フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

潜水艦来る?

2012年01月09日 | ラングドック・ルシオン

彼がやってきたのは夏の終わりだった。

 

何度かメールのやり取りをして、とても繊細な所がある子だと言うことが分かった。

そして潜水艦に乗る、海軍の軍人だと言うことで、ちょっとばかり古風で、富士山のことを「富士様」と言っていたのが、印象的だった。

また緻密に日本のことを調べていて、日本への思いも格別に見えた。

 

彼は最初5月に来ると言い、やっぱり仕事の都合がつかず、だめだった。

その後7月にするとか何度か変更があった。

結局8月末になったと言った時も、本当に来るのだろうかと、ドタキャンも覚悟していた。

 

しかしやってきた。

彼はこちらの住所をグーグルアースなどでも確認するなど緻密に調べていたし、空港からのバスも含めてうちまでのアクセスを詳しく伝えておいたにもかかわらず、違う駅に着く空港バスに乗り、いろいろ尋ねながら、予定の時間より大幅に遅れて、最寄駅に到着した。

 

大きな軍のバッグを持ってきた彼は、2mを超えているのではないかと思うくらい背が高い。 

私も会うまで心配したが、彼も若干20歳を超えたところ、大いに不安もあったのだろう、ほっとしたような表情でほほ笑んだ。

 

着いたら、東京の地下鉄の路線図など細かくメモされたノートを自慢げに見せてくれた。

今回は東京へは行かないのだけれど。

 

彼は不思議なことに、京都へ行き方も含めて観光を勧めても、「それはまだ難しすぎる」と言い、一週間の滞在のうちずっと奈良を観光して過ごしたのである。

しかも暑かったこともあり、「こんなに暑いとは思わなかった」と、お昼を過ぎてから出ていくことがほとんどで、三時くらいから出ていき、「ほんとにそんなに行ってきたの?」と言うくらいあちこち観光してくるのである。

大きなストライドなので、やはり時間も短縮できるのであろうか。

 

またお土産をあまり買わないフランス人にしては、たくさん買ってくる。

備前のような湯のみが好きだと自分のために買ってきたり、習字をしたら、習字セットが欲しいといい、同行もした。

 

  

 

 

 

そして「お母さんは大切」と言い、お父さんへのお土産はないのにお母さんへのお土産はせっせと忘れない。これは他のフランス人の男の子もそうで、初めはお父さんはいないのかとも思ったほどである。

 

そして彼のいいところと言うと、さすがに軍の生活を経験しているだけあって、食べ物は何でも残さず食べてくれる。これは本当に有難く気持ちのいいことだった。

もちろん朝食は和食希望であった。

 

こんな彼の初めての日本滞在は、奈良だけとはいえ順調に見えたが、思いもよらないことが彼を待ち受けていたのである。

 

 

 

 

 

 



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