トリノ五輪の開幕式を見た後、二度寝をしてからあらためて起きだして、県内ではシアター大都会のみでの公開作品、韓国映画『美しき野獣』を見てきました。 シアター大都会はポイント制を導入していて10ポイントたまれば土日なども無料で見ることが出来ます。年末にはポイントがたまっていたんですが、なかなか作品的にタイミングが合わなくてようやく使用しました。来月以降もどんどん「チャン・ドンゴン」「イ・ジョンジェ」共演の『タイフーン』や「チェ・ジウ」の『連理の枝』など6月まで韓国映画の上映が予定されているので、利用頻度は高まりそうです。 朝一の回を見に行ったのですが、場内にはすでにオバサマたちの気配が・・・最終的には9割以上がオバサマ。「クォン・サンウ」が韓流ブームの一人だということを失念しておりました。(オバサマ方は多分「ユ・ジテ」を見に来たわけではないでしょう。) 主演は『ひとまず走れ!』『マルチュク青春通り』『火山高』の「クォン・サンウ」と『オールド・ボーイ』『春の日は過ぎゆく』の「ユ・ジテ」、共演に『オーバー・ザ・レインボー』『スカーレット・レター』の「オム・ジウォン」。 刑務所の前にヤクザが勢ぞろいしていた。彼らのボス『ユ・カンジン(ソン・ビョンホ)』の出所の日であったからだ。彼らの前に薄汚れた一人の男が近づいてきた。凶悪犯罪捜査犯の刑事『チャン・ドヨン(クォン・サンウ)』だった。彼の異父兄弟である『イ・ドンジク(イ・ジュンムン)』の出所の日でもあったからだ。 二人は母親の入院する病院へと向かう。病に疲れ変わり果てた母親の姿に『ドンジク』は呆然とする。手術代を工面すると言い残して弟は病院を後にした。数時間後、街中で酔いつぶれている『ドンジク』を『ドヨン』が介抱する。近くのコンビニで買い物を済ませている間に『ドンジク』は何者かに腹部を刺され死んでしまう。 『オ・ジヌ(ユ・ジテ)』は以前脱税で逮捕した『ユ・カンジン(ソン・ビョンホ)』の報復により地方に飛ばされていたが、三年ぶりにソウルの検察に復帰したばかりだった。彼は捜査チームを結成、『ユ・カンジン』の部下の張り込みを始めるが、その場に『ドヨン』が現れる・・・ 暴力刑事とエリート(検事)という組み合わせは、一昔前にハリウッドやテレビ、マンガなどで使い古された設定ですね。使い古された設定をどう料理しているか楽しみにしながら鑑賞しましたが、カメラワークを含め演出面では新鮮さは特に無く、逆に古い手法を使っているな、という感じを受けました。 脚本は上手く出来ていたと思います。オープニングの伏線のことは、完全に忘れていましたし、キャラクター設定の段階での伏線や、落とし前のつけ方も、刑事モノにありがちなナアナアなモノではなく、一味違ったリアルティにあふれるものでした。 「クォン・サンウ」は、これまでのイメージとは異なり、服装に頓着しない暴力刑事。正義感は強いが不器用でまっすぐなやり方しか出来ないある意味時代遅れの刑事、幸薄い分肉親への愛は人一倍という役柄を演じていました。またひとつ演技の幅が広がったことは間違いありません。 対するエリート検事を演じたのは「ユ・ジテ」。『オールド・ボーイ』以降似た感じの役柄が多いような気もします。焦点が『チャン・ドヨン』に当たっていたので人間性を描くには物足りなかったと思います。ただしラストの風貌は一瞬見間違えるほどでした。 敵役の大物ヤクザ『ユ・カンジン』を演じたのは『オアシス』『大統領の理髪師』の「ソン・ビョンホ」。彼の冷酷な演技が主人公二人をうまく引き立てていたと思います。彼の存在感が物語を支えていました。 『カン・ジュヒ』を演じたのは「オム・ジウォン」です。『スカーレット・レター』では二面性のある被害者の妻を演じ「イ・ウンジュ」を食う演技を見せた彼女でしたが、本作では耐える女としか描かれておらず、彼女の力が出し切れていない気がして残念でした。 本音と建前の乖離した現代社会。正しいことが正義ではなく、力こそが正義と思い知らされた時、主人公二人のとった道はひとつしかなかったのかもしれません。 評価 星 みっつ 公式サイトはコチラ ・美しき野獣@映画生活 このエントリを気に入ってくれた方はポチッとヨロシク Amazonで買う Amazonインスタント・ストア xina-shinのぷちシネマストア
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期待しないで観たせいか、なかなかみごたえがありました。
力こそが正義、の映画でしたね
法廷シーンは良かったです。ユ・ジテの迫真の演技、さすがだなと思いました。
ラストは韓国映画らしくて納得でした。
期待ハズレの作品でしたね
TB返しさせていただきました
TBありがとうございました。
昨日レディースデイに鑑賞
あっ!私ユ・ジテ目的ですよ~(笑)
『オールド・ボーイ』以来いろんな役にチャレンジしている彼に注目です。
彼のアクションは特徴がある。
体のバネが異常に発達しているような・・・
こちらが殴られているような錯覚さえしてくる。
貴重なアクションスターかも。
いやはや…きっとふぁんの皆さんはうれしいに違いない…前売りも売れてたらしいもんね、うんうん(^^ゞ
確かに、プロミスは小さなスペースの映画館だったけど…ま、全国上映ってことに感謝しなくちゃって思ってます。次行ったらこの作品も見てきますね♪
見終わった後に虚無感はありますが、これが
現実と痛感したりもしました。
TBさせていただきました。
xina-shinさんの感想、なんかありがたい気持ちで読ませていただきました。
鋭い読みに脱帽・・・もう一度観る時の参考になりました。
ソン・ビョンホ・・・憎たらしい役柄を好演していましたね。私の中では「大統領~」のイメージが未だ強く残っております。
そしてサンウ氏もジテ氏もよかったのですが・・・・なんだろう、期待しすぎたのかな。
それともあまりに「野獣」な刑事に感情移入できなかったのかな?
彼らにはあのラストしか選択肢が無かったのですかねぇ、悲しいです。
美しき野獣 見終わった後に いろいろ波紋がおきてますね。
久しぶりに 映画を見て疲れました。
TB させて下さいね。
かなり年齢層たかかったですよ(ーー;)
私も法廷シーンはよかったですね。
>彼の存在感が物語を支えていました
かなりおもいましたね~
TBさせていただきます"^_^"
冷徹でエリートだけではない、熱い物が彼にあったのですね~。
しかし、カンジンがやっぱり良かったです。
>彼の存在感が物語を支えていました。
本当ですね、私もそう思いました~。
TB頂いていきます。