■焼却灰セシウム、再び基準超す=東京・江戸川の清掃工場
時事通信 - 2011/07/21
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011072100640
東京23区の家庭ごみを処理している東京23区清掃一部事務組合は21日、江戸川清掃工場(江戸川区)で、ごみ焼却時の排ガスに含まれるばいじんをフィルターで集めた飛灰から、国が一時保管を求める基準(1キロ当たり8000ベクレル)を超える1万1470ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。同工場は、先月も飛灰から基準を超える9740ベクレルのセシウムを検出している。
また、同組合は、薬剤処理した後の、都の最終処分場に埋め立てる状態の飛灰を今回初めて測定し、こちらも基準を超える8470ベクレルのセシウムを検出した。同組合は基準を超す飛灰を、今月13日から都の最終処分場で一時保管しており、保管量は21日までの合計で37トンに達している。
江戸川、飛灰が8.000ベクレルをまた超過してしまった。それも、前回より減少するならまだしも増えてしまって。残念です。また、逆に言うと、江戸川、前回の飛灰セシウム合計が9,740Bq/kg。今回は飛灰が11,470Bq/kgで処理汚泥が8,470Bq/kgということは、前回も処理汚泥で検査していれば8,000Bq/kg以下であった可能性が大。が、しかし、どちらにしても8,000の線引きが安全を左右しているわけで決してない。ただの目安、線引きである。そのうち、福島同様、処理しきれなくなれば、8,000から100,000に軽く緩和されてしまうかも。主灰と飛灰を混ぜて測定してセシウム濃度を低くするのも、飛灰をキレート処理(薬剤を加えてこん練り)してKgあたりのセシウムを低くするのも、どちらにしても、灰の総量に含まれるセシウムの量は何ら変わらないのである。
しかし、江戸川の煙突排ガス、セシウム不検出(検出限界は不明)ということでひとまずよかった!! いくら、セシウムはバグフルターで99.95%とれるといわれても、やはり煙突排ガスで確認してもらわねば。
【報道資料】放射能等測定結果及び焼却飛灰の一時保管について(第2報)
東京二十三区清掃一部事務組合 平成23年7月21日
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/topics/data/hodo-230721.pdf
当組合では、3月11日に発生した東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故による東京23区内の一般廃棄物処理における影響を確認するため、焼却処理で発生する灰等の放射能濃度等の測定を継続実施しています。
第1回の測定結果については、6月27日に公表しましたが、新たに飛灰処理汚泥、排ガス(煙突)及び放流水等の測定項目を加えて、第2回の放射能等測定を下記のとおり実施し、測定結果を別紙「焼却灰等の放射能測定結果」等に取りまとめましたので、お知らせします。
なお、8,000Bq/kgを超えた江戸川清掃工場の焼却飛灰の最終処分場への一時保管の作業は、7月13日から開始いたしました。
焼却灰等の放射能濃度測定結果
■主灰の放射能濃度測定結果
測定機関:中外テクノス 株式会社
測定方法:緊急時における食品の放射能測定マニュアル
(平成14年3月、厚生労働省医薬局食品保健部監視安全課)
※1 使用測定器 : 仏キャンベラ社製 ゲルマニウム半導体検出器 7500SL
※2 流動床式焼却炉であり、主灰が発生しない施設であるため、測定結果には流動床不燃物の測定値を記載しています。
※3 主灰が発生しない溶融炉の施設であるため、測定していません。
※4 「-」の工場は、定期補修工事等により測定していません。
※グラフ「焼却灰等の放射能濃度測定結果」より作成
こうしてみると、通常の可燃ごみ(生ごみなど)がいっさい入らない破砕ごみ処理施設がいちばん被害が少ない。前回測定分では、飛灰で若干のヨウ素131検出が4工場あったので、どうしたものかと思っていたが、今回測定分は、全ての項目でヨウ素131の検出はなかった。
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23区の清掃工場の放射性物質測定結果6月27日発表分で、いまだにヨウ素が検出されていること気になっていたのだが、小出先生が、下記のようにコメントされていた。
2011年7月21日(木)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」
小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)
http://hiroakikoide.wordpress.com/
(その部分だけ抜粋)
(千葉「半減期が8日のヨウ素131などは、とっくに不検出になっているはずなんですが、東京都下水道局が発表している下水の脱水汚泥中の放射性物質はセシウムだけではなく、いまだにヨウ素131が検出されています。これはいったいなぜなのでしょうか。教えてください。という質問です」)
小出「えー。問題はヨウ素だけの濃度を見るのではなくてセシウムとの比を見たほうがいいと思います。」
(千葉「セシウムとの比……」)
小出「比です。」
(千葉「比べてみるということですね」)
小出「そうです。もともとのは事故が起きた当初は、ヨウ素はセシウムの10倍くらいありました。それで今、そうですね…130日くらい経っているでしょうか。そうすると半減期の10倍から15倍くらい経っていると思いますが。そうすると1000分の1にはもちろんなってるし、3万分の1位にはなってると思います。ヨウ素がですね。ですからもともと10倍、セシウムの10倍あったわけですが、それが3万分の1になったとすると、セシウムの3000分の1くらいのヨウ素が存在していることは、もちろんありうるのです。」
(千葉「はーはーはー。半減に半減を繰り返して」)
小出:そうです。???なっているわけではないので。それで下水の汚泥にはものすごい濃度の放射性物質、ヨウ素もそうです、セシウムも含まれてきますので。ヨウ素ががまだ残っていたとしてもそれは不思議ではありません。だからセシウムとの比をとって考えてみたほうがいいと思います。
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■飛灰の放射能濃度測定結果
測定機関:中外テクノス 株式会社
測定方法:緊急時における食品の放射能測定マニュアル
(平成14年3月、厚生労働省医薬局食品保健部監視安全課)
※1 使用測定器 : 仏キャンベラ社製 ゲルマニウム半導体検出器 7500SL
※2 「-」の工場は、定期補修工事等により測定していません。
※3 放射性物質を含む焼却灰及び飛灰の埋立てについては、6月28日付けの環境省からの通知により8,000Bq/kgを基準に管理することとなっています。その後、7月2日付けの環境省からの追加説明により、飛灰についての基準は、今後は実際に埋め立てられる飛灰処理汚泥(飛灰を薬剤処理したもの)に対して適用されることとなりました。また、飛灰については、参考のため測定を行います。
※グラフ「焼却灰等の放射能濃度測定結果」より作成
■飛灰処理汚泥の放射能濃度測定結果
測定機関:中外テクノス 株式会社
測定方法:緊急時における食品の放射能測定マニュアル
(平成14年3月、厚生労働省医薬局食品保健部監視安全課)
※1 使用測定器 : 仏キャンベラ社製 ゲルマニウム半導体検出器 7500SL
※2 「-」の工場は、定期補修工事等により測定していません。
※3 他工場で飛灰の処理を行っているため測定していません。
※4 放射性物質を含む焼却灰及び飛灰の埋立てについては、6月28日付けの環境省からの通知により8,000Bq/kgを基準に管理することとなっています。その後、7月2日付けの環境省からの追加説明により、飛灰についての基準は、今後は実際に埋め立てられる飛灰処理汚泥(飛灰を薬剤処理したもの)に対して適用されることとなりました。また、飛灰については、参考のため測定を行います。
※グラフ「焼却灰等の放射能濃度測定結果」より作成
■汚水処理汚泥の放射能濃度測定結果
測定機関:中外テクノス 株式会社
測定方法:緊急時における食品の放射能測定マニュアル
(平成14年3月、厚生労働省医薬局食品保健部監視安全課)
葛飾清掃工場 試料採取日:7月11日
放射性ヨウ素131:不検出
放射性セシウム134:256Bq/kg
放射性セシウム137:262Bq/kg
放射性セシウム合計:518Bq/kg
江戸川清掃工場 試料採取日:7月5日
放射性ヨウ素131:不検出
放射性セシウム134:72Bq/kg
放射性セシウム137:74Bq/kg
放射性セシウム合計:146Bq/kg
他の工場は、放射性セシウム合計100Bq/kg以下
■排ガスの放射能濃度測定結果
測定機関:中外テクノス 株式会社
測定方法:緊急時における食品の放射能測定マニュアル
(平成14年3月、厚生労働省医薬局食品保健部監視安全課)
江戸川、板橋、光が丘はヨウ素、セシウムともに全て不検出
港、品川、目黒、大田、千歳、板橋、光が丘、新江東、足立、葛飾、破砕ごみは分析中。
後の工場は、7月下旬採取予定となっている。
すべて不検出ではあるが、はたして検出限界の数値はいくつなのか?
測定結果のうち、いちばん少ない値が「汚水処理汚泥」で11Bq/kgとあるので、11ベクレルよりは少ないのは確実であろうが~
ちなみに、溶融飛灰で7万ベクレルを超した柏市の排ガス測定
島津テクノリサーチで、円筒ろ紙、ドレン部、活性炭フィルターを測定してやはりすべて「不検出」(検出限界0.5~1.0Bq/m3)となっていた。
■放流水の放射能濃度測定結果
全ての工場で、ヨウ素、セシウムともに不検出
■空間放射線量率測定結果
測定機関:一般社団法人 日本海事検定協会
有明清掃工場 測定日:7月7日
敷地境界(東・西・南・北)/工場内灰処理設備等
0.19μSv/h・0.17μSv/h・0.17μSv/h・0.14μSv/h/0.05~1.05μSv/h
足立清掃工場 測定日:7月4日
敷地境界(東・西・南・北)/工場内灰処理設備等
0.21μSv/h・0.19μSv/h・0.17μSv/h・0.19μSv/h/0.05~1.05μSv/h
葛飾清掃工場(7月下旬測定予定)
江戸川清掃工場 測定日:7月4日
敷地境界(東・西・南・北)/工場内灰処理設備等
0.24μSv/h・0.22μSv/h・0.21μSv/h・0.24μSv/h/0.04~0.95μSv/h
他の工場は、低めではあるが、前回より高くなっているところもあり~
■放射線量等についてよくいただく質問と回答
(一部抜粋)
Q3.特に飛灰の放射能が高いのはなぜですか
A3.ごみに含まれるセシウムは、焼却に伴い飛灰側にも主灰側にも同じように移動します。しかし、焼却時には飛灰よりも主灰の方が多く発生することから、相対的に飛灰中の放射性セシウム濃度が高くなったものと考えています。
(エ、、単純にそういうことなの~)
Q5.一時保管はどのように行うのですか
A5.国の示した方針に従い、東京都環境局が管理している最終処分場に保管します。
保管場所には水を通しにくいベントナイトで30㎝の隔離層を設けます。次に、灰を封入した耐水性の袋を置き、その上を遮水シートで覆います。さらに、即日、その上から覆土します。
「ベントナイト」がわからないので検索してみたら:粘土鉱物モンモリロナイトを主成分として、石英、α-クリストバライト、オパールなどの珪酸鉱物を副成分として、長石、マイカ、ゼオライトなどの珪酸塩鉱物、カルサイト、ドロマイト、ジプサムなどの炭酸塩鉱物や硫酸塩鉱物、さらにパイライトなどの硫化鉱物を随伴する弱アルカリ性粘土岩の名称であります。
Q6.排ガス中の放射能はどのように測るのですか
A6.排ガスに含まれる放射性物質は、粒子またはガスの状態で存在しています。
粒子状のものについては微細な粒子まで捕捉できるフィルターで捕集します。また、水溶性のガス状物質は捕集水に吸収させ、その他のガス状物質は活性炭に吸着させて捕集します。
さらに、捕集された3つの試料をそれぞれ測定し、合計値を結果とします。
現在、廃棄物焼却炉の排ガスについての公式な測定方法は定められていませんが、当組合では、廃棄物資源循環学会「災害廃棄物対策・復興タスクチーム」の方法を参考に測定を実施しました。
Q9.測定の頻度は
A9.各項目の測定頻度は次のとおりです。
(1)放射能濃度測定
飛灰、飛灰処理汚泥 ・・・・・・・・・・ 1回/2週
主灰、汚水処理汚泥、放流水 ・・・・・・ 1回/月
排ガス ・・・・・・・・・・・・・・・・ 1回/2月
(2)放射線量率測定
敷地境界、工場内灰処理設備等 ・・・・・ 1回/2週
当組合では、今後も測定を継続し、放射性物質による汚染状況を確認していきます。
詳細は:http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/topics/data/hodo-230721.pdf
専門的なこともわからずに、いろいろやたらと気になることはでてくるのだが、とりあえずは、煙突から出ていないことの確認ができればひとまずよかった。素人にはその程度しか追っていけないので。あとは、清掃工場内での安全管理に十分に配慮をしてほしい。周辺住民や、遠く離れている人々でさえ、大変な不安があるのだから、そこで働く職員の不安は大変なものだろう。灰の運搬・埋立の安全性の確保も十分に行ってほしい。
福島原発事故以来、本当に世界は変わってしまったのだ。どこもかしこも放射能だらけ、一見普通に生活しているだけで、下水処理施設も、ごみ処理施設にも、こんなに放射能が集まってしまって。下水も、ごみも、処理しないで溜めておくことはできない。身の回りに薄めて漂わせておくより、少しでも集めて、一定の場所にできるだけ危険のないように隔離したほうがいいのだろうが。というよりなにより、一方的に日常処理の中に入ってくるのだから、選択の余地もないのだが。みんな原子力政策の被害者なのである。とりあえず~
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