WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

衝撃!無償ファイアウォールを提供していたSygateがSymantecに買収されていた!

2005-12-23 04:35:15 | セキュリティ
 無償のパーソナル・ファイアウォール・ソフトはいくつか存在し,その中でどれが一番優秀なのかついては,様々な論議がある.これらのファイアウォールソフトは,おおむねWindowsXPの装備する標準ファイアウォール「Windowsファイアウォール」よりも高性能といえるだろう.ただし,それぞれに個性があるため,何がベストなのかは意見の分かれるところだ.

 私のメインマシンで使用しているパーソナル・ファイアウォールは,無償ソフトの「Sygate Personal Firewall 5.6」だ.このファイアウォールを私が採用した理由は,何と言ってもトラフィック・ログが見やすい上に,パケット・ログまで取れるところにある.ネットワークがトラブった時など,これらのログが見られることは,たいへん心強い.また様々な機能を持つ上に,ルールも比較的細かく設定可能であり,インタフェースもわかりやすい.もう数年間使用してきたが,わずかな不具合や誤動作があるぐらいで,ほとんど不満はない.より高機能な有償版も存在するが,一時はその購入を考えたほどに,私としては気に入っている.

 ところが本日,この「Sygate Personal Firewall 5.6」が,CPUに異常な負荷をかけてることに気づいた.そこでバージョンアップをかねて,「Sygate Personal Firewall」を再インストールしようと思い,久々にSygateのサイトを訪れてみることにした.そのページが私の網膜に映った瞬間,戦慄が走った.

ここは Symantec ではないか!

 なんと今年の10月10日付けで,Sygate は Symantec に買収されていたのだ!ご存じの通り,Symantecと言えば.「Norton Internet Security」などのセキュリティソフトを販売している大手の会社だ.その中にはもちろん,ファイアウォールである「Norton Firewall」も含まれている.

 ニュースリリースによると,Symantec は,「Sygate ブランド製品販売はしばらくは続けるが,今後6カ月間以内に,改良を行った新バージョンを新しいブランドとして発表し,その後に既存のラインナップに融合していく」とのことだった.

 ところがさらに有償版だった「Sygate Personal Firewall Pro」のページを読んでみると,事態はさらに進んでいた.このページには2005年11月30日付けで,「すべてのSygateコンシュマ向けファイアウォール(訳注:有償版・無償版のSygate Personal Firewallのこと)を打ち切りとし,サポートフォーラムも60日後に閉鎖する.もし継続したいのであれば,Norton製品を優待価格で購入せよ.」との告知が出されていた.

 ということで残念ながら,「Sygate」の名が仮に生き残るとしても,それは企業向けのファイアウォール・ブランドとしてであり,今後,このブランドでコンシュマ向けファイアウォールが無償提供されることは無くなるようだ.但し,12月23日現在でも,ここからダウンロードは可能のままとはなっている.Sygateファンはお早めにファイルを確保されたし.


参考資料:


格安HDD外付ケース EVERGREEN EG-HD35S 試用レポート2 - 組立編 -

2005-12-21 17:11:13 | 自作PC
 手持ちの余ったPATAの3.5インチHDDを活かすために購入した,USB2.0接続の外付HDDケース,EVERGREENの「EG-HD35S」.購入価格は超格安の2,480円ドスパラ静岡店).今回はその試用レポート第2弾として,組立編をお送りする.ちなみに前回予告した 「EG-HD35S」に添付されている謎の細身ドライバの使用法も,今回明らかにする.

 「EG-HD35S」は,格安だけあってその構造は極めて単純だった.本体は,アルミのケースの前後に,樹脂製のフタをしただけのもの.以前このBlogで取り上げたNEXTWAVE ExtHDD case USB2.0 for 3.5inch Rev.1.5」のように,アルミのケースが2つに割れて,そこにHDDを「挟み込む」タイプではない.

 さて具体的な組立手順は以下の通りだ.

  1. ケース後方のフタ(ケーブル接続端子側)を取り外す
  2. 3.5インチHDD(PATA)のジャンパピンをマスタに設定する
  3. 取り外したフタから伸びているフラットケーブルと電源ケーブルを,3.5インチHDDに接続する
  4. ゴム足のついたケース底面を下にして,HDDをケース本体に滑り入れる
  5. ケース底面のネジ取り付け用の穴から,HDD底面の4つのねじ穴が見えるように,HDDの位置を調節する
  6. HDDの位置を微調整できるように,ケース底面より,付属のインチネジでHDDを「仮じめ」する
  7. ケーブルをやや折りたたむような感じで,後方のフタをケース本体に,カチッという感覚があるまで,はめ込む
  8. 仮じめしていたネジを本じめする
  9. 後方のフタに,USBケーブルとACアダプタの電源ケーブルを接続する
  10. ACアダプタのACプラグをコンセントに接続し,HDDに通電させる
  11. USBケーブルをPCに接続する
  12. WindowsXPならば自動認識し,使用可能となる
 組立はこんなところで,別段難しいことはない.慎重に作業したとしても,10分もかからず完成するだろう.ただし,ちょっとした鬼門はある…

 それは,1)の「後方のフタの取り外し」だ.最初自分は,このフタの取り外し方がわからず,手で思いっきり引っ張ってみたりしたのだが,びくともしない.しばらく悪戦苦闘した後,ついに力業をあきらめ,途方に暮れながら,どのようにフタが固定されているか,じっくりとケースを眺めてみることにした.そして,ようやくそれに気がついた.そして,なぜ「EG-HD35S」に細身のドライバが添付されているかについても…

 購入者は誰でも気がつくことなのだが,「EG-HD35S」のケース側面に,左右にそれぞれ2つずつ「くぼみ」がある.自分はそのくぼみの意味がよくわからず,「製造工程上のミスで穴を開けてしまい,それを後から埋めたではないか」といううがった見方をしていた.すなわち「基盤の後付ジャンパ線」のたぐいかと思ってしまったわけだ.このような判断は,PC関連の格安キワモノばかり購入している私に身に付いてしまった悪癖かも知れない.キワモノ製品には,そのようなジャンパや修正が当たり前のように存在するからだ.

 実はこのくぼみこそが,前後の樹脂製のフタを固定するノッチの穴だったのだ!そしてついに,細身のドライバ添付の謎もここに氷解した.すなわちこの細身ドライバは,そのくぼみに差し入れて,ノッチを押して,フタを取り外すための専用工具だったのだ.通常のドライバの太さでは,このくぼみには差し込めない可能性は十分にある.そこでメーカー側が配慮してくれたのだろうが,なぜか添付されている簡易マニュアルには,このフタのはずし方は一切解説されていない.誰にでもこのぐらいの謎は解けると言うことなのだろうか?

 ということで,「EG-HD35S」組立編はここまで.次回は,内部構造編をお送りする予定.


格安HDD外付ケース EVERGREEN EG-HD35S 試用レポート1

2005-12-20 18:39:17 | 自作PC
本日は手短に…手持ちの余ったPATAの3.5インチHDDを活かすために,USB2.0接続の外付HDDケース,いわゆる「ガワ」を購入した.製品名はEVERGREENの「EG-HD35S」.価格はなんと,新品で2,480円ドスパラ静岡店)と,この手の製品としては,超格安となっている.

 外付HDDケースについては,以前もこのBlogで取り上げている.その時の製品は,「NEXTWAVE ExtHDD case USB2.0 for 3.5inch Rev.1.5」だった.この時の購入価格は,3,480円ドスパラ静岡店)で,「格安」としてご紹介したが,今回紹介する「EG-HD35S」は,「超格安」ということになるだろうか

 「EG-HD35S」の概要については,製品ページを参照して欲しい所だが,ほとんど情報は掲載されていない.ちなみに現在の所,発売元であるEVERGREENのホームページには,この製品は掲載されていないようだ.

 それではまず,製品の同梱物から見ていこう(画像参照).
  • アルミケース本体(横置きのためのゴム足つき)
  • ACアダプタ
  • USBケーブル
  • ACアダプタ用電源ケーブル
  • Win9X用のドライバFD
  • 日本語簡易マニュアル1枚
  • 取り付け用のネジ(4個)
  • ドライバー(!)
 画像では,ケースのフタが取り外され,そのフタにネジ止めされている基盤も取り外してある.これは私がフタをはずし,なおかつ,基盤のブリッジチップの調査のために,基盤をフタから取り外したためだ.

 「EG-HD35S」のパッケージングでは,ドライバ(ねじ回し)が同梱されている.この点は,特に本製品のような格安モデルでは珍しいと思われるが,実はちゃんとした理由がある.この謎の答えは,次回の記事(組立編)で明らかにする予定.

 画像を見て頂くとわかるが,ACアダプタはかなり大きく,かさばるタイプ.また縦置き用のスタンドもないため,基本的には横置きで使用することが前提となる.但し,ケース底面にゴム脚が貼ってあるため,ケーブルの取り回し中に,ケース本体が振り回されることは少ないだろう.

 画像からはわかりにくいと思うが,ケース前後にある樹脂製のフタ内,後方のフタに端子やLEDがまとめられており,前面のフタには何もなく,通気のための穴すらも空いていない,単なるフタとなっている.つまりケース内部にHDDの冷却用空気を流す設計ではなく,基本的にはHDDをアルミケースに密着させて,ケース自体から放熱するという戦略のようだ.

 HDDの挿入口となるケース後方のフタには,先ほども書いたとおり,小さな基盤がネジ止めされている.このフタの表には,電源端子,USB2.0端子,アクセス表示のLEDが並んでおり,裏の基盤からは,EIDEの80Pフラットケーブルと4P電源ケーブルが伸びている.電源スイッチや電源ランプは存在しない.

 というところで,「EG-HD35S」概要編はここまで.次回は「EG-HD35S」組立編の予定.乞うご期待. 


Window Live Messenger のスクリーンショットと詳細が公開

2005-12-15 03:44:21 | ネットワーク技術

 本日は手短に…

  前の記事で,IMソフト「MSN Messenger」の後継ソフトである「Windows Live Messenger」のものとされるスクリーンショットをご紹介したが,どうやらその画像は本物だったようだ.

  本日,ITMediaより,「Microsoftの最新IMソフト、β版がリリース」との速報が発表され,「Windows Live Messenger」の具体的な中身とそのスクリーンショットが公開された.  この速報により,MS次世代IMソフトの「顔」がほぼ明らかになった.ちなみにこの記事の元となった公式ブログには,ITMediaの速報に掲載されていないスクリーンショットも掲載されている.

 基調となる配色がオレンジとなり,いままでのブルー系から大きく変更されたが,カラー配色についてはカスタマイズが可能のようだ.アイコンや色遣いといった全体的な印象も,以前よりおとなしくなっており,ビジネスユースが考慮されているのかもしれない.詳細は把握していないが,現在の2つに分岐したMSのIMソフト体系,すなわち企業向けIM「Windows Messenger」と,カジュアルなIM「MSN Messenger」が,新世代IMソフト「Windows Live Messenger」に統合されるとすれば,この外観変更も納得がいく.

  これらの記事の中で特に気になるのは,やはり「Windows Live Messenger」の「共有フォルダ」機能の詳細(画像参照)だ.

 前の記事で紹介したように,このフォルダは単なる2者間のインターネット経由共有フォルダではなく,むしろ「ミラーリング・フォルダ」とも言うべきもので,自動ダウン・アップロード機能を備えている.例えば,自分の共有フォルダの内容が変更すると,自動的にアップロード・ダウンロードが開始され,相手の共有フォルダの内容が自分の共有フォルダと同じように変更されるというもののようだ.

  今回の情報で新たにわかったことは

  • 共有フォルダ間の通信は暗号化される
  • 共有フォルダ間の通信は,サーバによるウイルスチェックがなされる(Windows One Care Live)
  • 実行可能ファイルの共有は出来ない
  • 2者が同じファイルをそれぞれの共有フォルダに持ち,片方がそのファイルの一部を編集した場合,変更されたファイルを丸ごと送信するのではなく,編集した部分のみが送信され,更新される.
  • オフライン中の共有フォルダ内の変更も考慮されている

 これらの情報から判断すると,この共有フォルダ機能がP2P通信ではなく,サーバ経由で行われる可能性を示唆する.また安全性やトラフィック負荷への考慮がなされるなど,一般的なPCユーザーが,気軽に使えるような工夫が随所に見られる.

  現行のYahoo! MessengerやMSN Messengerにおいても,共有フォルダ機能は提供されているものの,私の周りでは積極的に使用されてはいない.それどころか,そのような機能が搭載されている事すら,知らないユーザーがほとんどだ.ただし「Windows Live Messenger」においては,会話ウインドウのツールバーに共有フォルダボタンが存在するため,PC「冒険者」たちがこの機能を試用する可能性は相当高い.すなわち共有フォルダ機能は,もう「隠し機能」ではなくなったわけだ.

  ビジネス分野において特に活躍しそうな,この新共有フォルダ機能.一般PCユーザーはこの機能をどのように使っていくのだろうか?


参考資料:


Windows Live Messenger のスクリーンショットがリーク?

2005-12-13 16:58:55 | ネットワーク技術

 MSが新たに打ち出した「Windows Live」戦略.この新しい戦略により,従来からMSの提供してきた,ポータルサイト「MSN」,Webメールサービス「Hotmail」,さらには,インスタント・メッセージングサービス「MSN Messenger」が大きく変わろうとしている.

 これら新戦略の基本的な技術基盤は,Google が「Googleローカル」「Googleパーソナライズド・ホーム」といった新サービス群で採用した AJAX に基づいている.AJAX は従来のWeb技術をいくつか組み合わせて,PCにインストールされているソフトと同じ操作感や機能を,Webページに持たせること,すなわちリッチなWebアプリケーションを可能とする.詳しくは下記参考資料を参照して欲しい.AJAXを使えば,Webページ内のレイアウトをD&Dで変更したり,画像を連続的にスクロールさせたりすることができる.

 既にご存じかもしれないが,MSは個人でカスタマイズ可能な新世代のポータルサイト「Windows Live」のベータ版を提供している.上記のAJAXを採用しており,Hotmailの受信トレイやRSSフィードの表示が行えるようになっている.

 このWindows Liveの日本語ベータ版サイトは,今のところ表面上,特筆すべき機能やモジュールはないように見えるかもしれない.ところが実際には,既にモジュール開発環境が,一般に提供されているために,USAでは相当数のモジュールが公開されている.これらの一般開発のモジュールは,専用サイト「Microsoft Gadgets(英語)」で公開されており,デジタル時計やゲームのPac-Manなどもある.ちなみにこれらのUSAのモジュールは,Windows Liveの日本語ベータ版サイトに追加し,使用することが出来る.

 さて先日,報道されたようにHotmailに代わる「Windows Live Mail」のベータテストが始まったようだが,「Windows Live Messenger」の非公開ベータテストもまもなく始まるとの情報が本日入った.既に「MSN Messanger 8」とされるの画像1画像2がリークされているが,これが「Windows Live Messenger」の画像なのかどうかは,定かではない.

 しかしこれらの画像から判断すると,やはり次世代のMSのMessengerは,P2Pのネット電話ソフト「Skype」を意識しており,一般電話との通話機能を重視しているようだ.Skypeは接続性や音声通話機能以外では,他のIMソフトに後れを取っていた感があったが,最近,ビデオ通話機能を持ったベータ版もリリースしており,機能を拡充してきている.また専用ハンドセット等のハードとの連携も,Skypeの特徴だが,今後「Windows Live Messenger」がそれに追随するかは不明だ.

 そしてもう一つの「Windows Live Messenger」の特徴が,インターネット経由の「共有フォルダ」機能だ.ご存じのように,現在の「MSN Messenger」にも,この機能はひっそりと搭載されているが,「Windows Live Messenger」に搭載される予定の共有フォルダは,それとは全く異なり,「ミラーリングフォルダ」とでも言うべきモノになりそうだ.すなわち片方がこの「ミラーリングフォルダ」を更新すると,自動的に相手の「ミラーリングフォルダ」も更新されるという,アップロード・ダウンロードを自動化したフォルダらしい.

 IMが常用されるこの時代.Yahoo!、MSNメッセンジャーの相互接続も発表され,ますます重要度を増してきたIMソフト界に,「Windows Live Messenger」が新たな旋風が巻き起こせるのか,今後も注目したい.


参考資料: