WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

記事紹介:MySQL/PostgreSQL/FireBird DB大戦争!?

2005-03-30 10:34:26 | ソフト
 本日は,手短に記事紹介.オープンソースのデータベースと言えば,高速なMySQL,高機能なPostgerSQLの2つをあげることができる.これらのデータベースは,比較的有名な企業でも採用されており,すでにスタンダードなRDBMSとして定着した感がある.

 これらのデータベース技術者の間で,しばしば話題になるのが,「結局のところ,この2つのオープンソースRDBMSのどちらが最も優れているか?」と言うことだ.だいたい結論的には,case-by-caseで,速度が要求される場合はMySQL,商用データベース並みの機能が必要ならばPostgerSQLということで落ち着いているようだが,それぞれのデータベースとも,バージョンアップ毎に機能を上げてきており,そのたびにこの話題は蒸し返されることになる.

 特に最近では,MySQLの最新バージョン4.1において,念願のサブクエリがサポートされ,またPostgerSQL最新バージョン8.0においては,ついにWindowsにネイティブ対応した.これらの高機能化は大歓迎だが,これらの機能追加によって,内部処理はより複雑になり,結果的にパフォーマンス(処理速度)が落ちてしまう可能性は否定できない.また新機能の搭載は,新たなバグを呼び込む可能性もある.MySQL4.1のUnicode対応により発生した日本語処理問題は,旧バージョンからのバージョンアップを事実上不可能にさせている.その上,特に高速性が売り物のMySQLの高機能化に伴い,ご自慢のパフォーマンスが出せなくなった場合,この2大オープンソース・データベースの色分けは曖昧にならざるを得ない.いったい,最強はどっちなんだ?

 このような状況下,おもしろいイベントが,新宿の日本電子専門学校で25~26日に開かれた.「オープンソースカンファレンス2005」の「DB 三つ巴」というセッションだ.普段はライバル関係にあると思われるMySQLPostgerSQL,そしてマイナーなやはりオープンソース・データベースであるFireBirdの,それぞれの日本ユーザー会の代表者が一堂に会して議論するという,ちょっと「朝まで生テレビ」を彷彿とさせるような内容だ.そのレポート記事が28日掲載された.

 MYCOM PCWebの「オープンソースカンファレンス2005 - MySQL/PostgreSQL/Firebird三つ巴、今あえて語るそれぞれの不満」がそれだ.

 詳しい内容は,上記リンクを読んで欲しいが,議論の出だしとして,それぞれの代表が自らのデータベースの不満を語ったところが興味深い.この部分を読むだけで,現在のバージョンにおける,それぞれのデータベースの特徴が把握できると思われる.その後,ついにパフォーマンスの話題に移ったのだが,結局のところ,データベースのパフォーマンスは,現実に運用されているデータベースをシミュレートするような,標準的なベンチマークテストを確立しない限り,語ることはできないと言う結論に達したようだ.ここら辺は,グラフィック・ボード(ビデオカード)の3D能力判定の状況と非常に似ている.とはいえ,公平で標準的なデータベース・ベンチマークテストをだれが確立するのだろう?やはり,オープンソース・コミュニティということになるのだろうか?

 最後に上記ページの下部にある関連記事には,ちょっとした両者のちょっとしたベンチマークテストの結果が掲載されている.また他の記事も,たいへん興味深いものなので,オープンソース・データベースに興味のある方は,ご一読されることをお薦めする.

不死身のWindowsUpdate,KB828026攻略法

2005-03-28 19:39:33 | PCメンテ
 WindowsUpdateの重要な更新の一つに,KB828026「Windows Media Player の URL スクリプト コマンド機能の更新プログラム」がある.この更新は,2003/10/03頃にリリースされたもので,既にほとんどの方が更新をすませていることと思う.但し,一部のPCユーザーは,未だにこの更新に悩まされ続けているかもしれない.

 というのも,一部のPCにおいて,WindowsUpdateによりこの更新に成功したにもかかわらず,再度WindowsUpdateを行うと,まるで更新されていないかのように,再びダウンロード対象となってしまうからだ.特に「重要な更新の通知」や「自動更新」を設定しているPCでこの不具合が起こると,何度再インストールしても,作業中にこの更新のお知らせが出てきてしまい,うるさくてしかたがないだろう.

 この問題に関するマイクロソフト側の回答は,「Windows Media Playerが正しくインストールされていないので,Windows Media Playerを再インストールせよ.その後,この更新を再インストールせよ.」とのことだが,それで解決できない場合もあるようだ.私が出くわしたケースがまさにそれだった.

 仕事上で初めて,この更新問題にブチ当たり,ネット上をあれこれ調べたのだが,決定的な解決策は結局なかった.最終的には自力で解決できたのだが,その解法を示す前に,このKB828026更新問題について,もう少し解説しておこう.

 まずKB828026更新問題は,世界的なレベルで発生しており,解決手順を示した海外サイトも存在する.肝心のKB828026更新の中身だが,主に次のような更新を行うようだ.
  • wmp.dllの更新
  • Msdxm.ocxの更新
  • HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Updates¥Windows Media Player¥wm828026をレジストリに追加
  • HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Updates¥Windows Media Player¥SP0をレジストリに追加(OSにより,追加しない場合もある?)


 ネット上で紹介されていた解決法としては,マイクロソフトの回答にあったように「Windows Media Playerを再インストールし,この更新を再インストールする」と言う方法が一般的なようだ.ただしそれでも治らない場合は,この作業をやる前に,手動で掃除をする方法を採る.つまり…
  1. 「Windows Media Player Hotfix...828026」をアンインストール
  2. Windows Media Player をアンインストール
  3. wmp.dllを削除
  4. 上記の2つのレジストリキーを削除
  5. 再起動後,Windows Media Playerをインストール
  6. WindowsUpdateのWindows Media Player関係の更新を実行
  7. 再起動後,その他のWindowsUpdateを行う.
といったものだ.

 しかしこのやり方でも,私のマシンではうまくいかなかった.不具合を起こしたマシンのOSがWindowsMEだったのだが,そもそも「Windows Media Player Hotfix」の項目が「プログラムの追加と削除」コントロールパネルに存在していなかった.その他のことは上記通りやってみたのだが,KB828026更新は恐るべき生命力で蘇ってくる.

 次に紹介されていた方法は,更新対象の2つのシステムファイルを削除,もしくは拡張子をリネームした後に,更新をかけるという方法だ.当然,私もこの方法を試した見たのだが,結局玉砕に終わった.

 ネット上で発見した解決策は,だいたい以上だった.ここでちょっとお手上げになりかけたが,解決法をネット上で探している内に,KB828026更新には,このトラブルとは別に,さまざまな「いわく」がついていることが判明した.

 まずこのKB828026更新(WindowsMedia-KB828026-x86-JPN.exe)には不具合があったため,その後,その不具合を修正したKB832353更新がリリースされている.ところが,理由は不明だが,さらにその後,KB828026がバージョンアップされ,「WindowsMedia-Q828026-x86-JPN.exe」としてリリースされた(詳細はこちら

 また「Media Player 9.0 では、このアップデートを他のアップデートと一緒にスケジュールしてはいけない」といった注意書きも発見した.確かに,私の更新しようとしているWindowsMEマシンのWindows Media Player はまさにバージョン9.0であり,インストール直後のWindowsUpdateでは,WIndows Media Player関係の重要な更新が,KB828026の他にもう一つ(詳細は失念)存在し,その2つを同時に更新していた.

 以上の情報から,「本来,WindowsMediaPlayer9.0をインストールした直後のWindowsUpdateにおいては,KB828026更新は表示されるべきではなく,代わりにKB832353更新が,単独更新として表示されるべきだ」と言うことが理解できる.

 そこでさっそく,KB832353更新をダウンロードし,そのままインストールしてみた.これですべては解決かと思われたのだが,なんと!結果は変わらなかった.2つのシステムファイルのバージョンは既に上がっていたのだが,インストールされていることをWindowsUpdateがわからないらしい.

 それではということで,ストレートな技はあきらめて,複合技をかけてみた.手順は…
  1. KB828026の追加するレジストリキーを削除
  2. Windows Media Player 9.0をインストール
  3. SYSTEMフォルダ内のwmp.dllとmsdxm.ocxの拡張子を.oldに変更
  4. KB832353をダウンロードし,インストール
  5. 再起動後,WindowsUpdateを行う.
 この方法でようやく,不死身かと思われたKB828026更新がWindowsUpdateから消え,他のWindows Media Playerの重要な更新1つのみが表示されるようになった.それも無事更新され,現在,重要な更新は一つもなくなった.めでたし,めでたし.

 ちなみに2つの更新対象ファイルのバージョンをチェックしてみたところ,wmp.dllが9.0.0.3250,msdxm.ocxが6.4.7.1129となっていた.KB832353更新を行うと,本来ならばwmp.dllが9.0.0.3093,msdxm.ocxが6.4.7.1129になるはずだが,これは再インストールする際に,ダウンロードしたWindows Media Playerのバージョンが既に上がっていたか,別のWindows Media Player用の重要な更新によって,バージョンアップしたものだと思われる.

 おそらく,今回私の出会った不具合は,WindowsMEマシン(NECノート LaVie)において,最近Windows Media Player9.0をインストールしたユーザーが,WindowsUpdateを行った時に,出くわすものなのかもしれない.いずれにしても,マイクロソフトには,WindowsUpdateをきちっと作ってもらい,なおかつこのような事態に至ったときは,もう少し丁寧なサポートをお願いしたい.

参考リンク:

フリーのネット電話ソフト Skype 1.2 登場

2005-03-25 12:40:29 | ネットワーク技術
 IM(インスタントメッセージング)は,今や重要なコミュニケーションの道具となった.WindowsメッセンジャーMSNメッセンジャーYahoo!メッセンジャー等を使用すれば,相手の距離に関係なく,ほとんど通信コストをかけずに,単数あるいは複数の相手と,文字チャットはもちろんのこと,音声チャットやビデオチャットでリアルタイムのコミュニケーションが取れる.このような特徴を持つインスタントメッセンジャーは,一般消費者のみならず,企業においても,仕事をスムースに運ぶための重要なコミュニケーション手段と見なされつつあり,セキュリティの確保されたIM用のサーバ(Microsoft Office Live Communication Server)も販売されている.このように便利なIMではあるが,現在のところ残念ながら,それぞれのメッセンジャーには一長一短がある.

 例えば,企業向けに特化された内部構造を持つWindowsメッセンジャーでは,Microsoft Office Live Communication Server経由でYahoo!メッセンジャーのユーザーとメッセージを交換したり,秘匿性の高い社内メッセージングが可能だ.その一方で,Windowsメッセンジャーには,コンシュマー向けのMSNメッセンジャーの持つ「ウインク(相手にアニメーションを送る)」のようなお楽しみ機能はない(詳しい差異はこちら).またMSNメッセンジャーの音声チャットを行うためには,基本的には双方のルーターがUPnPに対応している必要がある.これに対し,Yahoo!メッセンジャーの音声チャットはサーバ経由のため,音声チャットに関し,このような要件はない.インスタントメッセンジャーの音声チャット機能を,通話料無料のIP電話の代わりとして,使用しているユーザーも多いと思うが,このような要件が存在するため,通話相手に合わせて音声チャットに使用するメッセンジャーを選択しているユーザーもいることだろう.

 このような状況下,フリーのネット電話ソフトSkypeはルクセンブルグより日本に上陸した.Skypeの概要については,こちらを参照のこと.現在のところSkypeは,ほぼ最小限のインスタントメッセンジャー機能しか持ち合わせていない.音声チャットはできるものの,ビデオチャットもできない.またコンシュマーに喜ばれるような,ゲームや「ウインク」などのお楽しみ機能も一切無い.どちらかと言えば,無骨な「事務用品」あるいは地味な「黒電話」のイメージに近いソフトだ.このようにコンシュマー向けのインスタントメッセンジャーとしては完敗と言ってもよいSkypeなのだが,実は,他の音声チャット可能なメッセンジャーのユーザーに対しても,強力にアピールできるアドバンテージを秘めている.

 しばしば誤解されることなのだが,Skypeは,純粋なメッセンジャーソフトではなく,インスタントメッセンジャーの機能をオマケとして持つ「ネット電話」に特化したソフトだ.つまり開発コンセプトが,インスタントメッセンジャーとは根本から異なっている.では,具体的に音声チャット機能を持つメッセンジャーと「ネット電話」に特化したSkypeの違いは,どこにあるのだろうか?

 Skypeを使用してすぐにわかるその違いは,音声チャットの「着信」だろう.Skypeにおいては,相手に対し音声チャットを開始すると,相手のSkypeは着信音を発する.通常のメッセンジャーソフトでは,このようなことは起こらない.つまり着信という概念が,そもそもインスタントメッセンジャーにはないからだ.最近は,この着信音の代わりに「シェイク」や「緊急メッセージ」を手動で相手に送り,着信音代わりにすることができるようになったが,それも連続で送ることはできない.Skypeの着信音は電話と同様に鳴り続けるため,離席中のユーザーでもPCの近くにいれば着信を気がつきやすい.さらに,Skypeでは通常の携帯電話と同様に,着信と通話時間の履歴が残るようになっている.しかしこれらは,Skypeの決定的なアドバンテージではない.

 Skypeの最も重要なアドバンテージは,高音質の音声チャットを,いかなるネットワーク環境下でも可能とする点だ.つまり,相手もしくは双方がプライベートアドレスであろうと,相手との間にファイヤーウォールが存在しようとも,ルーターがUPnPに対応していなくても,ほとんどの場合,無設定で音声チャットができるのだ.これはSkypeの採用しているP2P通信技術によって可能となった.とはいえ正直に言えば,セキュリティが恐ろしく固いファイヤーウォールを経由する場合は,設定が必要となる.しかしこのようなケースはほとんど無いはずだ.

 この他にも,フリーの留守電機能アドインソフトSkypeから通常の電話に電話をかける「SkypeOut」サービス(ただし現在は問題ありか?),さらにはUSBハンドセットコードレス・ハンドセット(USBも使用)による発着信といったハードウエア展開,そして究極的とも言える「携帯電話へのSkype組み込み」「無線LAN携帯電話へのSkype組み込み」といった携帯端末へのアプローチなどなど,Skypeは,ネット電話ソフトとして他のメッセンジャーソフトには見られない動きを見せており,今後も世の耳目をひくこととなるだろう.

 前置きが長くなったが,そのSkypeの最新バージョン1.2が23日にリリースされた.ダウンロードはこちら

 主な変更点は…
  • SkypeIn(有料): Skypeに着信するための電話番号を付与する.これにより,一般の電話からPCのSkypeへの着信が可能となる.
  • Voicemail(有料):留守電機能をSkypeに提供する.
  • セントラル・コンタクトリスト:パソコンではなく,インターネット側にコンタクトリストを保存する.
  • Getting Started Wizard:初心者向けに起動時に表示されるウイザード.
  • 多重ファイル転送
  • サウンド品質の向上
 今回のバージョンアップは,「セントラル・コンタクトリスト」の採用によりインスタントメッセンジャーとしての基礎を固め,「SkypeIn」により通常電話としての双方向性を有料ながら実現した形となった.相変わらず,しゃれっ気のない実用志向的バージョンアップではあるが,一段と黒電話としてのすごみを増したような気がする.某社長の言うように,はたして今後Skypeが「既存の通信業界を粉々に破壊してしまう」ほど,大化けするのだろうか?

参考リンク:

nVidiaの高画質ビデオ再生技術 PureVideoに疑問の声

2005-03-24 09:13:04 | ハードウエア
 私のもうひとつのブログである WaterMind 2ch Watchの記事「ビデオ再生対決勃発か?:nVidia vs ATI」で取り上げたように,ビデオカードの2大メーカであるnVidiaATIは,ビデオカードの持つ3D表現能力だけではなく,ビデオ再生能力においても戦いを開始した.詳しくは上記のリンクを参考にして欲しいが,この戦いのそもそもの発端は,nVidiaの「Pure Video」と呼ばれる高画質ビデオ再生機能の発表だった.この発表において,nVidiaは,Pure Videoによるビデオ再生と,ライバルATIのビデオカードによるビデオ再生をサンプルで比較し,自社技術の優位性を強調した.これに対し,ATI側からの反論なり,対抗技術なりの発表は今まで無かったと思う.

 ところが昨日23日に行われた技術セミナーにおいて,ついにATI側がその沈黙を破り,「Pure Videoが,テスト映像ではない“Real World(現実世界)”で出回っている映像対しては、効果がなかったり悪影響を及ぼす」との反論を展開した.

 ASCII24の記事,「ATIテクノロジーズ、“HyperMemory”やビデオプロセッシング技術に関するセミナーを開催」によると,ATI側は,Pure Video技術をひとつひとつ取り上げ,サンプル画像を示しながら,Pure Videoの悪影響を論証していったようだ.ATI側の結論としては,「現時点でのPure Video技術は,あくまでもマーケッティング戦略のため『提灯技術』であり,実質的にビデオの高画質再生に何ら寄与していない」とのことのようだ.

 ご存じのように,これまでもnVidiaは,3D能力ベンチマークソフトの3DMark03のスコアを上げるために,不正なチートコードをドライバに混入させたという疑惑が持ち上がったことがある.はたして,Pure Videoもチートなのか?これについては,ベンチマークソフト開発会社等の第三者的機関で,公平なテストを実施した方がいいような気もする.

 いずれにしても,現在の一般的なPCよるDVD再生には,デインターレース等の様々な問題がある.その上,HTPCなどの需要も出てきているため,今後も何らかのハード的なビデオ再生支援が,ビデオカードに求められることは間違いなさそうだ.両社の公正な競争がユーザーに利益をもたらすことを期待したい.

フリーのDVDメディア計測ソフト DVDInfo Ver3.55 登場

2005-03-23 10:49:21 | DVD
 今月20日にバージョンアップしたばかりの,フリーのDVDメディア計測ソフトDVDInfoProが22日にさらにバージョンアップされ, Ver3.55としてリリースされた.繰り返しになるが,このソフトには有償版と,広告表示のある無償版があり,本バージョンの無償版は今年4月25日まで使用可能(注:Ver3.54と期限は同じ).無償版のダウンロードはこちら

 本バージョンの変更点は,「グラフィック・エラーの修正」のみ.今回のように,期間をほとんどあけずにバージョンアップする場合,一般的には,何らかの致命的不具合が前バージョンに存在したと考えられる.しかしながら,私が使用した限り,前バージョンVer3.54において,「グラフィック・エラー」と言えるような不具合に遭遇することはなかった.

 前回のバージョンアップでは「メイン画面の対応表示(Features)の位置を変更し,読みと書きの対応表示が同じ位置になるようにした.」とのことだったが,表示がらみでの更新部分はここだけだと思われる.もし前回のバージョンアップ時に,バグが紛れ込んだとするのであれば,このメイン画面の表示上に不具合が発生したのかもしれない.念のため,バージョンアップをお薦めする.

 で,まさか,広告画像の入れ替えミスのことじゃないよね,Nic?

フリーのDVD測定ソフト Nero CD-DVD Speed V3.75 登場

2005-03-22 08:54:52 | DVD
 DVDメディアのエラー計測が可能なフリーソフトのNero CD-DVD Speed の新バージョン V3.75 が,3月17日にリリースされた.ダウンロードは,こちら

 主な変更点は,次の通り…
  • ディスク品質テストにおいて
    • NECの16倍速DVDレコーダードライブのサポートを追加(但し,まだリリースされていない最新ファームが必要)
    • Mediatekチップセットを使用したTSSTのドライブのサポートを追加
    • Toshiba SD-M1802のサポートを改善

  • 転送レートテストにおいて,最初と終わりの値の代わりに,最大・最小値を表示するオプションを追加
  • 標準的なテスト群において,エラーが発生した時に,エラーコード00/00/00が常に現れるバグを修正
  • その他若干の改良とバグつぶし
 今回のバージョンアップは,NECの最新ドライブのサポートがメインだ.上記の内容から推察すると,Nero CD-DVD Speedでディスク品質テストができるように,NEC側がこのソフトの開発会社Neroとコンタクトを取り,ファームを改善しているようだ.ちなみに,このようなドライブメーカーの動きは,このソフトのライバルDVDInfoProにおいても見られる.つまり,DVDライタードライブにおいて,ディスク品質テストができるという付加価値が,それなりにドライブの売り上げに影響を与えているのかもしれない.確かに,ディスク品質テストができないよりは,できたほうがいいに決まっている.言い換えれば,それだけユーザーは,焼きの品質を気にしていると言うことになる.

 国内的には,リファレンス・メディアとも言える太陽誘電(OEM含む)のメディア価格がかなり下がってきており,以前のようにメディア購入に悩む機会は少なくなってきた.とはいえ,台湾製メディアもスピンドルでは,1枚当たり50円を切ってきており,メディアを大量に購入するユーザーにとっては,まだまだ悩ましい日々が続くことになるだろう.ディスク品質テストの結果が,その悩みを解決する助けとなればよいのだが…

DVD計測ソフト DVDInfo Ver3.54 登場

2005-03-21 22:01:57 | DVD
 DVDメディアのエラー計測の出来る定番ソフト DVDInfoPro Ver3.54が3月20日にリリースされた.有償版と,広告表示のある無償版があり,無償版は今年4月25日まで使用可能.無償版のダウンロードはこちら.

 主な変更点は…
  • メイン画面の対応表示(Features)の位置を変更し,読みと書きの対応表示が同じ位置になるようにした.
  • DVD-R DL で誤ったメディアタイプが表示されていたのを修正
  • DVD-R DLにおいて,コンプリートメディアコードがうまく動かなかった部分を修正
  • NECドライブの Pi/Po スキャンにおいて,速度が指定できるようにした.
とのこと.

ちなみに,このブログで取り上げなかったV3.53~V3.51までの変更点は…

V3.53:
  • SonicRoxioの開発協力
  • NEC3500ドライブの Pi/Pifスキャンの追加.ファームは2R8以上が必要.
  • ユーザから報告された小規模な不具合への対処
  • Aboutウインドウを開いたままにしておくと,実行時にクラッシュする不具合を修正
  • 時間が問題になるコー実行中に,で広告を変化させない用に変更
  • UDF V1.50表示の問題を修正.UDFがへんてこな方法でこれを格納していたため.

V3.52:
  • ISO比較中に,不正確な読込エラーが表示されるのを修正
  • ISO作成中に,断続的に誤った長さで書き込まれるのを修正
  • 「Read blocks from media」編集ボックスでバックスペースが使えなかった不具合を修正.

V3.51:
  • ビットセッティングを誤検出する異常を修正
  • 何人かのユーザーに置いてみられた奇妙なインストール時の問題の修復を試みた.
以上,連絡終わり!

無線LANのチャンネル設定はどうしてる?

2005-03-18 10:32:29 | ネットワーク技術
 無線LANのアクセスポイントやルーターを設定する時に,使用する電波のチャンネル(周波数)番号を指定しなければならないことは,ご存じかと思う.ただし,「なぜ無線LANにこのようなチャンネルと言う概念が存在し,ユーザーはそれを選択する必要があるのか?」と言うことについては,深く考えたことのないユーザーも多くいるのではないだろうか?そのようなユーザーは,おそらく無線LAN設定時に,適当にチャンネル番号を選択しているかもしれない.

 無線LANにおいてチャンネルが選択できるようになっているのは,他の無線LANアクセスポイントからの電波的干渉を避けるためだ.同じチャンネル(周波数)を使用している他のアクセスポイントが存在すると,通信エラーが起こり,結果的に通信速度が落ちてしまう.それぞれのアクセスポイントのチャンネル番号を,重ならないように設定すればこのような通信速度低下は起こりにくいというわけだ.

 「俺の家にはアクセスポイントが1台だけだから,関係ないよ.」と言う声が聞こえてきそうだが,たとえ自宅のアクセスポイントが1台だけだとしても,チャンネル選びは重要だ.なぜなら,これだけ無線LANが一般化されてくると,隣家で無線LANを使用しており,なおかつその電波が自宅まで届いている可能性があるからだ.実際,私の家には,隣家からの無線LAN電波が届いている部屋がある.しかも,偶然にも同じ11b規格で同じチャンネルを使用していたことがあった.

 隣家からの電波に気がついたのは,我が家の無線LAN接続速度が低かったため,無線LANのユーティリティでアクセスポイントの探索を行った時だ.探索の結果,見事に隣家のアクセスポイントを発見し,ESSIDやチャンネル番号が確認できた.そこで急遽,自宅の無線LANのアクセスポイントのチャンネルを変更した結果,通信速度は正常値に戻すことができた.このようなトラブルを避けるためには,
  • 日頃,無線LANの通信速度を意識し,平均的な通信速度については把握しておく
  • 定期的に自宅で無線LANアクセスポイントの探索を行い,隣家に新たなアクセスポイントができていないかどうかチェックする
などの対策が必要かもしれない.もちろん家庭で無線LANアクセスポイントの設置時は,周囲のアクセスポイント探索を行い,その結果からチャンネル番号を決定することは必須だろう.また自宅の無線LANのアクセスポイントから,隣家に電波が漏れている可能性があることを考慮し,面倒でも必ずセキュリティ設定を行うべきだ.現在の無線LANセキュリティ設定としてはがある.

 ちょっと脱線したが,無線LANのチャンネル設定を正しく行う為には,ちょっとした事前の電波環境調査が必要なことは,ご理解頂けたかと思う.今回はこのチャンネル設定のために必要な事前調査を,より簡単に行ってくれるソフトのニュースだ.

 今月14日,BUFFALOが無線LANユーティリティ「AirStation Monitor」の無償提供を開始するというニュースが入った.このソフトは,電波環境のチェックやアクセスポイントの設定を行うためのソフトで,特定の無線LANカードを挿入したノートパソコンで使用される.基本的には企業のオフィスなど,たくさんのアクセスポイントが混在する環境において,設定・メンテの効率化を目的としたソフトだ.このソフト最大の機能は,「チャンネルスキャン」と呼ばれるもので,チャンネルごとにアクセスポイントの台数と,電波強度をグラフで表示することができる.さらに自動的に,その測定位置で使用が推奨されるチャンネル番号をも表示してくれる.この他にもアクセスポイントが対応していれば,このソフトからアクセスポイントの設定や通信状態のモニタリングも可能だ.これがあれば,アクセスポイント設置時のチャンネル選びに迷うことはないだろう.

 但し,残念なことに,このAirStation Monitorを使用出来る無線LANカードは,BUFFALOWLI-CB-AG54など,たったの3機種に限られている.またアクセスポイントに対する機能も,BUFFALO企業向けのアクセスポイントだけしか対応していない.便利なユーティリティなので,BUFFALO製のすべての無線LANカードがこのユーティリティに対応し,なおかつ,一般家庭で使用されるアクセスポイントにも同時に対応してもらいたい.

参考リンク:

UFJフィッシングメール解析結果

2005-03-15 23:22:40 | セキュリティ
 すでに一般ニュースでも取り上げられているが,
UFJ銀行とみずほ銀行を名乗るフィッシング・メールが大量に送信されている模様.
私のところにもUFJ銀行バージョンが,一通届いたので早速解析を試みた.

 まずこのメールのヘッダーは下記の通りだ.
From:     "Verify" <admin@ufjbank.co.jp>
To:       <XXXXXXXXX@mars.dti.ne.jp>
Subject:  UFJ
Date:     Tue, 15 Mar 2005 02:38:52 +0000
Return-Path: <admin@ufjbank.co.jp>
Received: from mgate02.dti.ne.jp (mgate02.dti.ne.jp [202.216.228.55]) by pop.mars.dti.ne.jp (3.10p) with ESMTP id j2F2QHTw026735 for <XXXXXXX@mars.dti.ne.jp>; Tue, 15 Mar 2005 11:26:17 +0900 (JST)
Received: from 221.142.78.152 ([221.142.78.152]) by mgate02.dti.ne.jp (3.10g) with SMTP id j2F2QFHR021987 for <XXXXXXX@mars.dti.ne.jp>; Tue, 15 Mar 2005 11:26:16 +0900 (JST)
Message-ID: <20050331561.22587.qmail@ufjbank.co.jp>
MIME-Version: 1.0
Content-Type: text/html; charset=Shift_JIS



 送り主のメールアドレスや,Message-IDには「ufjbank.co.jp」が見られるが,
もちろんこれらは偽装だ.

送信元のIPアドレス221.142.78.152をトレースしたところ
,韓国(hananet.net)の 210.94.29.97(adsl029097.usr.hananet.net)まで追跡できたが,
そこから先は,hananet.net内のホスト名のない4ホップまで追跡できたのみで,
結局送信元のIPまでには至らなかった.

上記のホスト名から推察すると,
韓国のhananet.netをプロバイダとするADSL接続のPCから
メール送信されたと思われる.

 このメールはHTML形式のメールであり
内部ではUFJ銀行のサイトの画像がそのまま利用されている.

ソースは以下の通りだ.
<html>
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS">
<title>Untitled Document</title>
<style type="text/css">
<!--
style2 {font-family: Osaka}
-->
</style>
</head>

<body>
<table cellspacing="0" cellpadding="0" border="0" width="775">
  <tr>
    <td rowspan="3"><img src="http://www.ufjbank.co.jp/image/cmn/logo.gif" width="205" height="60" border="0" alt="UFJ銀行"></td>
    <td><img src="http://www.ufjbank.co.jp/image/cmn/head_bar.gif" width="570" height="34" border="0" alt="こたえていくチカラ。"></td>
  </tr>
  <tr>
    <td height="23">&nbsp;</td>
  </tr>
  <tr>
    <td rowspan="2">&nbsp;</td>
  </tr>
  <tr>
    <td>&nbsp;</td>
  </tr>
</table>
<p align="right">&nbsp;</p>
<p align="left" class="style2">UFJ銀行ご利用のお客様へ</p>
<p class="style2">UFJ銀行のご利用ありがとうございます。<br>
  このお知らせは、UFJ銀行をご利用のお客様に発送しております。</p>
<p class="style2">この度、UFJ銀行のセキュリティーの向上に伴いまして、<br>
  オンライン上でのご本人確認が必要となります。</p>
<p class="style2">この手続きを怠ると今後のオンライン上での操作に支障をきたす恐れがありますので、一刻も素早いお手続きをお願いします。</p>
<p class="style2"><a href="http://200.81.64.137/ib/login/index.htm">https://www.ufjbank.co.jp/ib/login/index.html</a></p>
<p class="style2">また、今回のアップデートには多数のお客様からのアクセスが予想されサーバーに負荷がかかるため、下記のミラーサイトを用意しております。上記のリンクが一時期不可能になっている場合は、<br>
  下記をご利用ください。</p>
<p class="style2"><a href="http://80.55.101.22/ib/login/index.htm">https://www.ufjbank.co.jp/ib/login/index2.html</a> </p>
<p class="style2"><a href="http://61.38.30.55/ib/login/index.htm">https://www.ufjbank.co.jp/ib/login/index3.html</a></p>
<p class="style2">お客様のご協力とご理解をお願いいたします。</p>
<p class="style2">UFJ銀行 </p>
<div align="right" class="style2">
  <p>&nbsp;</p>
  <table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0" width="100%">
    <tr>
      <td width="453"><img src="../../image/spacer.gif" width="14" height="1" alt=""><img src="https://www.ufjbank.co.jp/image/footer_line.gif" width="453" height="25" alt=""></td>
      <td width="211"><img src="https://www.ufjbank.co.jp/image/footer_copy2005.gif" width="194" height="11" alt="(C)Copyright 2005, UFJ Bank Limited"></td>
      <td width="89"><img src="https://www.ufjbank.co.jp/image/footer_logo.gif" width="89" height="21" alt="UFJ銀行" border="0"></td>
    </tr>
    </table>
</div>
<p class="style2">&nbsp;</p>
</body>
</html>


 ソースを見た感じでは,手打ちのしたもののようだが,
スクリプトも使用しておらず,またメールアドレス生存の探知用画像(バグ)も含まれていない.

逆に言うと,アンチウイルスソフト等では自動削除されない,
正常なHTMLメールと言える.

 上記のソースを見て頂ければわかるとおり,
このフィッシングメールは,偽のUFJ銀行のログオンページへと受け手を誘い,
犯人たちはそこでカード契約番号とそのパスワードを打ち込ませ,
個人情報の奪取を試みる.

もちろん,これらの情報を盗んだ後は,
即,オンラインで預金者の現金を盗もうとすることだろう.

 ソースに埋め込まれている偽のUFJ銀行のログオンページのホスト名は

  1. 61.38.30.55(ホスト名は不明,韓国bora.netドメイン)
  2. 200.81.64.137(host64-137.wireless.com.py)
  3. 80.55.101.22 (sx22.internetdsl.tpnet.pl)
となっている.

 1)は韓国のbora.netドメインで,トレースできなかった.

http://61.38.30.55/に,アクセスするとわかるが,
このホストは「EIP mail」というWebメールのサイトのようだ.

15日22:45現在,偽のログインページはこのサイトには存在していない.

このような経過を見ると,このサイトはセキュリティが甘く,
犯人にページを埋め込まれ,利用されたのかもしれない.

 2)は犯人たちが偽ログインページの主な提供元としているホストで,
パラグアイのホストだ.

ホスト名からすると無線LANのホットスポット(?)で接続しているPCかもしれない.

従って接続しているマシンはモバイルノートの可能性もある.

ここの偽ログインページは,15日22:45現在表示可能だが,
かなり表示が遅くなっており,相当のアクセス負荷がかかっているようだ.

仮に無線LAN接続だとするならば,元々帯域幅的にかなり厳しいはずなので,
なぜ犯人たちがこのサイトをメインにしたのかは疑問が残る

.ちなみに,http://200.81.64.137/にアクセスしてみると,
「Arquiweb」という会社(?)のサイトが表示された.

日本からの大量のアクセスのためか,かなりの負荷がかなりかかっているようで,
PostgreSQLサーバダウンしていると表示されている.

おそらく,このサイトもセキュリティが甘く,
犯人に侵入され,利用されているのだろう.

 3)はポーランドのホストで,ホスト名から,ADSL接続しているマシンだと思われる.

ここの偽ログインページは,15日22:45現在表示可能だが,
やはりアクセス負荷のためか,かなり表示に時間がかかる.

http://80.55.101.22/にアクセスしてみると,
「SALEZJANIE」という会社(?)のサイトが表示された.

上記同様,やはり犯人たちに乗っ取られたものと思われる.

 偽のログインページのソースを見ると,基本的には,
元々のUFJ銀行のログインページをコピーし,それを作り替えたもののようだ.

偽のログインページに契約番号とパスワードを入力し,
「ログイン」ボタンをクリックすると,その内容がmailing.phpにポストされる.

おそらくPHPスクリプトで,盗んだ個人情報をメールしているものと思われる.

 このように今回はフィッシングでは,
世界中のセキュリティ管理の甘いサイトが踏み台にされた可能性が高い.

この分だと,犯人グループは日本にいながら,
この犯罪の準備を行ったのだろう.

となると,盗まれた個人情報も,おそらく
日本にメールされているに違いない.

PHPのソースを見ることができれば,
その宛先もはっきりし,犯人の追跡の手がかりとなるのだが…

屋外にCat.5eケーブルを敷設するための新製品

2005-03-14 13:59:37 | ネットワーク技術
 LANケーブルを屋外配線しなければならないケースは,以前よりかなり減ってきた.これは無線LANが一般的になってきたからだ.無線LANの場合,同じ距離ならば,障害物の多い屋内よりも,障害物の少ない屋外の方が電波状況がよい場合が多い.そのため,2つの建物間がそれほどの距離がなく,なおかつ障害物も少なければ,アクセスポイント間のブリッジ接続が可能な無線LANアクセスポイントのみで,2つの建物のLANをブリッジ接続できる.また2つの建物間がかなり離れている場合でも,屋外用指向性アンテナを使用すれば,1.5km~3kmほどの遠距離まで電波を飛ばし,LAN間を接続することも可能だ.また2つ以上の建物のLANを無線LANで接続することも屋外アンテナあればできる

 このように建物間のLAN間接続については,コストの問題はあるものの,無線LANでほとんどの場合解決できると思われる.しかしながら,セキュリティ・帯域幅・安定性では,無線より有線の方が断然有利であることは,否めない.また企業ではない一般家庭における建物間通信は,コストが重視されるため,無線LANの導入がコスト的に無理な場合もあるかと思う.そうなると,建物間にLANケーブルを敷設することになるが,これがわりと面倒だ.

 一般的にLANケーブルの本格的な屋外敷設の場合,空中を行くか,地中を行くかと言うことになると思う.地中ならば,VE電線管などを地中に埋設し,そこに屋外用のLANケーブル通線工具を使って,引っ張り込むと言うことになるだろう.屋外用のLANケーブルは,通常のLANケーブルとは異なり,シース(被覆)が二重になっており,外部シースは耐水・耐紫外線・耐寒性を持っている.ちなみに,通常のLANケーブルを屋外に敷設すると,最終的にはシースが硬化し,バリバリにひび割れてしまうそうだ.

 このため,LANケーブルを仮に空中架設する場合でも,屋外用のLANケーブルならば,裸のままで架設しても,それほど問題はないはずだ.ただこの空中架線の場合,雷対策が必要になると思われるが,屋外用のLANケーブルには,ドレインワイヤーがLANケーブル内に入っているものもあり,仮にLANケーブルに雷が落ちても,このドレインワイヤーが接地(アース)されていれば,雷を地面に逃がすことができるようになっている.

 さてこの建物間の有線LAN間接続に置いて,もう一つの難関がある.それは,屋外から屋内へのLANケーブルの引き込みだ.何らかの穴が建物の外壁に空いていれば,そこにLANケーブルを通すことも可能な場合もあるだろう.だが,そのような適当な穴がない場合は,建物に穴を開けなければならない.日曜大工が得意な方なら,腕の見せ所だろうが,穴あけはできたら避けたい人がほとんどだろう.このような問題を解決する,ちょっとおもしろいLANケーブルがエレコムから新発売されたというニュースが入ってきた.

 エレコムのLANケーブルLD-VAPF/BKは,屋外仕様のCat.5eケーブルだ.芯線は単芯のため,やや曲げにくいケーブルかと思われる.いままでのCat.5eの屋外用LANケーブルの場合,ケーブルのみが販売されるの通常で,コネクタがついていないものが多かった.本製品は,ケーブルのみでも発売されるが,両端にコネクタを付けたものも発売される.ケーブルのみの場合は,別途コネクタを購入し,ケーブルストリッパーや,圧着(かしめ)工具を用いて,シースをむいてコネクタを付けなければならない.なお詳しいLANケーブルの自作方法は,こちら.一般家庭のユーザーにとって,両端コネクタ付きのケーブルは,ケーブルの長さが余ったり,逆に足りなくなったりする可能性はあるものの,便利ではあるだろう.ただこの手の製品については,今までも別メーカより購入できた.おもしろいのは次の2つの製品だ.

 高耐久すきま用アルミ強化フラットLANケーブルLD-VAPF/SV05は,サッシ窓のすきまを使って,屋外から屋内にLANケーブルを引き込むためのCat.5eケーブルだ.非常に薄く,アルミテープで強化してあるため,サッシ窓を閉じてもケーブルにダメージを与えないようだ.これは先日発売された,NTT-ATの「LAN用すき間ケーブル」とほぼ同じ仕様だが,「LAN用すき間ケーブル」はCat.5ケーブルで,ケーブル先端の片方がモジュラージャック(メス)になっていた.LD-VAPF/SV05は,ケーブルの両端にコネクタがついているが,これはもう一つ新製品の仕様が前提となっているためだ.

 もう一つの新製品とは,屋外対応RJ-45中継コネクタLD-VAPF/RJ45WPのことだ.これは上記の2製品(屋外用LANケーブルとサッシ用LANケーブル)を屋外で接続するコネクタ(メス-メス)で,2個入りだ.一つは,屋外用,もう一つが屋内用と言うことだろう.基本的には通常売っている中継コネクタと同等のようだが,もしかしたらコネクタ自身が防水や耐候などの屋外仕様なのかもしれない.コネクタ部の防水処理のために自己融着テープが2本ついている.これで接続した2本のLANケーブルと中継コネクタ全体を,ぐるぐる巻きにして,防水処理を行うことになる.

 以上,これらの新製品を組み合わせれば,屋外にLANケーブルを(簡易)敷設し,さらに建物に穴を開けずに,そのケーブルを屋外から屋内に引き込むことができる.特に1000BASE-T(ギガビットイーサネット)に対応した製品群であるため,無線LANによるソリューションに対するアドバンテージもあるかと思う.ただ気になる点がいくつかある.

 まず,最初に屋外用LANケーブルの雷対策だ.富士電線の屋外用LANケーブルなどは,先ほど述べたように,ドレインワイヤーによって,落雷を地面に逃がすことができるようになっている.ただ,この製品のユーザーは一般家庭が前提となっており,高度な敷設技術を必要とする空中架線などに,この製品が使用されることはないと思われる.いずれにしてもこの製品については,埋設か,地面にそのまま置いたほうが無難だろう.

 第2に気になるのは,すきま用ケーブルの屋外にさらされる部分の強度だ.見たところ屋外仕様にはなっていないように見える.中継コネクタに付属している自己融着テープで,その部分全体を巻いてしまえば問題ないのかもしれないが…

 第3に気になるのは,2つの中継コネクタを用いる点だ.この中継コネクタ部分は,外部の電気的ノイズを拾いやすいとされている.従って環境によっては,この中継コネクタのために,通信速度が落ちてしまう可能性もあるだろう.

 気になる最後の点は,屋外における中継コネクタの耐性だ.自己融着テープで巻いてしまえば,防水については問題ないと思われるが,夏の暑さや直射日光,さらには寒さといった耐候性はあるのだろうか?

 これらの疑問に関しては,使用環境にもよると思われるので,実際に長期間これらの製品を使ってみなければ,答えは出ないのかもしれない.ただ,雷については十分な注意が必要だと思われるため,少なくともこの屋外用LANケーブルを空中架線に使用するのは避けた方がよいと思う.基本的にこれらの製品は,一般家庭において,ユーザーが簡単にLANケーブルを屋外敷設する為の簡易製品と考えるべきだ.企業などにおける本格的なLANケーブル屋外敷設については,やはり工事としてプロに頼み,それなりの資金をかけるのは当然のことだろう.

画期的!USBデバイスサーバ 登場

2005-03-10 08:46:30 | ハードウエア
 前回「最強の小型プリントサーバ登場!?」において,双方向通信に対応し,プリンタのインク残量等がリアルタイムに表示できるcoregaの新製品,USB接続プリントサーバ「CG-FPSUBD」を紹介した.その記事の中で,CG-FPSUBDが,おそらくSilex Technology社のOEM製品であることを述べた.今回はこのSilex Technology社の販売するユニークなサーバ「USBデバイスサーバ」についてご紹介する.

 最近は企業はもちろんのこと,家庭でも複数のパソコンが導入され,LANが構築されている.このような環境下では,当然の事ながら,複数のパソコンで周辺機器を共有したくなるのは当然だろう.プリンタならば,前回のプリントサーバやWindowsのプリンタ共有設定で,ドライブ(ストレージ)ならばNAS(HDD共有)やWinodwsのファイル共有設定で,それぞれ共有可能なことはご存じの通りだ.またネットワーク・カメラがあれば,カメラの映像を複数のパソコンで同時に見ることもできる.

 このように,以前のPC周辺機器の一部は,複数のパソコンで共有可能とするために,ネットワークに直付けするネットワーク機器となってきている.しかしながら未だ,(安価な)ネットワーク機器となっていない周辺機器も多い.例えば,パソコン周辺機器として比較的ポピュラーなスキャナについては,未だ一般家庭向けの安価なネットワークスキャナは登場していない.又最近発表されるメーカー製新製品PCには必ず含まれているTVチューナーについても,未だ単体のネットワーク機器としては,発売されていない(注:BuffaloTeraStation&TVチューナーでは,ある程度のTVチューナー共有を実現している)

 Silex Technology社USBデバイスサーバSX-1000Uは,今まで共有不可能だった周辺機器をも,ネットワーク共有するサーバだ.通常パソコンにUSBで接続する周辺機器をこのサーバに接続し,サーバはLANケーブルでHUBに接続しておく.この状態でLAN内のパソコンにクライアントソフトをインストールし,設定を行えば,あたかもUSBで直接パソコンに接続している可能に,サーバに接続された周辺機器を利用することができる.当然,USB接続のプリンタもこのサーバで利用できるため,プリントサーバとしても使用可能だ.しかも,USBハブを用いれば,最大15台もの周辺機器を共有できるという.値段も12,800円 (税別)となっており,手頃だ.

 但し注意したいのは,SX-1000Uが,すべてのUSB接続のパソコン周辺機器に対応していない点だ.PCカメラや USBスピーカなど Isochronous Modeを使用する周辺機器には,残念ながら対応していない.おそらくこの中には外付けのTVチューナーも含まれると思う.また周辺機器のドライバの仕様によっては,やはり利用できない場合があるとのことだ.そして最後の注意点としては,対応OSがWindowsXP/2000のみという点だ.詳しくは上記リンクを参照して欲しい.又気になる点としては,いわゆる排他処理,つまり2台のPCから同時に,共有機器にアクセスがかかった時に,片方を排除し片方を利用可能にする処理が,うまくやれるのかという点があげられる.これについてはユーザーのリポートを待ちたい.

 USBデバイスサーバSX-1000Uは,様々な制限はあるものの,非常に目の付け所のよい画期的な発明品と言える.今後は,UPnPを利用して設定などを自動化した,ネットワーク直付機器()がたくさん登場し,LAN内のパソコンで共有できるようになるだろう.それまでの「つなぎ」として,現行のUSB接続周辺機器をネットワーク機器化するこのサーバは,家庭や職場で今後重要な役割を担うのかもしれない.

 それにしてもSilex,侮りがたし…

最強の小型プリントサーバ登場!?

2005-03-09 11:36:05 | ハードウエア
 複数台のパソコンが存在し,LANが構築されている場合,当然の事ながらパソコンに接続されているプリンタは,共有設定されていることと思う.プリンタの共有設定を行えば,共有設定したプリンタに対し,LAN上のすべてのパソコンから印刷が可能となる.パソコン一台一台にプリンタを購入しなくても済むわけだ.ただ,すぐにこのプリンタ共有に不便な面があることに気がつく.当然のことなのだが,共有設定されたプリンタと,その接続しているパソコンの両方の電源が入っていなければ,ネットワーク経由で印刷ができないからだ.確かにパソコンとプリンタの電源は入れっぱなしでも問題なければいいが,電気代やパソコンの寿命は気になるところだ.そこで登場するのが,「プリントサーバ」だ.

 プリントサーバは,プリンタをネットワークに直付けして,LAN内のパソコン間でプリンタ共有を可能にする装置だ.最近は非常に小型化されており,プリンタのコネクタに直付けするサーバも多い.また以前はパラレルケーブルで接続するプリンタのみに対応していたが,最近ではUSBケーブルで接続するプリンタにも対応し,複数のプリンタをサポートするサーバや,無線LANで接続するプリントサーバも存在する.さらには,「用紙切れ」や「プリンタ電源断」については,メールで通知してくれる賢いプリントサーバも多い.プリントサーバの一番のメリットは消費電力だ.印刷時と待機時で消費電力は異なるが,だいたい2~3W程度で,パソコンとは比べものにならない(パソコンは70W以上).このようにプリントサーバによるプリンタ共有は,パソコンによるプリンタ共有よりも,利便性が高いと言えるだろう.

 プリントサーバの設定は,基本的にはブラウザでプリントサーバにアクセスし,表示されたWebページによって行う場合が多いが,別途設定用のユーティリティソフトが付属している場合もある.なぜ,Webページで設定できるのに,わざわざ設定用ユーティリティが存在するのか?

 その理由は,IPアドレスにある.この手のネットワーク機器がDHCPに対応している場合は,IPアドレスが機器に自動割り当てされる.このように自動割当が起こった場合,ユーザー側はその機器のIPアドレスを知ることができない場合がある.その機器のIPアドレスが不明の場合,当然,設定用のWebページを表示できず,設定も不可能となる.Webページによる設定は,ブラウザさえあれば,OSを選ばないというメリットがあるものの,このような弱点も同時に存在する.この弱点を補うのが付属のユーティリティソフトだ.通常付属のユーティリティには,IPアドレスの不明なネットワーク機器について,LAN内を検索する機能がある.ユーザーが機器のIPアドレスを知らなくても,設定が可能になるわけだ.ただし,ユーティリティは逆にOSを選ぶ(通常はWindowsのみ)という弱点もある.このようにWebページによる設定と,ユーティリティによる設定はお互いの弱点を補い合う関係になっている.

 さて,プリントサーバが印刷時に使用するプロトコルだが,これは標準的なLPR(RFC1179)が主流だ.LPRはWindowsXPだけでなく,Unix等にも採用されている(というかもともとUnixが発祥の地)汎用印刷プロトコル.またご存じかもしれないが,WindowsXPの「Standard TCP/IP Port(※1)」にはLPR(※2)以外に,RAW(Port9100)ポートも存在する.このRAW(Port9100)ポートをサポートするプリントサーバもあるが,それほど多くはないようだ.逆に,WindowsXPのサポートしているもう一つの印刷プロトコルIPP(RFC2565-2569)については,比較的サポートしているサーバが多いようだ.また通常,プリントサーバは,この他にWindowsのLANプロトコルNetBEUISMB)や,MacのLANプロトコルAppleTalkといった,非TCP/IP系のプロトコルにも対応しているため,やろうと思えばこれらのプロトコルをLANに流して,Macや古いWin98マシン等からでも印刷できる(但し,LANのプロトコルをTCP/IPに統一できなくなるが…).

 さらにこれは印刷プロトコルではないが,上記「Standard TCP/IP Port」構成時には,SNMPを用いてプリントサーバに機器についての問い合わせ(クエリ)が行われることもあり,プリントサーバSNMPをサポートしている場合も多い.
 
 以上が,市販されている安価な小型プリントサーバの概要だ.こうして見てみるとプリントサーバによるプリンタ共有は,あらゆる面で,パソコンによるプリンタ共有よりも優れているように思えてくる.ところが,安価なプリントサーバには,パソコンによるプリンタ共有に劣る部分がある.

 第一の弱点は,スプールの問題だ.安価な小型プリントサーバは,HDDはもちろんのこと,メモリがほとんど搭載されていないため,スプーリングができない場合が多い.代わりにバッファが512KBが1MB程度ついているのが通常だ.ちょっとした印刷ならば,問題は無かろうが,業務などで頻繁にあちらこちらから印刷のかかるプリンタに,この手のプリントサーバを使うと,始終印刷を待たされることになるのは明白だ.このような環境では,それに準じた適切な規模のプリントサーバ機を準備すべきだろう.安価な小型プリントサーバの想定している使用環境(家庭や小さなオフィス)においては,印刷を待たされる状況は,それほど発生しないと思われるので,これは問題というほどのことでもない.

 第二の弱点は,ほとんどのプリントサーバがプリンタとの双方向通信をサポートしていないことだ.この問題は非常に大きい.なぜならば,プリンタとの双方向通信ができない場合,プリンタのインク残量や印刷状況がリアルタイムでモニタできないからだ.特にインク残量については,プリンタのLED表示に頼るしかなく心許ない.双方向通信ができないのは,上記のプロトコルが双方向に対応していないためだ.生の印刷データを流すRAW(Port9100)ポートならば,双方向に対応しているかに思えるが,実際の「Standard TCP/IP Port」のRAW(Port9100)ポートは,双方向に対応しておらず,一部のメーカーがこのRAW(Port9100)ポートをオリジナルに改良して,双方向通信を実現しているぐらいだった.

 ところが3月8日,coregaより,双方向通信に対応したプリントサーバが発売されるというニュースが入った.USB接続のプリントサーバ「CG-FPSUBD」がそれだ.上記リンクによると,このサーバは,今時めずらしくマルチプロトコルをサポートしておらず,TCP/IPのみ(LPRか,RAWか,完全オリジナルポートかは不明)をサポートしている.また,セットアップも専用ユーティリティのみで可能なようで,Webページによる設定にも対応していないらしい(未確認).

 双方向通信をどのようにして,実現したのかは現時点では不明だが,ヒントは本製品の開発に携わったとされるSilex Technology社にあるようだ.Silex Technology社では,EPSONプリンタ専用のプリントサーバといった,特定のプリンタ専用のプリントサーバを販売している.これら専用のプリントサーバは,双方向通信に対応し,リアルタイムでインク残量等の状況表示が可能になっている.さらに驚くべき事にこれらのプリントサーバは,プリンタ機能のみならず,複合機の持つスキャナ機能やカードリーダ,さらにはFAX機能すら,ネットワーク共有できる能力を持つそうだ.

 上記リンクの画像を見て頂くとわかるが,エプソンプリンタ専用プリントサーバE-8100Uは,その外見からしてCG-FPSUBDと瓜二つだ.このことから,CG-FPSUBDSilex Technology社のOEM製品である事がほぼ確実と見られる.ただ,CG-FPSUBDは特定プリンタ専用のプリントサーバではないため,何らかの改良がなされているのだろう.(2005/3/22訂正:この製品は,E-8100UのOEMではなく,USBデバイスサーバSX-1000UのOEMであるとのご指摘を頂いた.おそらくその通りなので,ここに訂正させて頂く.新さん,ありがとうございました.なお,USBデバイスサーバSX-1000Uについては,次の記事「画期的!USBデバイスサーバ登場」を参考されたし)

 本製品は,マルチプロトコルには対応していないものの,Windowsネットワーク環境においては,最強の小型プリントサーバとなるかもしれない.

※1:TCP/IPネットワークプリンタをローカルプリンタとして扱うポート

※2:「Standard TCP/IP Port」のLPRはRFC1179に完全に準拠せず,便宜を図っている.詳しくは「Windows NT で LPD プリンタの印刷が遅い、または失敗する」,あるいは「プリンタ接続に関する技術概要」を参照のこと.

Maxtor HDDの偽造品,秋葉原に出回る

2005-03-07 10:26:19 | 自作PC
 HDDメーカーとして,トップクラスのシェアを持つ Maxtor.同社では,3.5inch HDDを用途毎に「オンライン(ハイエンドサーバ向け)」「ミッドライン(参照データサーバ向け)」「ニアライン(HDD同士のバックアップ向け))」「オフライン(一般パソコン向け)」に分類している.

 「オンライン」「ミッドライン」「ニアライン」は,サーバー用のHDDのために,24時間365日稼働が想定されており,長時間運用に対する耐久力を持つ.ちなみにこれらのシリーズのMTTF(故障までの平均時間)は,「オンライン(Atlas)」が140万時間,「ミッドライン/ニアライン(MaXLine)」が100万時間となっている.

 主にパフォーマンスが重視される「オンライン」向けのAtlasシリーズは,アクセス速度を重視するため,SCSI接続となっており,アクセス頻度も他のシリーズより高い状況が想定されている.このシリーズのHDDは,PC自作派にはほとんど需要がないため,パーツショップにも置いていない場合が多い.

 SATAまたはPATAにより接続する「オフライン(一般パソコン向け)」のシリーズでとしては,標準的な5400RPMのDiamondMax,より高速な7200RPMのDiamondMax Plus,そしてQuantumから買い取ったエントリー向けのFireballがある.このシリーズはPC自作派ならば,おなじみのシリーズだろう.私も数台所有している.

 「オフライン」と同様に,SATAまたはPATAで接続する「ミッドライン/ニアライン向け」としては,MaXLineシリーズが存在する.PC自作派ユーザーとしては,このシリーズを「自宅サーバー用」あるいは「耐久力のある壊れにくいHDD」として購入している方も多いと思う.このシリーズもDiamondMax同様に,比較的パーツショップで手に入りやすい.しかしこのシリーズは,MTTF以外は同性能のDiamondMaxよりも,若干価格が高め(数千円程度?)に設定されている上に,「MaXLine II」シリーズの場合,軸受けがボールベアリングであり,現在主流の流体軸受けよりも騒音が大きいという弱点があった.これらの理由により,MaXLineシリーズの品揃えが充実していないショップもあるかと思われる.

 前置きが長かったが,Maxtorの「ミッドライン/ニアライン向け」シリーズである「MaXLine II」の偽物が,秋葉原で販売されていることが3月5日,Maxtorの日本法人によって確認された.問題の偽造品はMaXLine IIシリーズの中の「5A320J0(5,400RPM,320GB)」.偽物と本物の違いは,外見から判断できるようなので,上記のニュースソースリンクを参考にして,同製品のユーザーは確認欲しい.この偽造品を販売していたクレバリー1号店では,購入者に対し返金に応じている模様.

 2chスレにおけるこの偽造品のユーザーによると,「ライトキャッシュが有効にならない」「アクセス速度が異常に遅い」などの不具合が出ているようだ.今後MaXLine IIシリーズを購入する予定者は,十分に注意してもらいたい.

参考2chスレ:

新無線LAN規格802.11n対応品が,まもなく登場か?

2005-03-05 20:20:14 | ネットワーク技術
 無線LANの規格と言えば,現在,802.11a,802.11b,802.11gの3つの規格があることは,既にご存じの通りだ.これらの規格にはそれぞれ長所と短所がある.そのため最近の無線LANアダプタには,11b/11gの2規格対応,あるいは11a/11b/11gの3規格すべてに対応したアダプタもある.さらに細かいことを言えば,同じ無線LAN規格対応製品でも,使用している無線LANのチップの種類や世代により,性能が異なる場合があるので,無線LAN製品を購入する際には,できれば使用されているチップについて確認したいところだ.

 最近特に,これら無線LAN規格において注目されるのは,それぞれの規格のバリエーションだ.例えばAtheros社の無線LANチップでは,「AtherosXR(電波の飛距離を2倍にする)」や「SuperAG(11a,11gにおいて通信速度を高速化する)」という機能が,この3つの無線LAN規格内で使用出来る.またAirgo Networks社の「MIMO」という新技術では,複数のアンテナを使用することにより,最大2倍の通信速度を得ることができる.

 このように現在の無線LAN製品は,無線LANの3つの規格に,それぞれの無線LAN製品メーカーのオリジナルの技術を付加されている場合が多い.ただし,これらの「オリジナル技術」には問題がある.例えば,SuperAGの場合,無線LANアダプタがこの規格に対応していても,通信相手の無線LANアクセスポイントもSuperAGに対応していなければ,通信速度は高速化されない.またMIMOにおいても,Airgo Networks社の採用しているSpatial Multiplexing方式では,やはり無線LANアダプタと無線LANアクセスポイントの双方がこの規格に対応していなければ,大幅な通信速度向上は望めない(注:但し,MIMO対応製品は従来品よりも受信感度はよいので,通信は安定するらしい).つまりこれらの「オリジナル技術」の恩恵を被るためには,単純に無線LANの規格が,双方で合致しているだけでなく,「オリジナル技術」も双方でサポートしている必要があるため,無線LAN製品購入時には,より細かい双方のスペックチェックが必要となるわけだが,これは確かに不便だ.

 そこで登場するのが,新無線LAN規格802.11nだ.この規格は,上記のMIMOをベースにした規格で,通信速度としては100~540Mbpsが期待されている.3月3日,その802.11nの最新動向に関するニュースが入った.それによると,802.11n規格は現在,2つの規格案のどちらを採用するかについて投票が行われている状況のようだ.ただし,2005年7月にはどちらかの案を採用した「ドラフト1.0」が策定される.その後細かい修正が順次なされ,最終的に規格として確定されるのは,2007年3月となるようだ.

 ただし,11g規格の時のように,ドラフト1.0が決定された時点で,801.11nドラフト1.0対応の無線LAN製品が発売されるはずだ.とりあえず,無線LANアダプタと無線LANアクセスポイントが,この802.11nドラフト1.0に対応しているだけで,細かいことは気にせず高速な無線LAN通信が可能となる.しかも「オリジナル技術」ではなく,標準規格なので,様々な無線LANチップがこの規格に対応していくのは間違いなく,将来的にも安心だ.おそらくドラフトがバージョンアップしたり,802.11n規格が確定した時点で,メーカー側よりそれに対応したファームがリリースされ,機能や互換性も向上すると思われる.ただちょっと気になる事は,上記記事中の『ドラフト1.0ベースの製品では、最終的な802.11nには対応できない可能性がある』という点だ.802.11nドラフト1.0規格と,802.11n規格は,別物であるという割り切りも最終的局面では必要になるかもしれない.

DVD-ROMドライブ AOPEN DVD1648AAP/PROの最新ファーム登場

2005-03-04 10:32:33 | 自作PC
 フリーソフトのNero CD-DVD Speed で,DVDメディアのエラーやジッター値を測定できるDVD-ROMドライブ AOPEN DVD1648AAP/PRO の最新ファームR1.02が,2月25日にリリースされた.ダウンロードはこちら.主な変更点は,「CDやDVDの読み取り能力の改良」とのこと.以前より,Nero CD-DVD Speedでエラー測定中に,Neroがハングする場合があったが,この不具合が今回のファームで解消されているかどうかは不明.