日々記

ひびき

寸でのところで

2010-05-23 | Weblog
何かとっても些細なことで死刑になる夢を見た。
一列に並んで、順番を待っている。
前列の人も死刑を宣告されて「お先に」とあっさり死んでいった。
方法は簡単で両手首に電気を流すというものだった。
自分の番が来て「はい、あんたも死刑」と言われた。
ああ、おれもかと手首に冷たい輪っかをはめられて
事務服を着た女性が早口に「さん、にぃ、いち」と数え出した。
寸前のところで待ったをかけると「どうしました」と言われた。
「それが、とっても心が乱れて怖いんですが」というと、
「奥さんと猫ちゃんのことを思い出しなさい」と言われた。
昨夜、下らない人生論なんか読んだせいに違いない。
それにしても直前になって「ちょっと待って!」と裏返しの声で
命乞いする自分の姿がいじらしかった。
死刑になる人の気分を少しでも味わったような気もしたが、
大きな罪がないから覚悟ができなかったんだろうか。
ここで夢から覚めると、カミさんが大きな鼾をかいて寝ていた。
人が大変な夢を見ているときに暢気な奴だと思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

好きな音

2010-05-18 | Weblog
川のせせらぎ、下駄の鳴る音、鶯の声、
ホッチキスの音、蝉時雨、さざ波、親友の屁、
猫の喉が鳴る音、指の骨が鳴る音、百円ライターのシュッって音、
池に石がどぶんって落ちる音、漬物のかじる音、
まだまだいろいろとあるが、苦手な音というのもある。
ブランコの揺れる音や、ガラスの割れる音など他にも多数ある。
さっきぼんやり耳掃除をしながらそんなことを考えた。



画像 たらたら山の山桜
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

飢餓のいろいろ

2010-05-15 | Weblog
先日友人がきて不意に飢餓の話題になった。
食べ物に限らず、現代人は飢餓状態にある。
前に読んだ飢饉文書に、日本の古いこんな実話が載っていた。
そのままでは読みづらいので文書を少し弄くると、
「いよいよ民衆は飢餓の末期にさらされて、金なんか役に立たなくなった。
ほんの一握りの権力者が食う分を、庶民は全財産をはたいて手に入れた。
ある人は三升の米を買い、一粒残らず食ってあとはサヨウナラ。
ある人は全財産を酒に代え、たっぷり飲んで念仏を唱え川に入った。
ある人は仏壇を設え、花を手向けて餓死を待った。」とこんな具合だ。
自分なら迷わず酒を買うが、それには友人も同意した。
米を買っても尽きればないのも同然だから酒がいい。
先祖を敬って餓死するのも何だか腑に落ちない。
自分が先祖なら、「いいから米か酒にしろ」という筈だ。
だいたいにおいてそんな下らない話をしていたのだが、
今は食う金は無くなることはあっても食い物が無くなることはないだう。
腹だけが満たされてぽっこり出てきても切ない。
金さえあれば何とかなるのにと淋しいことを言う人もいるが、
本当に大切なものはたいてい店屋で買えないものばかりだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

矢島美容室

2010-05-12 | Weblog
連休中、カミさんの強い希望で矢島美容室主演の映画を観に行った。
きっと居眠りするだろうと思っていたら面白かった。
何が面白いと聞かれたら何とも言えないが、笑えるところは手放しに笑えた。
難しい映画よりも今の自分には充分な息抜きになった。
ひとつだけいつも気懸かりなのは、どんなに空席があっても
必ずといっていいほど自分の前に誰かが座る。
映画、演劇、コンサート、その他もろもろにおいて。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

筍地獄

2010-05-09 | Weblog
「今年は表年だからよく採れた」と竹林を持っている人はみんな声を揃えた。
毎年決まった先輩から筍はいただくので他からは遠慮している。
昨日、またメールが入って「取りにこんか」と否応なしの誘いがあった。
大きな段ボールにずっしり箱ごとくれたので、「家は二人だからこんなに要らない」
というと、「大きめなやつが入ってるだけや」というので貰ってきた。
どれくらい大きいのかと恐る恐る箱を開けたら、わりと小振りなのが十五本入っていた。
「嘘つき。こんなに食えない、傷ますだけだ」とメールすると、
「誰かにあげたら」と適当な返事がかえってきた。
貰っといてつべこべ言うのも何だが、食いきれなくなって処分を任されたような気がする。
先ほど、別な友人に誘いをかけたら「貰いにいくよ」と言ってくれた。
何だか無理矢理貰ってくれるような返事な気がしたが、
「ついでにビールでも飲むか」と言ったら少し嬉しそうだった。
酒の肴は、何が何でも筍料理を食べてもらわなくては。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

たらたら山の山桜

2010-05-07 | Weblog
連休二日目はドライブのつもりで隣県の平泉寺というところへ行った。
ここの境内は苔が見事だが、長く続く石段を囲む杉木立も迫力がある。
今度で三度の来訪となるが、訪れるたびに近いうちまた来ようと思ってしまう。
一度目は、一眼レフカメラを持って一人で苔を撮りに行った。
二度目は結婚前に二人で初詣に行ってお御籤をひいた。
お互いに「凶」をひいて「気が合うね」とそんな会話を参道でした覚えがある。
今回は、参道脇で山野草の展示がされていて飽きがこなかった。
木漏れ日の中を歩いていると全く疲れが感じなかった。
帰り道に国道を外れて浄土寺川というのを遡って「たらたら山」へ寄った。
特記するものは何もないが名水が湧く岩場があった。
途中、片栗の花を見つけて足を止めた。
山桜がきれいで何枚もデジタルカメラに残した。
先の平泉寺でも何枚も写したし、梨の花や蓮如さんが腰掛けたという石も写した。
家に帰ってビールを飲みながら、それらのファイルに名前をつけて編集したが
ちょっとした手違いで全部消去してしまった。
カミさんに、そんな悲しい報告をしたら「あら、ご愁傷様」とあっさり言われた。
記念写真ならあきらめもつくが、たらたら山の山桜は全く惜しいことをした。



追記 数日後ファイルを整理していたら別のファイルから画像は見つかった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする