木に想う

家も建てちゃうドア・家具も創っちゃう材木屋 加藤木材の社長の想う木の話

「杉が無くては平和も来たらず」

2014-11-27 10:03:15 | 杉と睡眠(脳)

以前書いた・・

施設に入ってらっしゃる90歳の認知症の女性が

歯科医さんの検診を受けたら、口腔が良好で、先生もビックリ!・・・だそうです。

 

なんとまぁ尾鷲香杉で元気!・・・のより具体的な話として「杉で口腔が劇的良化!」という事です。

(この床+パーテーションで介護ベッドを囲んだだけで・・・の話です)

 

「杉で口腔が良化!」・・・・というと

「ほんとかよ~」ってお思いでしょうが

全ては屋内空気質の変化(=杉でしか得られない浄化×恩恵物質の空気)によるものである。

 

※桧にも空気浄化作用はあるでしょうが、杉の半分くらいでしょうね。その他の家具などの広葉樹にはほぼ無いと思われます。パインとかの輸入の針葉樹だと多少空気浄化はあるかもしれませんが、汚染物質の吸引後の木材内での吸着固定化が、あんまりできないんじゃないでしょうか。あと輸入時の薬品の噴霧の問題も場合によってはあります。それと恩恵物質の放出が無いでしょうね。

 

だってそれしか変わって無いんですもん。

そしてもうひとつ加筆するなら

「杉(尾鷲香杉)でしか得られない質の高い睡眠」によるものだろう。

 

この90歳の女性は

睡眠薬を服用されていると、こないだ始めて聞きました。

 

お歳を召すと睡眠が浅くなり・・・体力回復・・・免疫力の減少につながって

病気になりやすくなって、治りづらくなって・・・最後は病気によって召されます。

 

高齢者の方の「眠れない」は「お迎え」への快速列車ですから

対処として睡眠薬を飲んでもらう・・・というのが現代のセオリーなのでしょう。

ただ睡眠薬には副作用がありますから

それによって脚がもつれて・・転んで骨折・・・・なんてケースも結構あるみたい。

お歳を召してからの骨折・・・歩けなくなると・・・介護する側もキビシイくなるし

ご寿命も短くなられるでしょうし・・・その方の個性をもったまま「お迎え」を待つのが難しくなっていきます。やはり「歩けなくなると早い。」・・・とはよく良く聞く話ですものね。

 

お年寄りの睡眠薬による副副作用って事でしょうかね。

 

それにしても睡眠薬を服用していても

杉によってより鼻腔が開き酸素が大脳に大量に行く事によるのか・・

(この辺の話を最近、マンガというか絵本にして弊社webにて公開しています

http://www.woody-katoh.com/category/manga/ よろしければ読んでください)

「睡眠の質」が高くなって元気!・・・というのは初の事例です。

それに、なにしろ代謝が見込まれない90歳という年齢だし・・・。

改めて「尾鷲香杉」凄いや。

 

「睡眠薬いらないじゃん」・・・だったんだけど

「睡眠薬常用でも効果あるじゃん」・・・になりました。

 疲れが溜まると歯茎が腫れたりしますよね。

その逆に「杉で元気!」になって

口腔が劇的に良化!・・・。

 

90歳の方でこうなんだから

子どもとかだったら”どんだけ!”・・・ってやっぱ思います。

だから悔しい。申し訳ない。

 

認知症も、子ども達の発達障害だって

「杉で治る」とは言わないけど

睡眠の質が低い(眠った時間量じゃなくね)から・・屋内の空気が汚いから・・・・

より症状が緩和されない・・・というのがあるとは確信してます。ぼくは。

 

緩和と言うか・・・認知症や発達障害が治る・・治らないではなく

(そういうYES or NOの2者択一的なデッドオアアライブ的な考え方の常用も問題だと思う・・)

睡眠さえ(杉が身近にあって)まともなら、もっと「できる」のに

その「可能性」、「のびしろ」、「もともと持ってる能力」にフタをしちゃってるんだな。きっと。

 

そして多くの方が・・・「杉があれば、そりゃ少しは効果あるんだろうけど

そんな余裕は我が家には無いよ。」・・・という金持ちのオプションのように皆思ってるけど

そーじゃない。

 

こうやって・・少しどころか劇的に変わります。・・しかも副作用なく。

杉(木)が身近に無ければ

その方の・・・

その年齢なりの・・

そのご持病をお持ちの方なりの・・

その方の先天的な個性をお持ちの方なりの・・

・・ベター・・ベストな心身にはなれないのですよ。結論としては。

きっと・・・たぶん・・・・いや、絶対。

 

「腹が減っては戦は出来ぬ。」ならぬ

「杉が無くては平和も来たらず」である。

 

今の現代社会・・・現代の設計・建築業界って何やってんだろう・・・。

「イノベーション!」・・・なーんて言って出てくるモンは

たいがい「命を(よりもっと)削る」もんばっかだもんなぁ。

「命を太くする建築素材」って考えがまったくない。

 

コスト、デザイン、・・・あとは、あっても数値性能ぐらいだもんなぁ。

「いのち」は数値化できない。

 

杉にコミットしてると、ほんと杉はしゃべんないけど

いろんな事を教えてくれる。

ビニルに木を印刷をしたモノは何も教えてくれまい。

 

 

 

 

 

 


壁板セルフビルド技術編

2014-11-25 20:02:10 | 現場の話

毎回個別にインストラクションさせていただいていたセルフビルドの壁板の施工方法を

一度共有させていただければと存じます。

 

すいませんね。

 

ぼくが以降、楽になるし、読んでる方も知恵もつくし・・・

 技術に興味が無い方はごめんなさい。お許しください。読みとばしてくださいまし。

 

まずノコギリですが

いろいろありますがゼットソー(商品名ですねこれは)などの替え刃ができるタイプのノコギリがよろしいかと存じます。

数字が書いてあると思うんですが

数字がデカイ方がノコ目が粗い=一度にたくさん伐れるんですね。

壁板に使うんなら「8寸目」くらいのヤツ1つあればよろしいかと思います。

8寸=240ですな。

 

さて弊社の壁板は、事前に長さも幅もお客さまとのお打ち合わせの過程でジャストカットしてありますから・・・ノコギリを使うトコはなさそうなもんなんですが・・・コンセントとかはどうしても自前でやってもらわないといけません。

 

まぁいわゆる「腕の見せ所」ですな。ははは。

まぁそこくらいのもんなんですけどね。

 

まず「墨付け」なんですが

コンセントのカバーを外せば

いくつの寸法を開口すればいいのかがわかるはずです。

コンセントによって詳細は違いますが、仕組みはだいたい同じです。

プラスチックのカバーがしてあって、(その下にプラスチックのプレートがあって)

 その下に鋼製プレートがあります。

古ければ、いきなり鋼製プレートの場合もあるでしょうね。

まずプラスチックのカバーをはずします。

この時、古いヤツとか寒い冬季はプラスチックが破損しやすいから気をつけてくださいまし。

 

その次にさっきはずしたプラスチックのカバーとのコンビだったプレートをはずします。

手回しドライバーで廻して外します。

 

その次に鋼製のプレートを外します。

 

やっぱ、手回しドライバーで外します。

ドライバーのすぐ上の穴はさっきまではプラスチックのプレートが留めてあったネジの穴ね。

それでもって、このネジなんですが・・・今度は壁板の厚み分(=12ミリ)鋼製プレートと奥のボックスなどとの留め代が長くなりますので、最低12ミリは長いネジが必要になってきます。

この写真だと結構長いネジを使ってますね。

我社の事務所は塗り壁のトコやら杉板のトコやら混在するので

たぶん電気屋さんは全部長めのネジを用意したのかもね・・・。

 

ようはこういう感じでこの上に板が貼られるから・・・

板の厚み分の12ミリ浮いてくるから、今まで使ってたネジが届かない場合もあるという事ですな。

 

厚みは4ミリのネジでしたから(こうやってノギスで正確に計らなくても大丈夫っすよ。物差しとかで・・・)

そーゆー訳で

4ミリの、もうちょっと長いネジを買ってきてくださいまし。

さて外してみたら開口は高さ90ミリ×幅40ミリでございました。

 

 さて加工する開口寸法がわかった所で

壁板に細工をしましょう。

 

壁板は板と板の左右のジョイントのトコにこのコンセント開口が来た方が「楽」です。

板のまん中に開けるのはなかなか難しいでしょ。

だから開口部を板と板を渡らせちゃうのね。

 

さて「墨だし」といって開口する場所にエンピツで印をつけます。

この時に「差し金」があった方が便利だけど

無ければめんどくさいけどスケール(メジャー)だけで「墨つけ」しましょう。

エンピツで「墨付け」したんだけど・・・

見えづらいから・・・・

ドーンとマジックで書いちゃいました。

あくまでもこれは写真を見やすくする為のデモンストレーションね(笑)。実際はエンピツでやりましょうね。

板は、なんかこうやって固定した方が楽にできますが・・・まぁ頭を使ってイロイロ考えてみてください。

 

これくらいなら手で持ってでもできるだろうけどね・・・。

 

「楽な姿勢→楽に動ける→うまいく作業ができる」というのは鉄則ですな。

もちろんその逆だと・・・ね。

 

よく設計士さんが

カッコつける為に(まぁそれも重要な事なんですが・・・)

あぁだ・・・こうだ・・っておっしゃるけど

「大工さんが楽に(作業しやすいやり方で)できる方法=最もキレイに仕上がる結果」

というのは基本ですな。

 

もっともそれじゃあ、同じ様なのばっか・・・となって奇をてらいたくなる・・・という繰り返しなんですけどね。

 

こうやってノコギリでザクザク伐り目を入れます。

指でも結構とれるけど

この写真では、カッターの逆側の柄の部分を使ってとってます。ここはなんかご自宅にあるもんでイケるはず。考えてね。そしてそーゆー考えるトコを楽しんでね。オリジナルな発想が生まれるって楽しいはず・・・。

 

ほら「荒く開口」できたでしょ。

まぁコンセントの開口なんですから、そんなに精度は求めなくとも

アラは見えないんですが・・・

ノミがあれば、なおいいかな。

ノミが無くてカッターでやる時は

文房具用のカッターとか壁紙を切るような刃が薄いヤツじゃキツイからね。

こういう厚い刃がつくカッターじゃなきゃダメね。

あと・・・カッターの刃が折れて!・・その刃が目に当たったら大変ですからね!!

刃の出てる長さが長すぎたり・・刃が切れない状態だったりすると

万が一!!!・・・があります。木は木目によって切れづらいトコとか切りやすいトコがあって

紙やビニルと違って、力のかけ方が均一じゃないから、カッターの操作は舐めちゃいかんよ。

 

刃モノはちょっとビビリながらやるくらいがよろしいかと。

カッターってしかもケガしやすい道具ですからね・・マジで。

できればカッター無しでいきたいし、イケると思うんだけどな。

 

 

ちょっと粗めの紙やすり板を同梱させますから

これでゴシゴシやる分には怪我しないからね。

 

怪我はさぁ・・・

「急ぐ」「焦る」「ナメてかかる」がだいたい主因ですから

仕事じゃなくて「セルフビルドで楽しもう!」っていうんですから

時間に余裕をもって、楽しくやってくださいね。

悠々といきましょう。

 

壁板だって、お客様の手中にある、この今まで

植林してから100年なんすから・・・ゆったりと100年を想いながら

怪我無くお願い致します。

 

ほら開きました。

 

これで大丈夫。難しくないでしょ。

 

コンセントは弊社事務所はボックスという

中にプラスチックの(黒い)箱が入ってましたけど

「はさみこみ」といって裏に箱は無くて

壁のボードに金物ではさみこんで鋼製プレートを留めてる場合もあります。

 

そっちの方がちょっとめんどくさいけど

要領は同じね。

 

https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88%E6%8C%9F%E3%81%BF%E8%BE%BC%E3%81%BF%E9%87%91%E5%85%B7&rlz=1C1AFAB_enJP449&espv=2&biw=1040&bih=634&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=BHd0VJowj-_yBe2igogM&ved=0CEMQsAQ

 

いつも、ぼくの「杉ばなし」とか「杉で元気!最新情報!!」を楽しみにしてる方はごめんなさいね。

 

だけど、たとえ賃貸であっても、自分で楽しく100年の杉に触れて作業して

屋内空気を浄化して、鎮静効果恩恵物質の効果を

自分で得るなり、最愛の伴侶・・お子さん・・・お孫さんにお渡しするなりって

これからもっと増えていって欲しいから

 

今日は珍しく技術編とさせていただきました。

 

女性の方だって、誰か1人ボーイフレンドを呼べばいけそうでしょ。

 

仕事はさぁ

「~しなければならない」辛さがあるけど

セルフビルドは怪我無く楽しんじゃってくださいまし。

 

百年前から、今お客様の手にあるまでの時間軸・・・。

人の汗、想い・・・なんてのを考えながら

悠々と作業してくだされば嬉しいっす。

 

追伸

壁板は「ほんざねめすかし」という加工方法になっています。

感じで書くと「本実目透かし」ね。

 

これって左右の板ををピタッとつけても正面に「目透かし=目地=すき間」ができると言う「おさまり」なんですね。

そこで弊社では板と板をピタッとくっつけずに

1ミリ程度更に離して張るような寸法に加工しときますから

そこんとこよろしくです。

これが左右をピッタリくっつけた状況。

裏面(写真上部)のエンピツの先がくっついてる(=もうそれ以上左右の板はくっつかない)けど

表面(写真下部)には板と板のすき間(=目地=目透かし)があるでしょ。

黒い溝に見えるトコです。

それをこの写真みたいに1ミリ程度間を空かして貼っていって欲しいのです。

理由は夏季の多湿時に木材が膨れるから・・・あらかじめその分を開けときます。

この「膨らみシロ」の分、蒸し暑い夏も湿度を下げてくれて

更にカラカラの冬季も湿度を放出してくれるのですね。

ありがたい事です。

 

だから1枚貼ったら

壁の残りの寸法をスケール(メジャー)計りながら進めて・・・

「おっとすき間を開け過ぎたから・・・ちょっとくっつけて1~2枚貼るか・・・・

おっと今度は詰まってきたから、ちょっと多めに2ミリくらい空けるか・・・」

 

・・・なーんて先をニラミながら事をカッコよく進めてくださいね。

「ふふふ、こー見えても先々を読みながら貼ってる私って賢いじゃん。」

・・・なーんて感じでやっちゃってくださいまし(笑顔)。

 

 

もちろん、お客様におかれましては

このブログを読んでもわからない事は直接弊社までお問い合わせくださいませ。

 

ではまた。

 

 

 

 

 

 


杉から気づく

2014-11-22 18:12:41 | 想う話

11月も中旬を過ぎたというのに、まだ固定種のステラトマトは花を咲かせています。まったく素晴らしい生命力。「無肥料」なので植物の本来持ってる「力」が発揮されています。

 

「種」もとれました。

小さなプランターなのですが、いろんな事を考えさせられます。

 

収益をあげる為には・・・

「今までより早く収穫ができる事」→肥料の使用、品種改良

「たくさんの実をつける事」→肥料の使用

「種をとらなくても大丈夫な品種=作業の縮小」

「美味しい野菜」→品種改良

 

品種が改良されるたびに「食べやすくなって」いっても、栄養価はどんどん少なくなっていく野菜。

肥料などをたくさん使う事によって、植物は甘やかされて、本来持っている「力」を出さずに育つ。ぼくらは普通にそういう野菜を食している。

新たな品種は・・・もっともっと早く収穫できて、食べやすく美味しくなって、栄養価はドンドン無くなっていく・・・速効性を求めて肥料を大量に使うから土も変質していく。

 

もはやぼくらはホームセンターで一切何も生えてこない薬品による完全消毒済みの

すべての命を殺された土を買って、そこで植物を栽培する事に何の疑問も感じていない。

 

まったく得難い経験をさせていただいた。

 

今、ぼくらに必要なのはイノベーションではなく

温故知新。「古きを訪ね新しきを知る」ではないだろうか。

 

ほら固定種の大豆も収穫できました。嬉しいな。

 

収益にリミッターがある分には

充分、持続していける。次世代の分まで収奪するような

青天井のあくなき恥知らずの収益追求の考え方が世の中を狂わせている。

 

農業ではなく「農」には人間性の回復だけでなく

現代社会の恥部が見える人間を養うという効果もありそうだ。

 

もちろん「杉」もそう。

 

杉が身近にあって、心身ともにハッピィになる人は

弊社の100年の杉を見て、100年間の様々な人の汗を感じてそこから

それらの見ぬ、会えぬ人々への謝意を持つ。

 

見知らぬあの世の方への謝意。

見知らぬ地方の方への謝意。

 

えっ?!「顔の見える産業」・・・ははは、顔なんざ見えなくても謝意も持つ事は人間はできるんですよ。顔が見えなきゃ謝意がもてないなんて、かわいそうな人達・・・。

 

柔らかいから大切に使うという気持ちを持つ。

 

メンテナンスフリーの素材や傷のつきにくい固い素材では無礼者が育ち

人の気持ちをおもんばかれない大人になってしまう。

 

もはや我が子を愛せない親が

我が子を殺すなんて事が「月一」で聞かされる我が国である。

 

それらに、「住まい」にも重要な遠因があると、ぼくが叫べば

笑われるだろうが・・・笑いたければ笑えばいい。

 

ぼくは「適材適所の会」を通して

年間600セット以上の「輪ゴム鉄砲つくりワークショップ」を子ども達相手にやっています。

 

なぜ?子ども達はこんな時代に、このおもちゃを求めるのでしょう?

 

それはおそらく「木」に触れたいからです。

人間が持っている本来の欲求です。スタートであり種火のようなもの。

 

それはまるで、植物の発芽の「ふたば」のようなもの。

それがなければ次に進めないもの。

 

天皇家の「おままごと道具」は全て木製でできているらしいです。

 

それは幼少のころより

木に触れる事が情操教育だけでなく

「熱い」「寒い」ではなく、木の「温かみ」を知ることによって

人の温かさや、目の前の木片がここにあるまでの百年の人々に思いをはせるとか・・・

 

とにかく木に触れなきゃ

まともな大人になる事が難しいという…日本食の極意のように

「素材の選択」で全てが決まると言う事を天皇家は知っているから伝承しているんでしょうね。

 

 

あぁそれなのに・・・木(杉)をとりあげて

ビニルだらけの揮発性化学物質わんさかの子ども部屋を与えて

PCとスマホと塾と英会話で、立派な大人ができると思ってるんだから・・・

まったく、子どもがかわいそう。

 

へんてこな大人はへんてこな大人が作りだしたからで・・・

最初からへんてこな子どもはいない。

 

子どもは木を求め、木に触れる事によって

「気づき」成長していく機会を得ていく・・・そうやって数千年も続いてきた国なのにね。

 

ため息。

 

 

 

 

 

 


墨俣城

2014-11-14 17:02:55 | 木(杉)の話

工場で作りこんで・・・

一夜にて設置・・どころか半日未満にて設置完了。

まるで墨俣城ですね。

 

事前に「墨だし」と金物のアンカー留めは現場でやってあります。

写真の黒い金物がそう・・・手前の「出隅」の金物は、おさまりが悪いので

アンカーだけ打っといて、金物を持ち帰ってカット・・加工してきました。

 

おらよっと・・・。

できました。

最上部の「笠木」も、もちろん赤身なんですが

縦板の黒心があまりにも黒々とした艶っぽさがあるから、なんか最上部が白っぽく見えちゃいます。

黒心と言ったって

その「色」は乾燥(水分量)と関係があります。

出隅から左に9枚目の板とか・・黒いっすよね。

その先の12枚目とかはかなり白っぽく見えるけど・・・

丸太の時は黒かったり、濃い赤…血液より濃い・・イキの悪いマグロみたいな黒っぽい赤だったんですよ。それが乾いてこういう色になります。

 

同じ森、同じ樹齢、同じ樹種でも9枚目と12枚目の差があるんですね。

 

ノリとしては・・・

おとなしそうな・・・品のある・・無難な「木あじ」の板の方が「色抜け」が良い気がします。

 

やんちゃな・・・勢いのある・・ほとばしる感じの板ほど、「濃い」色のままな気がします。

 

その辺は人間と一緒かな(笑顔)。

実は「手前みそ」に聞こえるでしょうが、今の時代はなかなかこーゆー板塀ができないのですよ。

 

「明細流すから値段いれて送り返して!」・・・の世の中ですから

「杉 板 870ミリ×85×16ミリー82枚」で終わりですからね。

使い場所もわかんない場合もありますからね。適材適所の助言もできない場合多し。

 

「外部使用なら同じ杉でも黒心ですね!」とか

「同じ黒でも目混みの(年輪の間隔の詰まった)油のある木でいきますか?」とか

「縦板だけじゃ上から腐るから最上部には笠木をつけなきゃダメっすよ」とか

「エクステリア材は、木の樹齢までもたない場合が多いんだから、だからこそ精一杯長持ちするように施工しなきゃ」とか・・・

 

「エクセルに書き込んで早く送り返せばいいんだよ!」・・・では知識も知恵も情熱も

つなげようがありません。

 

以前あった実話で・・・

浴室の壁を桧にしてあったんだけど

良い桧なんだけど

そのほとんどが「白太(しらた)」と呼ばれる、カビ安い部位を使った施工でして

(丸太の外側が白太という部位)

弊社は桧の風呂のフタを販売させていただいたのですが

新築後1年経ったら、壁の桧はカビてきちゃってるのに

風呂のフタはフレッシュなままで、問題になった事がありました。

 

「なんで!風呂のフタの方がキビシイ環境なのにカビてないのに

壁がカビてるんだ!!このフタを買った人の話でも聞いて勉強したらどーです!!」

 

大きな会社の施工の元請けの担当者さんから電話がありました。

 

「それはね、白太を使ったからですよ。赤身ならカビないもん。

それにね。白太部なら節の無いトコも珍しくないけど、赤身部になると節が多くなりますからね。

節のトコが抜けたりしたら問題だし、水使うから節埋めしても接着剤もやがてキレるでしょ。

 

そうなると赤身の部位で、ほぼ節の無い板が浴室には必要って事になる。

そういう板は白太の節無しの材の倍以上の価格になりますからね。

 

まぁいずれにせよ、カビだけの問題なら節の話はともかく・・赤身を最低選ばなきゃって事ですよ。」

 

「・・・あのう、それは・・・”あかみ”っていう、絶対にカビない塗料があるんですか?」

 

(絶句)

まぁ、ぼくにとっては「笑い話」だけど

お客様にはたまったもんじゃありません。

 

もはや効率化・最適化のなれの果ての現代建築ビジネスは木を使えないよね・・・。はぁ~・・。

 

この板塀のお客様は・・・その後・・・。

 

「ご近所さんに喜ばれてるの。」

あらまぁ・・・なんで?

「この町内の雰囲気が良くなったって。」

ははは、ありがとうございます。

「だから鉢とか片付けろ!景観を意識して!って言われて大変なの。(笑顔)」

ははは、そりゃいいや。

 

・・・との事でした。

 

よーく見てみ・・・

海の近い古民家とか外壁は必ず「杉」であって・・・

更にぜったいに赤身・黒心材を使ってあるからさ。

 

まぁぼくが生きてるうちは、先人の教えに学んで

こだわっていきますね。

 

 

 


危険なおとこ

2014-11-13 20:21:41 | 工場の話

弊社ではエクステリアの「こぐち」には「ロウ」を塗ります。

そう・・・ロウソクのあの「ロウ」

 

柱だと下部に塗ります。吸い上げによる劣化の防止です。これは以前に載せた写真だけど

「こぐち」を”おてんとさま”にむき出しにしちゃうと

劣化が甚だしくなっちゃいます。

こういうおさめ方は×・・・。そうじゃなくて

下部のこぐちの吸い上げによる劣化を防ぐべくロウを塗ります。

こういう「吸い上げ」によって劣化しちゃうから。

 

 

 

ロウソクを溶かして塗ります。

 

この方法は「雑木林の手入れ」にて学びました。

いわゆる「萌芽更新」の際の「ひこばえ」が芽吹いた際の伐った「こぐち」のまん中にロウを塗って木の腐食を防ぐ・・・との記述を本で読んだので、それをいただいています。

 

それがベターな方法なのか?は知らんよ。

我流ですから・・・。もっといい方法があるのかもしれません。

ただ弊社はお客様に良かれと思って必ずやっています。

これは気仙沼の大島で見た、震災の山火事で燃えた広葉樹を伐った後の「ひこばえ」が芽吹いてる写真。

まったく素晴らしい生命力に感動しました。

「ひこばえ」を2本残せば、二股の木になりますが、その間に「こぐち」からの紫外線・雨水・虫などの侵入を防ぐために「ロウ」を塗るのです。

 

ぼくは雑木林の保全と言うか・・・健全化の為の活動というか「農」の為の平地林での活動をやってたので、「萌芽更新」をする機会は無かったのですが、雑木林の本を読んで勉強した事です。

 

最近、想うのですが

「男」って専門性が高くて・・

ノーベル賞もみんな男だし、料理人のトップもみんな男。

掘り下げて追及させれば能力を発揮する人は多いのですが、そのかわりに「ミカンのむき方」もわかんないような人も多い気がします。

 

綺麗な女優さんの毛穴まで見えるTVとか・・

大阪まで1時間で行けちゃう列車だとか・・・

 

そんな・・

だーれも望んでないモノを作って人生を終えてしまうのも男のような気がします。

 

 

だから・・・

●大工さんとか職人さんは男にむいてるけど

工務店の社長さんは女の方がむいている。

●大会社の部長さんは男が向いてるけど、社長さんは女がむいている。

●演奏者は男がむいてるけど、指揮者は女がむいている。・・・設計士も女がむいている。

●大臣は男がむいてるけど、総理大臣は女がむいている。・・・そんな気がします。

 

 

仕事としてる分野にはめちゃくちゃ詳しいんだけど

他は知らん。・・・

 

放射能は女性が発見したんだけど・・・

核兵器とかって、ぜったい男性が作った気がします。

 

もっと凄いヤツ・・・もっともっと・・もっと破壊力を・・・・

いざ完成したら

「ヤベ!こんな一発で何万人も殺せる爆弾作っちゃったよ。やば~夢中で作ってたらできちゃったよ~。水かけりゃ消せるってもんでもないから。こりゃぁヤバイよ~。」

・・・と思っても後の祭り。

建築もそう・・・

多少は有害揮発性物質はあるけど・・

すぐに健康の被害にはならないよ・・・なんて言ってF★★★★に指定されて

使用制限は無しにて使いたい放題だけど・・・

今やそれしかないんだから・・・チリも積もって毒となってる感があります。

これも「男」の仕業っぽい。

 

ほんのちょっと違うトコのフィールド(森・海・山・・・)に出て

そこで多様な価値を学ぶ・・・それを自分の本業に生かす。

 

男はその専門性・・凝り性のドツボたる

誰も望んでいないモノの為に人生を費やす事がないように

男こそ、そこに出た方がいいのでは・・・と思います。

 

「住まい」はその素材の選択によって

それによって「いのち」が太くなったり、削られたりします。

だからこそ、森や海や山に観光ではなく、汗をかきに定期的にはいって「学ぶ」。

 

それがやがて生きてくる。

 

持ち前の凝り性にて・・

構造・・断熱・・ローコスト・・簡易工法・・デザイン・・均一化・・・何をやらせても、その分野のみにて、ある程度の数値は達成するも・・

結果として何かの「いのち」を削ってしまうような事を進めてはいないだろうか?

 

森や海や山は生産性が高く、ゴミにならずに持続性があって、誰も損をしなくて

常にそこに「いのち」が宿る繰り返しになっています。

 

それを知って、それを知るだけでなく、知恵として身につけて

それを「生かす」。

 

若くして男はみんな森・海・山で活動してから・・・就業すれば

もっと×2良い世の中になりそうな気がします。はは。

 

ぼくは自分が「三富の農文化」と先住民族である「アイヌ文化」に傾倒した

20代~30代をおくってきました。

それこそ、仕事以外のほぼ全ての時間をそれに傾注した時期もありました。

今となっては、本当にそれを許してくれた、身の回りの人に感謝しています。

 

まぁそれがまだ「生かされて」まではいってないけどね。

肝心のトコロが不完全。はは。

精進いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 


青江美奈か?いしだあゆみか?

2014-11-11 16:38:07 | 「尾鷲香杉」の違い

黒芯材の塀ですが・・・ぼくは考え方が大工さんじゃなく家具屋なので、工場で作りこんじゃって・・組みこんじゃって・・・現場に持って行って取り付ける作戦です。

 

大工さんは現場で手道具で作っていくのが凄い。

家具屋とかは工場で作りこめるから、2ミリにするか?3ミリにするか?・・・なーんて

差は1ミリじゃん・・なーんて事にもこだわれます。

 

どっちが凄いというより、発想も状況も違うのですね。

工場内の照明とカメラじゃわかりづらいんだけど

黒心の柱を加工して刻んでから・・・写真をとりたくなったくらい存在感ありーでした。

 

以前にも書いたけどサンドペーパーに木の油がついちゃって、すぐに削れなくなっちゃう・・・。

内外から互い違いに縦板を張っていきます。そうなると、まっすぐ正面からは向こうが見えないんだけど、角度をずらすと向こうが見えます。

 

ほらね。正面だと向こうが見えないけど左右は見えるでしょ。それが光や風の通り道になるって訳。

昔の人は凄いよね。パッシブな自然の恵みを取り入れながら

プライベートとの両立をはかっていて・・・

更に「かっこいい」もんな。

(内部の光が見えてるトコが透光通風ゾーン)

 

木はやっぱ縦張りがカッコイイな。

木は横に生えて無いからなぁ。

やっぱ縦張りがカッコイイと思うな。

 

杉は木目が明瞭な分、特に縦張りが映えるよね。

 

外国のラティスフェンスとかには無い「凛(りん)」とした感じがあるよね。

 

2日連続でお客様がいらっしいました。

「眠れる森のSUGI」(=百年杉ベッド)を見たくてお見えになったのですが・・・

 

「これ捨てちゃうんですか?これ頂いていいですか?」って…

あれれ、返事する前に・・軽く食べちゃってるじゃない(驚)

「あま咬み」ならぬ「あま食べ」?凄いや。

百年杉の黒心のおがくず・・・

 

「どーぞ、どーぞ」

自分も充分「杉へんたい人」としての自覚はあるのですが・・・

類は友を呼んでるんでしょうか(笑)?

なんか凄い人ばっか来るなぁ・・・。

 

「いやぁ、この杉は凄い!」

 

おっ!わかってくださる?

嬉しいなぁ。

 

食いねぇ、食いねぇ、寿司食いねぇ・・・江戸っ子だってね神田の生まれよ・・

・・・ってなモンですぐに上機嫌のぼく。

 

 

木ってさ、ぼくらの「うんちく」によって、その凄さを知ってもらえるケースも必要なんだけど

ある一定のレベルになると

説明不要で誰でも「凄い!」ってなるよね。

 

そのスポーツのルールがわかんなくたって

一流のプレイを見て「凄い!」って思うでしょ。あれに近い感覚かな・・・。

 

これはまだ樹齢が百年くらいだから

その「一定のレベル」・・・ハードル・・壁・・の最初の1発目を超えたあたりですよね。

 

昔から「杉は200年経てば別の木になる」って教わったから

これから、まだまだ「凄くなってく」んだけど、ここらで伐らせて頂いて

ご縁があって、今弊社にあるのですね。

そうやって思いを馳せるたびに

ちょっとだけ「ま人間」になれるんだよなぁ。

 

 

こないだ茨城の設計士のAさんとこに行って

飲んで泊まって楽しくご馳走になったんだけど・・・その際の精油分ばなし・・・

 

 

「ぼくは木の素晴らしさイコール精油分っていう考え方なのね。

だから精油分が多い方が好きな木なのね。

そして個体差激しい杉は特にそこが重要なのね。

 

あぶらぎったアル・カポネみたいな杉が好きなのよ。」

 

ふ~ん

 

「あ?なんか納得してないな・・・。

例えばねぇ・・・俺が好きな杉はね・・・

うちの会社にある杉はね・・・青江美奈みたいな杉なのよ!

もうお色気ムンムンって感じ。

精油分ギラギラのムンムンなのよ。

 

だけどね・・・東北や関東や東海の杉だと・・・いしだあゆみ、みたいな杉に見えるのよ。

 

品がある・・清潔感ある・・お上品な感じ。

 

俺はそれじゃ満足できないのよ!!」

 

がははっ!!(爆笑)

加藤さん、俺はギリギリわかるけど

今の子に講演で「青江美奈とかいしだあゆみなんて言ったって、誰もわかんないよ~がははぁ!」

 

「大丈夫!そういう場合は・・・杉本彩と堀北真希紀とか言うから(笑)

あと・・・ぼくの女性の好みじゃないからね。

あくまでも杉の好みの例え話ね。ははは。

 

だけどさ、マリリンモンローとオードリーヘップバーンって言うと

なんか外国産材っぽくなっちゃうからさぁ・・・

やっぱ青江美奈になっちゃうのよ。」

 

がはは!!

 

 

 

 

 

 

 


「がってんでぃ!」と言いたいぼく

2014-11-10 19:59:25 | 木(杉)の話

写真でわかるだろうか・・・

外部の壁板の材料・・・樹齢80年~くらいの杉の黒心材です。

ピカピカの艶艶なんですが・・・無塗装品なのです。

 

まずこれを見て「無塗装品」だとわかる人はいないんじゃなかろーか。

 

リボスとかオスモのような

自然塗料クリア浸透式塗料の塗装品と思う人がほとんどでしょうね。

(今日、突然来社された群馬の業界人の方もそう言ってました)

人によってはウレタン塗装って思うかも

(以前いました、プロでもそーいう人)

 

この木材は「超仕上げ」と呼ばれるカンナで仕上げてあるのですが

プレーナーと呼ばれる、いわゆる「粗カンナ」をかけた状態より

超仕上げをかけた方が含水率はグン↑と上がるんですよ。

 

不思議でしょ。

 

「含水計」なんて、しょせん数万円の機械なんてそんなもんすよ。

木材の内部の「水と油」の違いがまるでわかっていません。

 

同じ木なのに超仕上げをかけて、精油分がその表面に広がっただけで・・・

超音波で内部の水分を計測できるんです!・・・なんて売り文句なのに

超仕上げによって、木材内の精油分が、その表面に浮き出て広がっただけなのにね。

 

しかも広がったのは精油分であって水分じゃないのに誤認しています。

(もし機械が正しくて水分だったら、超仕上げをかけた際に、材が「毛羽立って」きちゃうんですよね。やったことある人ならわかるはず。この抜群な仕上がりこそが、水じゃ無くて精油分の証明)

でもそんないい加減な機械なのに

JAS認定人の含水率計で20%を切って無いと補助金は出せませんよ~とか

 

水と油(精油分)の違いもわかんないマシーンひとつに重大なジャッジをさせています。

木に精通してる人間より、そんな機械を信じるんだからね。

あほらし。

 

だから乾燥に時間がかかる杉は

高温乾燥によって精油分を流出させてしまった・・・

言わば血液なき人間みたいな杉の方が、俄然水分表示は
(低くでるから)有利って寸法。

 

「自然乾燥は数字が高く出るからなぁ・・・高温乾燥の方がトラブルないよね。」

施主の為じゃなく、数字の為に死んだような木を使いたがる・・

 

あほらし×2

 

凄くない?このテカリ。

大袈裟に聞こえるだろうけど・・・

こんな杉を見た事無い建築人がほとんどだと思います。

 

まず産地として東北~北陸~関東~東海地方の杉でこれだけ精油分豊富な杉は

ほぼ無いという事。

 

以前、宮城の丸平木材の小野寺社長が言ってたけど・・・

http://maruhei-wood.co.jp/

 

「加藤さんが扱ってるような、畦地(製材所)さんのような杉は、ぼくらのトコじゃないですからね。いくら愛工房があったって(彼の会社は愛工房があります)、もともとの精油分が増えないですから、尾鷲香杉を作るのは弊社じゃ無理です。だって、そういう杉がないんだもん。」

 

林材業界にはホント珍しい、正直で誠があって見識も有する丸平木材さんをみなさんよろしくね。

 

この杉は愛工房で乾燥させたんだけど

・・さすがに精油分が凄過ぎて、どーも(乾燥度が)もひとつって感じがしたから、それから2~3年、日陰でほったらかしてた黒心なんですよね。

 

だからまず入手は困難。

関東は間違いないな。ドコいっても無いよこの木は。

たぶん。

 

だから見た事無い建築業界人が居たって

別に恥でも何でもないのです。

(触ってて、ぼくもたまげたもん、触ってても”しっとり”してんだよね。もう凄いのよこれが・・・ほんと木材の乾燥って奥が深いよね)

 

そうね。愛工房に入れてから2~3年ですからね。自然乾燥なら何年かかるんだろか?

だから発注して4~5年後の入手覚悟なら、産地のチョイスさえ間違わなければ、自然乾燥でも入手可能ですね。

だから現実にはほぼ無理な話しでしょ。

 

先日の拙話の地域産材の話じゃありませんが・・・

こういう「品質」「性能」「個体差」の部分に対する考えが無さ過ぎですな

慣行建築業界は・・・。

 

逆の言い方をすれば

こういう素晴らしい木材が

その素晴らしさの評価を受けた正当な金額でトレードされなけりゃ

こういう素晴らしい木材を作ろうとしなくなっちゃうでしょ。林業も製材所も・・・。

 

例えば高知県。

森林率9割の、過疎の県なんだけど

降水率やらなんやらを考えれば、おそらく日本最大級の精油分の杉と桧の産地なのに・・・

「地産地費」じゃかわいそ過ぎるでしょ。

 

わざわざ性能に劣っていても・・近くの木を使うロマンとストーリーばやりの今・・なんだよね。

 

昔の城だって、トラックもない時代なのに・・・

石垣の石はどこどこから持ってきて・・とか

「国産」ではあったけど、遠くから持ってきたそうじゃないですか。

 

・・・・・

「加藤さん!もの凄い黒芯材!! 香りも色艶も対候性も抜群な杉でさぁ!

あんたが”これはっ!!”って思う杉で頼むよ!!今度の塀は!!

”おまかせ”だからね!そんじょそこらの杉じゃ嫌だよ!!」

 

「おーしわかった!!がってんでぃ!!」

 

なんで?食べれば排泄されちゃう、食い物屋の大将にはそんな”おまかせ依頼”をするのに・・・・・

いつまでもそこにあり続けて・・・

同じものがこの世に無くて・・・

個体差の極めて激しい杉なのに・・・

 

ぼくらにはそういった依頼がこないんだろうね。

 

杉こそ違うのに、「どこの杉も一緒だろ?!」って思ってる人が

ミスリードしてるケースは無いでしょうね。

 

 

 

 


「まぁはす」

2014-11-08 16:10:16 | 現場の話

「まぁはす」という横浜の学童保育を応援しています。

http://kmahasu.wix.com/mahasu

元はと言えば・・・5月のロハスデザイン大賞新宿御苑展にて・・

「この鍋敷きの違う寸法のモノありませんか?」って

うじゃうじゃ子どもたちとの輪ゴム鉄砲ワークショップで格闘してる時に声掛けられたのがご縁でした。

 

そこからは凄く書略してしゃべると・・・

 

「杉は凄いんだよ。」

「そうなんですか。」

「そりゃそーよ。何でも聞いてよ。俺、杉なら日本一級だから。」

「はぁ・・・。」

「だからさぁ・・・杉の何が、ぼくらの何に・・どう働きかけてくれて、お陰でどういう恩恵が得られてると推察してる。・・・みたいな話。

そーゆー・・より具体的にがんばって、素晴らしさを探求してる木の目利きなんざ俺くらいなんだから。」

「はぁ・・・、実はこれから学童保育を開業するんです。」

「何?!これから始めるの?!」

俺、凄いと思った。少子化・・・これから学童保育を始めるなんて凄い人だと思ったんだ。

 

実はそのちょっと前から・・・住み続ければ病気になるような住宅ばっかのこの国で

以前の弊社もそうだったけど

病気の方棒を担ぐような住宅づくりを手伝ってきた罪滅ぼしじゃないけど

 

尾鷲香杉で心身ともにhappyって事例はフツーに増えてきてたから

「子ども達に杉を!!」ってのが

ずーっとあって、だから大阪の木育情報ネットの藤田さんトコに行ってお勉強したり・・・

 http://www.mokuiku-joho.net/

 

藤田さんに本をいただいて(元ネタは芝静代さん http://www.seisuisha.org/prof/prof-top.htmlから藤田さん経由で教わったのです)免疫性疾患の本を読んだり・・・して

 

そんな勉強をしていたのです。

子どもたち相手の愛すべきスーパーウーマンで、ぼくが尊敬してる方というと・・・

「どんぐり小屋」のトコちゃんこと小川知子さんというスーパースターがいるけど

http://dongurigoya.seesaa.net/

(なんか今回はリンク多いなぁ・・・)

 

「まぁはす」の代表のかわさきさんは、トコちゃんとはまた違った魅力をお持ちの方だ。

 

そんなこんなでタダで「尾鷲香杉」の床板をあげたり・・・

(施工費はいただきましたよ)

カッコはいまいちだけど

破格の値段の樹齢100年の尾鷲香杉のテーブルのセルフビルド版を持って行ってあげたり・・・(」道具も貸してインストラクションもして・・・)

まぁ、そんなこんな・・・・ぼくなりの応援を、ここのところやってきました。

 

もちろん、それはぼくだけの「援助」じゃなくて…

 

「応援したい学童保育があるんだ。」と言えば

「了解!」ってふたつ返事でタダで「尾鷲香杉」をを出荷してくれた畦地製材所さんの畦地秀行氏や

(畦地秀行氏)

 

施工に手を貸してくださった協和建築の吉田昭吾さんとかの

http://www.kyouwa-const.com/

 

多くの方々の「こどもたちに杉を!」という気持ちがあったからだし

つながったからです。

 

(来週「まぁはす」さんに納品の椅子兼本棚。強度的には子どもだから持つって感じかも。もっと”遊びたい”んだけど、”凝る”と高くなっちゃう所が悩ましい)

 

自閉症、多動性症候群、学習障害、ひきこもり、アトピー、副鼻腔炎・・・・・・

何でも杉があれば解決とまでは言わないけれど

空気浄化機能は杉はハンパ無いからね。

 

そして、その根底に「眠れない」というのがあるのも事実。

「質の高い睡眠・・・睡眠導入には杉が効果的」だ。

人の弱みにつけこんだビジネスと言う気持ちは毛頭ないのだが

そこをわかっていただいて、なんとか子ども達に杉を届けていこう!・・・と決意も新たです。

 

思ってるだけじゃなく

実際にかわさきさんとつながれて、勉強させていただいて・・・そして「新たな決意」があります。

 

 

 

 

 


仮定の話だが・・・

2014-11-07 20:54:36 | 森の話

知人から

「中国漁船のサンゴ密漁がニュースになってますが、
日本人が中国を非難する資格はあるのかな?と思ってます。」っていうメールをもらって

その事を考えてたので・・・そして書きたくなったので記します。

 

(三輪ノブヨシさんデザインの三輪車・・・これ欲しいなぁ・・・最近カワイイって事象が俺もわかってきたんだよね in 渋谷ヒカリエ)

 

たしか我が国は、全世界の木材輸入量のかなりの割合を占めてたし、占めていますし、これからも占めるんでしょうね。

 

もちろん、その全ての商社マンがそうだとは言わないけどね・・・

 

スーツ来て、飛行機乗って

地球の裏側行って

札束で・・・ワイロで・・・

再生困難な森の木を伐って日本に持ってきて

伐採後・・数年経ったら洪水やら土砂崩れやらでたくさんの人命が失われて・・・

 

そーゆー事って、なかったんだろうか?

もしあったのなら、・・・あったのだけど・・・そーゆー人は捕まんなかったじゃんね。

 

なんか板子一枚下は、命をかけての大海原の作業の分・・・

中国漁船の方がマシな気もしてきました。

 

粗野というか、ワイルドというか

お金への実にわかりやすい執着心というか

単純と言うか、シンプルというか

 

シンプルな分、話せば・・・啓発すれば・・・関わり合えば・・・伝わる気もしてきました。

 

(こないだデザイナーの三輪ノブヨシさんと青山周辺を散策・・・ちっこいプードルは彼の相棒の”プー”。「いつもいっしょのふたり」をパシャリ)

 

でももし?

 

スーツ来て、飛行機乗って

地球の裏側行って

札束で・・・ワイロで・・・

再生困難な森の木を伐って日本に持ってきて

伐採後・・数年経ったら洪水やら土砂崩れやらでたくさんの人命が失われて・・・

 

・・・なーんて事をしていて・・・し続けていて・・・

「我社は合法だぜ、一緒にすんなよ。」

「その後の事なんて知ったこっちゃないよ。」

 

とか言ってるとしたら・・・

ちょっと更生は難しいと思うし

まずわかりあえない気がします。

 

マナーが言い分タチが悪いし、そんなヒドイ事やってないよね?!

まぁ仮定の話だけどね。

 

蛮行を非難する事は悪くないんだけど

ここ30年~40年くらい、ぼく達日本人がやってきた事で誇れる事を聞いてみたい気もするな。

以上。

 

 


video killed the radio star

2014-11-06 20:22:40 | 木(杉)の話

こないだ・・・都内のある設計士さんの事務所で

打ち合わせをしてたら・・・

 

名前は伏せときますが、先日、ある地方の製材所さんの社長さんがみえて

事務所内の天井や家具の扉の杉の加工板を見て・・・

 

「うちのに似てるなぁ・・・」と杉板を見つめては同じ台詞を繰り返してたそーで・・

そーこーしてるうちに

家具の扉の裏面を見た瞬間!

「あ!やっぱりこの木は弊社の杉です。」となって・・・愕然としたとの事でした。

 

床板や壁板の本実(ほんざね)と呼ばれる加工板には

その加工機械の特徴が裏面にあって・・

裏面の溝のピッチとかで見分けがつくんですよ。

まぁいわゆる指紋みたいなモンですかね。加工板の指紋。

 

自社の製品と言い当てた製材所の社長さんは、東北の製材所さんなんですが、

そこの設計事務所さんの杉板は東京と隣接する県より購入したもので

「産地偽装だった!」と設計士さんはショックを受けてました。

 

ふ~ん。・・・まぁね。

 

「首都圏にて木材の製品市場は、20箇所とか30か所あるのでしょうが・・・

東京と隣接する県産の杉の加工板なんて、たぶん、どこにもないですよ。

あっても・・・いやほぼ無いな。」

 

先生方はどこでも木材は同じだと思ってるだろうけど、

特に杉の加工板なんて・・・節の処理・・・埋め木とかの技術がいるし、加工板メーカーによってぜんぜんクオリティが違います。

首都圏産の杉の加工板が市場に無いのは・・・

言わばそういう技術を持った工場が無いし、あっても高コストになって製品精度が悪いから

誰も買ってくれないから・・・という事になります。

(地方は価格&精度をがんばってんですよ!!東京隣接県じゃできまい)

 

まぁ・・・その産地偽装?した会社は社名に地域材が入ってますから・・

設計士さんからすれば怒る気持ちもわかるけどね・・・

 

「だけど、先生、あそこだって・・国産(地域)の木材を使う大切さを啓発してきた功績があるんですから

それもゼロ査定じゃかわいそうですよ。」・・・なーんて、ぼくは擁護する始末。

 

でもね。そんな事はぼくが横目で見てたって

どこだってやってますよ。

 

ぼくは前から不思議なんだけど

設計士の先生方は、自らが木の目利きとして精通していないとおっしゃる割に

「木の監査」に関する工程を設けません。

 

まぁ「監査」と言っても、おそらくぼくが最後の世代で、ぼくより歳下の世代になると・・・

「監査」ができない人が多いな。

 

ぼくの印象だと、山の人って、とても駆け引きの強い人が多い印象を持ちます。

丸い丸太を四角にして・・・

あとは生木のままに売るか?使用可能な状態である乾燥材として売るか??だけですので

収益に関する損益分岐点が極めて明瞭なビジネスな分・・・「駆け引き色」が強いんだよな。いい悪いじゃなくね。

だから嘘つきが多いとは言わないけど、駆け引きが強い人が多い気がします。

まぁ・・・あとよく散見されるのは

地域産材の設計施工をうたってる現場なんかみても

見てみりゃ、ぜんぜん違うじゃんか・・・って話。

 

まぁ、そんなのも製材所にやられちゃってるとしたら・・・

その設計士さんや施工店が自ら木を見極めるスキルが無い事を証明してるがごとくだし・・・

逆にそのスキルが無いのに、なんで地域産材にこだわってんの?!っていうのも滑稽に感じますし

「見極める」スタッフも持たずに、産地のこだわりの売り文句というのも、やはりしっくりきません。

 

 

だからぼくはよく言われる・・「この家の木は全部地域産材でね・・」という話を聞かされても

「はぁ・・・見てわかるんですか! 凄いなぁたいしたもんだなぁ・・・ぼくは言って見れば、杉は道州制くらいのエリアの目利きしかできないし、個体差の少ない桧になると、かなり自信がないんですよ。すいません、教えてください!」

 

・・・なーんて皮肉を言うのもなんだから・・・(苦笑)

いつも黙ってしまいます。

 

1日に大型トラック3台とか4台とか・・・もっとかなぁ・・・

小憎時代に・・材木を全部かついで降ろして、担いで積んで・・・という事の毎日だったのは

まぁぼくが最後の世代だから

こーゆー事を言う人間も、そう遠くなく、いなくなります(木は見た数で決まり!人を見る目とおんなじ)。

 

そうなりゃ、いよいよ林産地の人達はもっとやりやすくなるかもね。

 

人工乾燥を否定して、未乾燥の材料を送ってきたりとか・・・

それじゃ、まるで電子レンジを否定して、冷たい弁当を売る弁当屋みたいですよね。

 

伐期にこだわるストーリーなら

伐期を尊重して、在庫を持てばいい。

それなら「本当の事」が可能でしょう。

 

だけど、仕事も無いのに、在庫を持って材料を買って・・・置いとく設計士さんや工務店さんなんて

100社に1社も無いじゃんね。

 

「いつでも、すぐに使える状態のモノをこちらの指示した通りの数だけ、現場に入れろ!」

・・・じゃ製材所だって、ストーリーに嘘つくか?未乾燥の木材を納入するしかないよね。

「監査」がないから、そこら辺はグズグズになります。

 

悪いのは産地偽装してる製材所なんでしょうかねぇ・・・。

 

まぁ皮肉にも都市部において、ぼくのような「木の目利き」を絶滅させようとしているのは

地産地消だとか、日本の木で・・・を標榜されてる設計士さんなのかもしれません。

 

昔、「ラジオスターの悲劇」って曲がありましたよね。

video killed the radio starって原題。

設計士さんが、消費地での木の目利きを絶滅させようとしている。

そうなりゃ、林産地はもっとやりやすくなる・・・。

 

ぼくはやっぱり、同じものが無いのが木だからこそ、特に杉は個体差激しいからこそ・・・

「品質」を優先順位の1位にしときたいです。

(高品質というだけじゃなくね・・・お客様が欲しい品質の木材・・・が本来の意味・・・だけど、今の弊社は高品質の杉ばっかだけどね)

 

おとぎ話のようなストーリー重視より品質優先の方が

お客様の利益になると思っています。