃ優しい。
絵描きで、うちの油絵も寺平さんが描いたものを頂いた。個展も開くほど。
フランス画家のマティスが好きで、お洒落。
「 茶室を建てても、親方の作品になっちまうが絵は自分の作品だ。」
印象深い言葉だったな。


そして、最期に一緒に作ったのが湯島天神の雁行の土橋。
橋脚、橋桁を作ったところで来て頂き、早々に指導を受ける。

「橋桁ここまで刻まなくていい。あとで調整できる。」
「ホゾもここまでつけなくていい。大変だったろ?こうしておけば大丈夫。」
「ここは大事だぞ、力が掛かるから少し太めの丸太を使おう。ほぞはこの向きでな。」

…もう会えないんだな。
この間、頂いたノミとカンナを綺麗に研ぎました。
一緒に作ったカンナ…
生涯大事に使います!


ここに、心よりご冥福をお祈りいたします。
寺平さん、ありがとうございました。
ゆっくりお休みください。拝















箱根の中庭

2021年09月18日 23時29分03秒 | 日記
安諸庭園修行中、現場を任された箱根の中庭が
月間石材(撮影者 須田郡司さん)の表紙になっていました。

仲間から教えてもらい、表紙を見た時はなんとも言えない、懐かしさと
切なさがこみ上げてきました。

辛かったし、苦しかった。
この現場を経験させてもらえたから今の自分がいます。

沢山の人に助けてもらった現場。
特に、先日お亡くなりになった石屋の高橋さん。
ゼネコン現場での立ち位置や、仕事の進め方、段取りの仕方など…
今でも忘れない
「山口君、そんなんじゃダメだよ、監督のとこに行って喧嘩して来い!
自分達の道は自分達で切り拓くんだ!!」
大きな現場だったので、どれだけ心強かったか。

親方もそう、現場にいなくてもどこかで見ているんじゃないかと思うくらい
正確な指示とアドバイス。
工期が迫り、後輩の辺土と毎晩夜中の2時3時まで土を運んでいた時、
もうダメだ、間に合わない…
泣きが入りそうになった次の日に大勢応援を連れて来てくれたこと。


安諸親方には本当に感謝しかありません。

高橋さん、経験したことは次の世代につないでいきます。
また迷いそうになった時には背中を押していただきたいです。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
ありがとうございました。


14年前の作庭。

いいお庭になった。。。








ここ最近。。。

2021年09月13日 21時22分28秒 | 日記
久々のブログ更新

今日も暑かったが、夜になればすず虫やコオロギ達のオーケストラ。
秋やね〜


久々の近況報告ですが、6年近く前に作庭した妹うちに手入れに行ってきました
植えた木々の成長を施工前の写真と竣工後、6年後と写真で紹介します。

10年後を見据えて木を植える。

写真で見るとわかりやすいので。


施工前





施工中



竜が若いww


竣工時




6年後









フジもカツラも大きくなって…(まるで子供と同じよう…)

樹木が大きくなることを想定して植えると、余計な手入れが不要になります。(フジは別ですが…)

大きければいいと言うわけではありませんが、木は、なるべく切らないほうがいいです。(その方が美しいです。)

木の持つ個性をいかに活かせるか。(人も!)

活かせるよう、考えて配置する事が何よりも大事だと思います。(合う場所が必ずあるはず!!)

また、雑木は森の更新と同じように下から切る事が可能です。

大きくなりすぎたら時期を見て下から切り、ふかし直す事も可能です。

毎年の手入れも大事ですが、なるべく木にストレスを与えないよう、お客様にも負担が少なくなるように
手入れを行なっていくのが私の目指す手入れです。



ここ最近は超高木の枝下ろしや







池の州浜づくり


水琴窟を作ったお庭の永徳寺型灯篭の設置



などなど頑張っております〜

40代、庭を通じて人間を磨くぞ!!!














犬小屋

2021年06月13日 02時27分01秒 | 日記

犬の本能は洞穴が好き。のはず…

をコンセプトに犬小屋を作成した。







いい感じになったが



本能のままにめちゃくちゃに…

もっと犬の声を聞いてみた。



木を植えたワン



草を植えたワンワン



いい感じだワンワンワン



さて、どうなることやら…

今度は大丈夫だといいな…


水琴窟2

2021年03月09日 23時46分34秒 | 日記

水琴窟現場2

旦那様が植栽、水道配管、灯篭照明を施された。

しかも、垣根の押し縁と筧の竹を竹林から切り出し準備をしてくださった。

もはや庭師の領域だw


背景の垣根は準備くださった葦簀垣。

旦那様の気持ちに応えるべく柱は栗丸太に。



骨を組み、



仕上がり。



水琴窟の音をアップしようとしたが、なぜかできず…泣


ある石、ある物での作庭。

材料から配置や高さ、間合いが決まる。

腕が試されるが、一番楽しいかもしれない。

あと一二石、旦那様が据えたいと仰った。

一番近くでずうっと見ているのはお客様。

その期待に応えるのがプロというもの。

また、石に教えてもらおう。




お次は立水栓と鉄棒の依頼。

3年待ったと怒られて、ようやく着工。






ピクチャーウィンドウから見た施工前の様子。



和室前からの様子。


さて、いい庭をつくろう…



水琴窟

2021年02月04日 22時52分58秒 | 日記

瓶の中を掃除できる水琴窟。



配管。降り蹲踞の水琴窟のため、めっちゃ掘ります。




既存の浸透マスを利用して




キレイな音がなります様に…





植栽と砂利敷きは旦那様の仕事。
あとは筧と背景になる垣根を二期工事にする事になった。

久々に組んだ蹲踞。
やっぱり楽しいの〜

旦那様にも喜んで頂けた。

消えゆく文化にしないためにも、つくり続け、受け継いだ技術は次世代に繋げていかないと。

ご依頼に感謝です。

さあ〜明日も頑張ろう!!





立春

2021年02月02日 10時09分06秒 | 日記

気づけば2月。

春分を迎え、梅の花がほころびはじめ、乾いた土や木々が少しづつ水々しくなっていくこの季節は一番好きだ。


今年はみんなで集まる木魂式も中止せざるを得なかった。
大勢で集まることが出来ないため、ウチの関係者のみで地元氏神様で祝詞をあげていただいた。



年の初めに木々に生かせてもらっている事に感謝する式。
来年はまた仲間で集まれるといいなぁ



今年初めのつくり物は、以前よりお世話になっている助産院もりあねの垣根仕事。
地主さんの山から材料を切り出し、垣根をつくる。


山から切り出す。これが面白い。


私道だからできる技w


枝をさばき


買ってきた材料では出来ない垣根

素朴な垣根で単調になりやすい。固定概念を捨て、曲がったものは曲がった良さを。細く小さい竹のそばには太いお兄ちゃんの様な竹を添え…
皆それぞれ個性や特徴がある。
いざつくり始めると、どうしても扱いやすいやつから選びがちだ。
優等生ばかり選ぶのではなく、いい奴もひねた奴もみんないるからいいんだと思う。
個性と調和。
ものを作ることにおいて、一番大事にしたいこと。
みんな仲良くねw



続いては久々の水琴窟の仕事。
以前つくった蹲踞を見ていただき、実際に水琴窟の音色も聞いていただいた。
つくっておいて良かったと思える瞬間。
材料はあるものを使うことを条件に始まった。


ここに据えます。


既存の雪見灯篭を台石にのせ鉢灯りに。


手水鉢も形を整える。


仮組み中。


さあ、いい音奏でる水琴窟つくるぞ〜







2020年大晦日

2020年12月31日 21時20分46秒 | 日記
終わった…

怒涛の一ヶ月だった…

体力落ちたな…

でもなんとかやり抜いた。

自分を褒めてやろうw


門松も地元氏神様に無事奉納できた。









地元の歴史を立川の親方と勉強したり





静岡のお寺に年末の大掃除に行ったり







お庭の冬化粧、松葉敷きと藁ぼっちをつけて





大晦日は片付けと洗車して恒例の安楽亭





今年も一年しまうことができました。
来年も山口庭園をどうぞよろしくお願いいたします。
良いお年をお迎えください。
それではまた来年!!!!!





門松

2020年12月26日 20時42分23秒 | 日記
今年も残すところ5日。

昨年は足を骨折した為つくれなかった門松。

今年から販売をやめ、地元の氏神様へ奉納することにした。



無病息災の願いを込めて。



師走

2020年11月30日 21時43分37秒 | 日記
今日は地元周辺の狭山丘陵八国山での仕事。



武蔵野の木々が心を癒してくれる。
すれ違う人とも自然と笑顔で挨拶を交わす。
歩いているだけで気持ちがいい。


いよいよ師走。

今年は日曜休めるかも…と思ったが、ありがたいことにいろいろな方からご紹介やご連絡をいただき
休みは正月までなくなりそうだ。
本当にありがたい。

コロナの影響は日本の伝統文化も危うくする。
11月の酉の市。
通年浅草の鷲神社に買い付けに行っていたが、入場制限や事前申込など対策に追われ熊手屋も注文が減り、大変みたいだ。
こんな時だからこそ、縁起を担ぎ今年も購入した。
配達してもらった為、手打ちがないのが寂しいが致し方無い。
気持ちが大事だ。



家内安全 商売繁盛 疫病退散   
願いを込めて!!








先日お庭づくりで静岡のお寺へ。






歴史あるお寺に携われることに感謝しかない。

現場を任せて頂ける親方に感謝。

ご住職に感謝。

手伝ってもらっているみんなに感謝。


本当にありがたい。



















晩秋

2020年10月31日 18時27分13秒 | 日記

今年も早いもので11月。

植木屋の繁忙期、手入れの季節が今年もやってきた。

コロナの影響もあり、いつも頼まれていた飲食店からはの発注は今年は無さそうだ。

欧州では再びロックダウン。いつになったら終息に向かうのか、ともに生きる道を(嫌だけど)辿るしかないのかな。

そうは言っても木は伸びる。木々にコロナは関係ない。

皆、生活もあるし食っていかなければならない。

今だからこそ出来ることは必ずある。ピンチはチャンスだ。

前向きに捉え、明日からも頑張ろう。

11月より新メンバーを迎えることになった。

経験は無いようだが、気持ちがあれば何の問題も無い。

この仕事を選んで良かった。

5年後、10年後にはそう思うことになるだろう。

頑張ってもらいたい。




最近作成中の犬小屋。

臆病のためなかなか入らなかったが、ようやく入ってくれた。





チビ達と干し柿作りとリースに挑戦。





庭にあるもので楽しめる。

見て良し、食べて良し。

コロナで外に出れなければ出れないなりに楽しめば良い。

季節は巡り、宝物はいつでもすぐそこにある。



日の出郷愁所作品

2020年08月19日 02時18分51秒 | 日記
日の出の石川くんが見事な腕前を披露してくれた








お見事!

花台

2020年07月02日 21時31分50秒 | 日記
我が家に宝物がまた増えた。

大工仕事の時に手伝って頂いている森田建築の森田さんより
粋なお中元を頂いた。





嬉しいなあ

大谷石

2020年05月18日 22時27分00秒 | 日記
今年3件目の庭工事。

横浜のBUILTLOGICさん設計のお庭づくり。

駐車場を大谷石で敷く為、材料調達しに大谷へ。





石に歴史有り。

一石一石大切に扱わないとね。