若生りえ Jazz Songs & Diary

ジャズ歌手の若生りえがジャズスタンダードソングの歌詞やエピソードについて語る。
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バンドと私と楽譜のナゾ!?

2015年06月10日 | もっと気軽にジャズ♪
みなさぁ~~~ん
こんばんはぁ~~~

今日はすっごくアツイ!
というわけではありませんでしたが、
なんか冷房付けないと蒸して暑いような、
冷房付けると寒いような、
調節の難しい一日でした

明日は木曜日!!

さぁ!あともうひとふんばり!!
がんばりましょう!!

ところで、先日ライブにお越しくださった方から、
ご質問を4つ頂きました。

重複するところもあり、わかりにくいかもしれませんが、
もしよろしければご覧くださいませ。


ご質問①
以前から不思議だなと思っていたのですが、
歌手が歌う時にバンドに「F」でお願いしますとか「D」でとか、キーを伝えてますよね。
それって、すぐにキーを変えて演奏できるものなのですか?


>まず、先日演奏してくださったバンドの方々は、
たとえば『Fly me to the moon』のような代表的なスタンダードならば、
その曲のコード進行が何曲も頭に入っているんです。

コード進行をはじめ、演奏家の人たちはプロになる前に、
世界共通の『楽典』というクラシックはじめジャンル共通の音楽の基本ルールや、
ジャズ独特のルールをとにかく勉強します。

このルールは世界共通語のようなものです。

そのうえで、ジャズのスタンダードは、楽譜を見なくても自然に手が動くように、
自分の体にしみこむまで、勝手に手が動くようになるまで練習します。
またその中でも特に有名な曲は、すぐにキーを変えても演奏できるように
猛特訓をしているんです。

ただ、これには当然個人差があります。
なので、歌手の人は最低限のマナーとして、
自分の歌うキーのコード進行が書いてある譜面を準備し、
バンドメンバーの数だけコピーして持っていくのが常識です。

ピアノやギター、フルートなどは実音楽器と呼ばれ、
ドレミと書いてある楽譜はそのまま演奏するとドレミと音が出ます。
なので共通の楽譜で大丈夫なのです。

一方、サックスやクラリネットなどの移調楽器は、
ドレミと書いた譜面をそのまま吹くと、シ♭・ド・レと音が出てしまうので、
事前にみんなと同じ『ドレミ』と聴こえる調に、
移調して書きなおした楽譜の準備が必要です。(一例です)。

キーが変わるしくみですが、簡単にご説明します。

童謡の『チューリップ』ありますよね?

♪咲いた 咲いた チューリップの花が~

この歌の部分を、たとえば私がバンドの人に

「チューリップの歌を「C(=ハ長調)」でお願いします!」と言うと、

 咲いた ・咲いた・ チューリップの・花が
(ドレミ ・ドレミ・  ソミレド  ・レミレ)

というメロディと、それに合わせたコードで演奏してくれます。


それではキーが「D」の場合は?

「D」の場合は、ルールにのっとって、ファにシャープをつける決まりがあるので、

 咲いた・ 咲いた・ チューリップの・ 花が
(レミファ・ レミファ・ ラファミレ・ ミファミ)

と線を引いてあるファにシャープをつけて演奏すると、
「D」のキーで演奏してもらえます。

クラシックをはじめ、音楽を仕事にする人は『楽典』と言って、
楽器の練習以前に、音楽用語や楽譜の読み方などのルールを覚えます。

「D」のキーは、ファとドにシャープが付く。

その基本のルールを学んで知っているから、キーが変わっても演奏できるのです。

みなさんも学校の音楽で『ヘ音記号』とか『ハ長調』とか
習ったと思いますが、それのもっと覚えることがたくさんあることを
叩きこんでいるのです。

もちろん私のように音楽学校を目指す学生は、楽器の練習以外にも
これらの試験に備えて、基本を学んで受験するんです。

ご質問②
ドラムは関係ないと思いますが、ピアノとかギターとか、
メロディを、たとえばFで書かれている楽譜を、その場でDに変えて演奏できるのでしょうか?
前から不思議に思ってました。


>①のご質問と重複になりますが、
「F」キーの時にはフラットが付く決まりがあるので、

  咲いた・咲いた ・チューリップの ・花が
(ファソラ・ファソラ・ド ラ ソ ファ・ソラソ)

と弾くのですが、今度はどうでしょう?

ここまではシの音が出てこないので、
このままメロディーを弾くと、
ちゃんと「F」キーのコードに合わせてちょうどよくなるメロディになる、というわけです。

重複になりますが、キーが「D」の場合は、
ファシャープをつける決まりがあるので、

咲いた・咲いた・チューリップの・花が
レミファ・レミファ・ラファミレ・ミファ

と線を引いてあるファにシャープをつけて演奏すると、
「D」のキーで演奏してもらえます。

※この他にも、なぜメロディーがその音から始まるのか等は
かえって混乱しそうなので、今回は割愛させて頂きます


質問③
質問ついでに、ギターやフルートは簡単に持ってこれるけど、
ベースやドラムを持ってくるのはタクシーにのらないよね?どうしてるのでしょう。
さすがにピアノは無理だろうけど。


>いやいや。人にもよりますが、
二村さんはいつもご自身のピアノを一人で担いで持ってこられます。

なーんちゃって

さすがにピアノはライブハウスのものです
きちんと管理されたライブハウスでは、
ピアノのメーカーの種類や日々の調律にもこだわっています。

また、ベースの方やドラムスの方はご自身の楽器と
ライブハウスで持っている楽器を使ったりされます。

基本的にドラムスやパーカッションの方は一番の大荷物です。

お店に置いてあるものではなく、曲に合わせてたり、一過言があったりで、
こだわりのシンバル、スティック(バチ)の種類、
などとにかく荷物が多いです。

田鹿さんはじめ、相当なこだわり派の方は、
どんな曲にも表現&対応できるように、木のスティック以外にも、
金属製の物や、綿が巻いてあるもの、太さも様々に、
その日のライブで使うかどうかもわからないものをたくさん持って来て、
瞬時にスティックなど道具を変えて音の変化をつけ、
みんなを楽しませてくださったりするんです。

ベースの人で、極まれに、キャスターにのせて電車で移動する人を一度だけ
見たことがありますが、なにか事情があったのでしょう(笑)
満員電車とか、大きな楽器の人は時々蹴られたりすると聞いたことがあります
まずは持ち込む人が迷惑にならないように気を遣うことがまずは一番ですが、
何かその日はたまたま迷惑かけてまでの理由があったのかもしれません。
人として、けったりすることはやめてほしいです

質問④
今回はサックスは無かったけど、楽譜は、ピアノとかギターとか、それぞれ用に書かれているのですか?
サックスが入った時とは、楽譜は変わるの?


>サックスは移調楽器なので、事前に移調した楽譜をご用意されます。


移調楽器についてのウィキからの抜粋です。

移調楽器(いちょうがっき)とは、ある楽器で楽譜に従って音を出したとき、
ピアノなどにおけるその楽譜の音とは異なる高さの音が出るような楽器のことを言う。
しかし、移調楽器とは楽器そのものの性質ではなく、
ある種の楽器群では予め移調して楽譜を書くという記譜上の慣例によって生じた呼び名である。


ピアノで弾く「ドレミファソラシド」という楽譜を、
B♭管の移調楽器で吹くと場合(他にもE♭管などあります。)、
シ♭・ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ・シ♭と音が出てしまいます。
そのままではドレミファソラシドとでる楽器とキーが違ってしまいます。

なので、サックスで耳で聞こえる音がみんなと同じキーになるように、
楽譜を書き換える必要があります。

フルートは管楽器の中でも実音楽器なので、書き直さなくて大丈夫なんです。

あとは、アレンジが大がかりな時は、メロディー楽器(歌、フルート、サックスなど単音しかでない楽器)と、
リズムセクション(ギターやピアノ、ベース、ドラムスはコードを刻んだりするから)と、
楽譜を分ける場合もあります。

メロディ楽器用の楽譜にはメロディーが書いてあることが必要ですが、
リズムセクションは、リズムについての細かい指示が主で、
メロディーがかかれていないことがあります。

というわけで、サックスなどの移調楽器が入らなければ、
先日のライブの場合ですが、私とバンドの人との場合は
『全員一つの楽譜で大丈夫』というわけです。

かなり省いてのご説明でしたが、ちょっとわかりにくいかなぁ~。

また機会があればご説明させて頂きます!

それでは今日はこのへんで!!

おやすみなさぁ~~~い
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1 コメント

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プロ!!!!! (小林 泉)
2015-06-11 09:23:02
すごい!!
説明に大感動!!
さすが、プロ!
そうだったんだぁ。これはさすがの池上彰さんもしらないだろうネ。
今までの疑問が解消されました。
りえさん、ありがとう。

ところでもう一つ。
ポピュラーな曲でない、例えばりえさんの DEAR SALLY のような曲は、前もってバンドの人たちに譜面を渡して練習してもらうのでしょうね。
どのくら練習するんだろう。
毎回バンドのメンバーが変わると大変だね。

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