松永和紀blog

科学情報の提供、時々私事

事故米穀の焼却に対する違和感

2008-10-04 20:57:15 | Weblog
 農水省が3日、国が保管していた事故米穀の焼却処分を始めた。毎日新聞3日付は、「改善策が確立するまでさらなる流通を防ぐ暫定措置で、今後各地で保管する約240トンを地元自治体との調整がつき次第、順次廃棄する」と伝えている。

 ものすごく大きな違和感を感じる。焼却しなくても、飼料にしたりバイオエタノールにしたり、活用できる。実際に、民間貿易が行われているほかの穀物では、事故品を飼料にできるかどうか検査して、飼料基準をクリアできれば飼料にするルートが、しっかりと構築されていて機能している。穀物についたかびをクリーニングする方法もある。

 最近は、飼料米を豚や鶏に食べさせる取り組みも出てきている。どうして、飼料にしないのか? バイオエタノールにしないのか?

 結局、「焼却」というパフォーマンスが農水省にとっては必要なのだろう。すぐに飼料やバイオエタノールにすることは難しく、保管しておく必要がある。「このままの保管は、さらに不信感を招く」という判断があったのかもしれない。

 だとしても、米を焼却処分してしまう様子を農水省が平気で見せ、テレビや新聞がさらに平気で「当然」という感覚で撮影し流している、という事実は、私には重い。米を粗末に捨て去る光景は、見るに堪えない。
 農水省とマスメディアにおぞましさを感じるのは、私だけだろうか?

 と思っていたら、きたきつねさんが同じように「バイオエタノールにすればいいのに、もったいない」と書いていた。きたきつねさんとは時々お会いする仲。同じ感情にとらわれている人がいることに、ほっとする。

 

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1 コメント

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違和感、全く同感です (てるてるぼうず)
2008-10-08 07:47:08
松永様

私も焼却の報道を聞いて「えっ!」と驚きました。そもそも米を減反し、耕作放棄地が増える(いや、増やす)農政をして、なぜ輸入米を毎年買わなければならいないのか?このことをマスコミが触れないのも不思議です。
対処療法で済ませず、時間がかかっても反論百出であっても根本治療することを消費(=次の生産を再生産することを生み出す行為)する者もじっくり考えるときのような気がします。
そのためにも長時間の働きすぎには要注意と自己点検しながらのこの頃です。

PS.1年少し前、松永さんからFoodScienceのことをお聞きし、入会して月2程度でサイトを見にいっていましたが、松永さんの連載が終わり楽しみが減って残念です。いつか連載を終わられたお気持ちをお知らせ下さい。
ただ、独自ブログを立ち上げられたので、こちらは2週間を待たずにご意見をいただけるので楽しみです。

以上、大阪の生協職員でした。
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