同じアフリカ産のコーヒーとしては、お隣タンザニアのキリマンジャロが有名ですが、ケニヤも世界有数のコーヒー産地であります。植物は一般的に言って気温の日較差が大きいほうが実りが良いのですが、特にコーヒーは日較差が生じやすい標高の高い場所で栽培されたものが高品質である、とされているようです。
私が住んでいるエンブは標高およそ1500m。高品質のコーヒーを生産するに充分な標高らしく、コーヒー畑があちこちに見られます。
こういうところに居住することになったのも何かの縁です。庭にコーヒーノキを植え、灌漑や施肥などの管理をし、やがて開花結実したコーヒーの実を摘み、種子を取り出して乾燥させ、炭火で焙煎して挽き、ドリップして飲む、というのをやってみたくなりました。自宅の庭で栽培し、自分で加工処理をしたコーヒーを飲むなんて、これぞ究極のマイ・コーヒー。いくらコーヒー好きのマニアでも、日本じゃちょっと経験できない贅沢でありましょう(九州などの暖地では可能だそうです)。
もしかしたら手間隙かけたとしても、大しておいしくないかもしれない。それでもいいです。一度でいいから経験してみたい。
先日、当地で実際にコーヒーを栽培している知り合いからコーヒーの苗木を譲ってもらいました。お願いする時に「生業にするわけじゃないから少しでいいんだ」と言ったら、ホントに少し、アラビカ種の苗を4本とロブスター種の苗を2本、分けてくれました。
庭の隅に生ゴミを埋めて有機物たっぷりになった土を客土したうえに化成肥料も施し、移植して充分潅水。植えつけた苗6本のうち、残念ながらロブスター種の一本は早々と枯れてしまいました。でも残りの5本はうまく活着したようで、新葉が芽吹いています。
自分で栽培・加工して飲むコーヒーが究極のマイ・コーヒーと書きましたが、いやいや待てよ。以前「ネコのコーヒー、カイコのティー」で紹介したコピルアクは、完熟したコーヒーの実を食べた野生のジャコウネコの排泄物から種子を取り出して加工したものでした。アレをわが身で再現すること、つまりコーヒーの実を食べて果肉は消化し、ウンチョスに混じって出てきたコーヒー豆を取り出して洗浄乾燥焙煎製粉して淹れて飲む。コレこそ真の究極マイ・コーヒーではないか? と、思い至りました。
こうなったら絶対やります。やってみせます。
友人諸君。来年以降、拙宅ご訪問の際にコーヒーをお出しする私の表情に、どうぞご注目あれ。ニヤニヤしてたら要注意。
豆の乾燥、焙煎、挽き、点て、そして飲むところまで写真アップしてね。