2013年8月20日
ホテルから見える山は快晴だ。天気予報では1日中不安定なお天気だって・・・・・??
この空を見ていると信じられません。
8:30 ホテル出発
マイカー規制でロープウェイ駅まで、車で行けないために菅の台バスセンターに車を置いてバスに乗り換える。
すごい山道を走って登る。窓から崖下を覗くと身震いがする程だった。こういう道路はオットの運転でなくてよかったと思った。日本一、高所にあるロープウェイ
しらび駅~千畳敷駅 昨日(18日)までお盆休みのため大混雑していて2時間待ちだったとか。私たちはお盆の混雑時期はなるべく外すようにしているけどラッキーでした。又、紅葉の季節は混雑するそう。
9:00 着 千畳敷駅
千畳敷は目の前が素晴らしい千畳敷カール
9:45 登山コースの分岐点から登りはじめる。 氷河が削った大自然の芸術カール。夏の季節は高山植物が花をつけていて天国のようという表現がふさわしい景色だった。
ここの登山は初めて。山頂付近は雲の中。登れるだろうか・・・・天気は大丈夫だろうか・・・・いつものように不安になる私。 ぎざぎざの山の上にも山があるはずだけど霧で見えない。
高山だけどロープウェイで気軽に来られるので、軽装の観光客も多かったが、ここまで来ると皆、山歩きのスタイルだ。いなり2600m辺りに来たわけで空気が薄いのも感じる。ちょっと早足にすると息が切れる。
乗り越え浄土 見上げても霧で山頂は見えない。
オットも難儀しているみたい。体がまだ、高所に慣れていないのだ。出来るだけゆっくりと歩いて少しずつ高所になれさせなければと思う。晴れていれば雲海を見渡せる素晴らしい景色があるはず。
何組かのグループに先をゆずり無理をしない。小学生と祖母の二人連れ。私と同年齢の女性は大きな荷物を担いでいるのはその子のおばあちゃんだそう。山頂の山小屋に宿泊予定とか。山岳部にいてこの山の冬にも何回か来たことのあるベテランだそう。
私と話をしたあと二人で又、登っていった。すごいなぁ~~と思いながら大きなリュックを担いでいる後ろ姿を見送った。
10:45 宝剣岳山荘
ここから宝剣岳に分かれる道がある。霧が濃いために宝剣岳も木曽駒ケ岳も山頂は見えない。長袖を来ていても寒い。山小屋の中ではストーブがついていた。持ってきたフリースを着込む。ダウンを来ている人もいるくらいだ。
そういえば3週間くらい前に韓国の登山ツアーが遭難したのはこの山荘から宝剣岳に登った人たちだ。夏なのに低体温症で3人が死亡したとか。高山での雨降りは要注意だ。雨こそ降っていないけど霧の粒が冷たい。
11:17 中岳着
相変わらず霧が濃い。雨が降ってくれば引き返すのだけど・・・・・天気は同じ。
道は両脇にロープが張られているので迷う心配はないけれど、人も見えなくなり霧の濃い山は不安にもなる。
中岳を下るとき、孫と祖母との二人が中岳に登って来るのに出会った。急にお孫さんが情緒不安定になり帰りたいというので宿泊しないでこのまま下山することにしたとの事。山頂も諦めたらしい。
地図では中岳と山頂は50mくらいの標高差だからひと頑張りすれば山頂に着くと思う。
「残念ですね。もうすぐなのに。」 私は言ったもののその小学生と同じような心境になっている。
11:30 鞍部
中岳と山頂との間の平らな部分(鞍部)を歩いていると、オットが 叫んだ。
「アッ!! 鳥がいる」
見ると雷鳥が私たちから3mくらいの所をちょこちょこと歩いている。カメラ!!カメラと焦りながら構えたときはこの霧の中の茂みに消えて見えなくなった。雷鳥の姿は残念なことに写すことは出来なかった。
雷鳥は雷雨や濃霧の気象などになると茂みから出て来ることが多いらしい。天敵から身を守る習性だろう。偶然に雷鳥を見られた幸運に気分が好転して元気になった。
11:45 山頂小屋 山頂の麓の鞍部にある小屋。
この辺りをベースにキャンプをしている人たちがいる。平らな部分にテントを張っている。グリーンや黄色の明るい色に励まされる感じ。山頂小屋のトイレで出会った女性二人に山頂までの時間を聞くともうすぐとのこと。一休みして出発。
あと、少しで山頂に着くかもしれないけど歩いているうちに又、不安になってきた。息がとても苦しい。10歩歩いて一休み。体を動かしただけでも息苦しい。オットは体が慣れてきた・・・・と言うが私は苦しい。頭痛もする。もしかしたら高山病かもしれない。
霧粒が大きくなってきて足元の石の上に水滴のように落ちる。雨になるかもしれない。オットに言うと大丈夫だから山頂まで頑張ろう!!と言う。
私、さっき出会った小学生の男の子の気持ちがよく分かる。「もう止めよう!!」って言いたくなってしまった。
「もうすぐで山頂だと思うよ。」
何故??? 「声が聞こえてきたよ。」 私にはちっとも聞こえない????見上げても見下ろしても人の気配はない。霧はますます濃くなってきている。
少し歩くと下山してくる人たちに出会った。この人たちの声だ。人に出会うとホッとする。「山頂は結構、大勢の人がいて賑やかですよ。」 と教えてくれた。
又、元気をもらって歩き出した。知らないうちに山頂に到着した。
12:15 山頂
石積みのケルンや、山の神を祭ってある祠などがあった。山頂は結構広い感じだった。
磁石を出して帰り道の方角を確認した。私の立っている標識から南の方角に下山すれば良いのだ。山頂からの景色は皆無。すべてが霧の中。
景色は全く見えないけどあきらめないでよかったと思った。
帰路、時々、霧が切れる隙間から覗く下界の景色の素晴らしいこと。この山を歩けたことを幸せに思った。
千畳敷カールの麓に降りると山頂はすべて霧の中で全く見えない。改めてすごい山だったと思う。
14:30 千畳敷カール 着
千畳敷カールのお花畑はたくさんの花が咲き誇っていた。もうすぐ山には秋が訪れる。はつかの間の天国。
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登山後期
霧で視界がきかない山歩きだった。晴れていれば雄大な風景が広がり更に気持ちの良い山歩きができると思った。なんどか途中で止めたくなったけど、オットに叱咤激励されながら頑張った。山頂に立った時は達成感で胸がいっぱいになった。
日常生活では味わえない達成感、こういうのが幸せっていうのだと確信する。余裕がなかったので宝剣岳には登らなかった。全体を通して思うのは天気さえよければ3000m近くある高山だけど危険な崖や登りにくい岩なども余りないので安心して山歩きができると思う。宝剣岳は岩場が多いので滑落の危険もありそうだけど、お天気の良い時に登りたい。夢がひとつ増た。
萱の台バスセンターからピストン輸送をしてくれるバスは安全のために立ち席では乗れない。全員席について出発。乗れない人は次のバスを待つことになる。大勢の客がいる場合は臨時でバスも出してくれるらしい。
面白い運転手さんのアナウンス。『冬季も運行しているこのバスは空いていて、ゆっくりとバスを楽しむことが出来ます。スリル満点でジェットコースターより面白いとの評判です。又、運が良い人は雪崩の現場を見ることが出来ます。運の悪い人は直撃されるでしょう・・・・・・。』 笑えました。
昨日まで観光客が多くてロープウェイは2時間待で並んだそう。午後5時が最終のところ8時まで運行したとか。今日のような日に並ばないで乗れるお客さんは本当にラッキーですとアナウンスしていた。富士山が世界遺産に登録され観光客が富士山に流れたのも理由らしい。
こんなアナウンスをしながらすごいピンカーブをスイスイと曲がりながら山道を運転していた。窓から眺めると深い谷。ここから落ちたら命の保証はないだろうと思われる。マイカー規制のために対向車もないのが少し安心。
ホテルは山の近くに取らなかった。駒ヶ根ICを降りてすぐ、便利な駒ヶ根駅近くのホテル。部屋もきれいで温泉付き。近くにスーパーやコンビニ、レストラン、ファミレスなどもたくさんあり便利だ。コマクサの湯という日帰り温泉にも、ロープウェイまで行くバス乗り場までも10分ほどで行ける距離は嬉しい。ビジネスホテルみたいだけど、気楽だった。
駒ケ岳登山の後に立ち寄った こまくさの湯
セット割引がありました。
入場料(600円)+軽食(500~600円) = 1,000円はお得な気がしました。
私、冷やしぶっかけそば。まずまずでした。
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