古庵の書斎から

日々のエッセイ

古庵の書斎 220

2010-09-22 15:46:39 | 日記・エッセイ・コラム

             古庵の書斎 220                 如意古庵

 毎週金曜日は例によって、2時間歌ったあと行きつけの中華料理屋で一杯となる。そこでの話題は談論風発、ゴルフ、旅行、プロ野球、あるいは女性についてと70前後の年寄りが他愛もない話しに花が咲く。爺ぃばっかりだから羞恥心なんかまったくないので、大らかなもんだ。
 ところで最近入団した人に、中日ドラゴンズの和田選手に酷似した御仁がいる。ちょっと細身ながら頭の禿げ具合といい、顔つきといいそっくりである。
 伊藤というれっきとした名字があるのだが、みんなが和田さんと言うと間髪をおかずに「はいっ」と返事をする。
 「昨日はあなたのおかげで中日は勝ちましたよ」というと「はいっ、ありがとうございます」負けると「申し訳ありません」と小さくなっている。みんなに愛されている。
 
 明日は守山区大森学区の敬老会に招かれて数曲披露する。この敬老会の会員資格は何才か知らないが、こっちだって平均年齢74才だ。年寄りが年寄りを慰問演奏するといったかっこう。
 ま下手な歌でも一生懸命うたって、少しでも元気づけになれば幸いである。
○ 押尾学
 どうでもいいことだけれど、彼32才になるまで額に汗して働いたことは一度もなかったのだろう。甘いマスクにかまけて回りからチヤホヤされ、いつの間にか人生こんなもんだと考えて、女とクスリにふけっていたのではないか。こんなヤツは無期懲役にでもして一生働かせて罪を償わせるのが一番いいと思うのだが、懲役2年6ヶ月とはね。
 何時の時代も美男美女はダメですね。

○ ハゲワシ
 インドのハゲワシがこの10年の間に95%も減り、絶滅寸前の状態だという。調査の結果、ジクロフェナクという動物用の医薬品が原因であることがわかった。これを体内に含んでいるウシなど家畜の死体をハゲワシが食べると、ごくわずかな量でも内蔵傷害を引き起こし、死んでしまうのだ。
 死肉を食べることからイメージはよくないが、ハゲワシは動物の死体などを片づける「廃棄物処理業」の役割を担っている。そのハゲワシがいなくなった結果、インドとその周辺では、農地などに多数の生物の死体が処理されずに残され、これらを餌とする野犬やネズミが急激に増えてしまった。
 1997年にインドでは狂犬病が大発生し、1年間の死者は3万人に達した。アメリカ・スタンフォード大学の研究チームは、狂犬病の大発生とハゲワシの減少の関連を指摘している。
 カラスや蛭(私はこいつが一番嫌い)、ゴキブリといった人間に嫌われものの動物たちも自然界のなかでは相応の役割をもって生きているのだろうな。


古庵の書斎 219

2010-09-13 08:24:43 | 日記・エッセイ・コラム
             古庵の書斎 219             如意古庵
 今年の名古屋は特に暑い。気温ばかりでなく民主党代表選びに加えて市議会リコールの書名運動が行われているからだ。
 ところが私の回りは後二者はほとんど関係ない。代表選は民主党員でもないから当然だが、熱くなっているのはテレビの箱の中だけの話し。
 議会リコール運動は河村市長とその周辺の人たちは熱くなっているのだろうが、私の回りではほとんど静か。
 署名用紙が回ってくるかな、その時はどうしようかと思い悩んでいるが全然音沙汰無しだ。テニスや合唱の仲間で話題にもならない。
 リコール成立のためには、1ヶ月間で36万名余の書名を集めなければならない。それが、期日の3分の1を過ぎた段階(7日)で5万5千名余しか集まっていない。あと30万名はかなり難しいとみるのだが。
 で私はというと、テニスをやって昼からビール飲んで、昼寝してひねもす本を読んだり、パソコン叩いたりと至極平和である。
  
○ どちらが大きな罪か
 1つは調査捕鯨船の船員らが土産名目(当然タダ)で鯨肉(最高級部位の)を自宅に送った行為。
 他はそれを不正(横領)として告発しようとして運送会社に侵入して鯨肉の入った段ボールを持ち出した(窃盗)行為。
 船員らの土産として鯨肉を持ち出す行為は慣例として以前から行われており、それを横流しして得たお金で家を建てた(鯨御殿とも言われる)人もいるくらい。お土産というレベルの量ではない。みなさんはどちらに大いなる非があるとお思いですか。
 青森地裁は、後者の運送会社に侵入し鯨肉(23㌔)の段ボールを盗んだ二人を執行猶予付き有罪とした。この二人は「横領行為」を告発するための正当行為と主張したが、判決では二人が箱を開けて肉を取り出したことは不法に自分のものにする意思があったと認定のだ。法律の専門家はこういう考え方をするんですよ。
  こういうのをなんと言うんでしよう。 「重箱の隅をつつく」  「木を見て森を見ず」 どっちだろう。
 一方、横領した船員らは不起訴処分となった。こういうときに活躍して欲しいのが今話題の検察審査会である。 
○ 宗教
 つくづく仏教を主たる宗教とする国に生まれて良かったと思うこのごろである。葬式仏教と言われながらも、宗教の最も大きな役割である死後世界の救済にのみ専念しているのはありがたい。
 今アメリカ・フロリダ州でキリスト教会がイスラム教の教典コーランを焼却するというイベントを計画している。これを巡ってアメリカ国内ばかりでなくヨーロッパにも飛び火して賛否両論ケンケンガクガク大変な騒ぎになっている。これがもとになってまた大きな事件が起きなければ良いがと念ずるばかりである。はたまた、S・ハンティントンが言うような「文明の衝突」なんてことにならなければよいが。実に不幸なことだ。
 随分前のことになるが、中日新聞に載ったエジプト・カイロ大学の教授の文が忘れられない。当然この人はイスラム教徒。
 その要旨は「キリスト教やイスラム教と異なって、仏教はそれ自体が原因となって戦争や争乱が起きたことはない」というもの。生きとし生けるものを全て慈しむという慈悲の心からは争いが起こりようがない。
 昨日の新聞を見るとかのキリスト教会の牧師さん、コーランの焼却を中止したという。まずは良かった。

古庵の書斎 218

2010-09-09 21:15:25 | 日記・エッセイ・コラム
             古庵の書斎 218            如意古庵
 突然パソコンの画面が赤いアルファベットの文字に変わった。そのまま動かなくなったので電原を切って再起動したらいつもの画面が出たのでホッとした。
 ところが、今度はネットに繋がらなくなった。なんかインターネットエキスプローラーがどうのという画面がでている。汗が出てきた。
 友人に旅行の返事を送らなければならない。日々是好日も書かなければならない。水道屋へ工事の代金を振り込まなければならない。等々、いつの間にかこのモニターと箱がなくては一日も暮れない自分になっていた。
 で、近くのコジマ電気へ行って小泉君を呼び出した。彼は無愛想で話しが下手でおよそ店員に向いていないのだが、パソコンのことはよく知っており、誠実に応対してくれるので私は好きなのだ。
 そしたら、「一度電源コードをひっこ抜いて、10秒ほどして差し込んで再起動してみたら」という。やってみた。成功。
 こんど新しいのに買い換えるときは彼にお願いしようと決めた。
○ 英語教育
 「新入社員の英語力が低いのは中学・高校の先生に因るところが大きい。本当の黒幕は大学入試問題を作る大学の英語の先生です」と英語トレーニングのKCC?代表の千田潤一氏がのたまっていました。
 私も同感。 高校時代、受験英語の力は多少ついたかも知れないが、意思疎通のための英語力はゼロ。むしろ英語が嫌いになってしまった。
 いま、世界のどこに行っても英語が通用する時、ほんとに悔しい思いをしている。
○ アメリカは大変だ
 アメリカはイラクから軍隊を撤退させたはいいけれど、4,400人もの戦死者を出しての末だ。今またアフガニスタンでは沢山の戦死者を出している。アメリカに生まれた若者は大変だ。
 かって(20年ぐらい前)、生徒のハワイ語学研修に付き添ったとき、知り合ったマウイ島ラハイナルナ高校の生徒ランディー・ロモー君のことは忘れられない。陽気なポリネシアンで太った体で嫌な顔を見せずに私たちの世話をやいてくれた。
 その3・4年後に校長のアリヨシ先生が本校を訪れた。半日名古屋を案内しながら彼のことを聞いてみた。すると「今、湾岸戦争に行っています」とのこと。返す言葉がなかった。
○ 検察審査会
 この制度を民主党代表選に立候補している小沢前幹事長が疑問を呈した。「捜査当局が不起訴と言ったことについて、素人が良い、悪いと言うのは果たしていいのか」と3日の民放テレビ番組で発言したというもの。 これは絶対に許せん。
 この制度の一番の眼目は、素人にその事実の善し悪しを判断してもらおうという点にこそあるのだ。今裁判員裁判制度が始まっているがこれも同じ趣旨である。
 法律のプロ(裁判官、検事)であっても、ともすると厳密な法解釈に拘るあまり、市民感覚や常識を外れた判断をしかねない。それを素人(市民)の感覚で補おうというものである。彼の発言はその検察審査会の存在そのものを否定している。
 さらに彼自身が現在東京第5検察審査会に審査されている当事者である。一市民なら何を言ってもかまわないが、彼は一国の最高権力を目指す人である。審議中の審査員に対して大いなる圧力となるのは間違いない。
 裏返せば、今彼はこの検察審査会がどう判断するかを一番怖れているのだろう。

古庵の書斎 217

2010-09-02 06:57:06 | 日記・エッセイ・コラム
           古庵の書斎 217                如意古庵
 さいたま市の76才の男性がクーラーのない自宅で熱中症で死亡した。大阪吹田市では消防署の会議室を暑さよけに解放とこのところの暑さは殺人的です。
 私はというと、30年以上使ったクーラーを今年やっと買い換えて夜だけは使っています。昼間はつけないで、首に保冷剤を入れた首巻きをして、それでも大汗をかきながら本を読んだりパソコンに向かっています。
 しかし、今ごろクーラーなる文明の利器がなかったら夜寝るときなどどうなっちゃうんだろう。街中の人など熱中症患者続発、年寄りの死者は数知れずというところか。
 みなさんはどうしていますか。
○ 剣岳で8人遭難
 60才前後の男性2人と女性6人のパーティーである。女性の年齢はわからない。幸い
全員無事で救出されたから良かったものの、私に言わせれば無謀もいいところ。
 だいたい剣岳は60才を超えた年寄りが登る山ではない。それぐらい険しく危険な山である。前に私は1日半で登ったと書いたが、まだ55才位だったし、天気が良くて私より二回りも若い男2人との3人パーティだったからだ。
 そこへ8人で、そのうち山歴はわからないが6人の女性を引き連れてというのは非常識極まる。あの危険な尾根や壁で1人が不調を来したら全員が動けなくなるのは目に見えている。何を考えてあの山に入ったのか理解に苦しむ。
○ 「核時計 零時1分前」…キューバ危機13日間のカウントダウン
 という本を読んだ。時は1962年の10月の下旬。場所はキューバを中心とするカリブ海とその一帯。
 ことは共産主義国「ソ連」がキューバに核兵器を搭載したミサイルを配備したことから始まった。当時アメリカ大統領はケネディ、ソ連首相はフルシチョフ、キューバ首相はカストロと役者に不足はない。
 ソ連はすでに何発かのミサイルを配備したが、さらに増強するため核兵器を積んだと思われる輸送船がキューバに向けて航行している。それを許してしまうことはほぼアメリカ全土が核ミサイルの射程範囲に入ってしまう。
 それをなんとしても阻止しようとするケネディ。核ミサイルで軍事的優位に立とうとするフルシチョフとの間に信頼関係はない。しかも双方とも強大な軍事力を持ち、強攻策を主張する軍首脳が控えている。
 そんななか裏と表で虚々実々の駆け引きが行われるが、最後には米ソ2人の首脳の理性がかろうじて働いて危機は回避される。
 この本を読んで、改めてあのとき熱核戦争の1分前であったことを思い知らされた。全世界のすべての命があの2人の手に握られていたのだ。恐ろしい。
 そのどちらかがヒトラーであったり、サダム・フセイン、あるいは日本のすぐ近くの国の○○○であったらと思うとゾッとする。
 当時、私は大学4年生。しかも法律政治学科に席を置き、当然国際政治の非情さも学んでいた。10月の26日の夜、ラジオはアメリカが設定した停止ラインに近づくソ連船の位置と残り時間を刻々と流している。ことが始まればソ連の極東に配備された核ミサイルの何発かは東京、名古屋、大阪に向けて飛んでくる。
 オレの命もあと数時間かと息を呑んでラジオにかじりついていたことを鮮明に覚えている。結局、酒を呑んで寝てしまったが。