遊行吟遊

短詩型作品等

病臥六首

2011-05-15 21:14:53 | 俳句・短歌
医師の手に
わが身をゆだね 見つめをり
己が心電の 動きゆく図を

点滴を
終ゆればあとは静臥のみ
長き時間よ 夜から朝へ

寝ねがての
夜の長きを めぐりをり
古き近しき人のことども

病室の 
寝ねがての夜のイヤフォンに
囁くごとき「敦盛の笛」

亡き父の
切り抜きくれし歌壇なり
五年経し今 病床に読む  

時いつか 夏とぞなりぬ
退院を 光眩しき
外面に向かふ

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