これはずいぶん前に自宅の近くで撮ったものですが、我ながらなかなか勉強になる写真だと思っています。
いつか出そうと思ってたんだけど、それが今日。
外部のエクステリア材なんですが、使い方が良くないのさ。
柱を「縦勝ち」にして上に「こぐち」を見せちゃっています。
※「こぐち」とは木が大地にあって、天と地の方向の部位。杉や桧の場合は電子顕微鏡で見ると蜂の巣のようになっていて、「呼吸時の肺活量は他の部位の100倍と言われる」
よくある人間のあやまち・・・。
「杉と桧はどっちが外部でも腐食に強いんですか?」
杉にもよるし、その桧にもよる。それに赤身とか白太とか部位にもよる。あんたの質問は秋田生まれの人と山形生まれの人はどっちが寒さに強いんですか?みたいなモンだよ。・・・まぁ頭で思ってもあんまり口には出さないけどね(苦笑)。
「杉や桧の赤身だったら、屋外でも強いんですね。」
施工方法にもよるでしょうが・・・この写真みたいな施工したら、どんなに耐久性が高い樹種部位でも柱が容易に朽ちちゃうでしょ。あんたの言ってる事は大学でてれば、みんな高いレベルでの理性と常識を持ってるんですよねぇ?・・・みたいなモンだよ。・・・意地悪返答じゃなく・・・木はほんと人に置き替えて考えた方が正解に向かうのよ。・・やっぱ口にはあんまり出さないけど(ははは)。
ぼくは弊社のベッドの「眠れる森のSUGI」もそうだけど、杉の「空気浄化機能×恩恵物質放出鎮静効果」を最大限生かす為に、「こぐち」部をなるべく露出させるデザインを施したり、人工的にそれを造りだす為の加工をしていますが、この写真はある意味それを証明しているのだ。
100倍というが、ようは「こぐち」は木(杉)とぼくらの通路なんですよ。
そう、杉の世界とぼくらの世界をつなぐ道なのよ。
・・・だから・・・この写真のように、外部で上向きにすると
紫外線、酸性雨・・・様々な木材の組織を劣化させるモノがその道に入ってきて
木材自体を破壊しちゃう。
だから外部だと「上向き」じゃなく「横勝ち」にして「こぐち」を横向きにしなくちゃね。
これはこないだの写真だけど、やっぱ下側5センチくらいは、今やほんとにろくでもない物質テンコモリの雨水を吸い上げちゃってるから、ほっとくと、おいおい下5センチは腐るだろうね。
「眠れる森のSUGI」の寝る人の口鼻に近い部分のこの「ノコ目」は呼吸100倍というか・・・「杉の世界⇔ぼくらの世界」の道を作ってるのさ。そう言った方がロマンチックでしょ。(笑顔)
「杉に通ずる道を造る」
うんうん。