何かとっても些細なことで死刑になる夢を見た。
一列に並んで、順番を待っている。
前列の人も死刑を宣告されて「お先に」とあっさり死んでいった。
方法は簡単で両手首に電気を流すというものだった。
自分の番が来て「はい、あんたも死刑」と言われた。
ああ、おれもかと手首に冷たい輪っかをはめられて
事務服を着た女性が早口に「さん、にぃ、いち」と数え出した。
寸前のところで待ったをかけると「どうしました」と言われた。
「それが、とっても心が乱れて怖いんですが」というと、
「奥さんと猫ちゃんのことを思い出しなさい」と言われた。
昨夜、下らない人生論なんか読んだせいに違いない。
それにしても直前になって「ちょっと待って!」と裏返しの声で
命乞いする自分の姿がいじらしかった。
死刑になる人の気分を少しでも味わったような気もしたが、
大きな罪がないから覚悟ができなかったんだろうか。
ここで夢から覚めると、カミさんが大きな鼾をかいて寝ていた。
人が大変な夢を見ているときに暢気な奴だと思った。
一列に並んで、順番を待っている。
前列の人も死刑を宣告されて「お先に」とあっさり死んでいった。
方法は簡単で両手首に電気を流すというものだった。
自分の番が来て「はい、あんたも死刑」と言われた。
ああ、おれもかと手首に冷たい輪っかをはめられて
事務服を着た女性が早口に「さん、にぃ、いち」と数え出した。
寸前のところで待ったをかけると「どうしました」と言われた。
「それが、とっても心が乱れて怖いんですが」というと、
「奥さんと猫ちゃんのことを思い出しなさい」と言われた。
昨夜、下らない人生論なんか読んだせいに違いない。
それにしても直前になって「ちょっと待って!」と裏返しの声で
命乞いする自分の姿がいじらしかった。
死刑になる人の気分を少しでも味わったような気もしたが、
大きな罪がないから覚悟ができなかったんだろうか。
ここで夢から覚めると、カミさんが大きな鼾をかいて寝ていた。
人が大変な夢を見ているときに暢気な奴だと思った。