力道山のプロレスがあると、黒山の人だかりがして街頭テレビや電気
屋さんのショウーウィンドーのテレビで観戦していた頃の某月某日
(って、覚えてるわけないじゃん)。
夕暮れ時になり、我が家のおばぁちゃん、両親と私の総勢4名はいそ
いそと出かけたのであります。家から10分ばかりの六角橋のH食堂
へ。
そのH食堂で大晩餐会を催そうかという、なんと豪勢な事でしょうか。
まぁH食堂は大衆食堂で、観音開きのガラスドアを入ると正面に大き
な水槽があって、お魚さんがスゥ~イスイと泳いでいたなぁ。
テーブルにつき、おいしい晩餐を終わり帰るという訳ではなく、高い
とこに据え付けられたテレビをジィッと見つめてました。そうなんす
よ。その日に木村政彦(柔道家)が牛と闘うというのです。
さぁ時間になりました。猛牛が飛び出してくるという扉が開き、どう
なるんだろうかと思っていると、一向にその牛が出てくる気配がない
んですわぁ。結局、牛は出てこず、試合にならなかったという笑い話。
そんな時代だった。