乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

オネーギンの恋文

2006年07月23日 | 映画

     オネーギンの恋文





          映像美    ★★★★★+★

          満足度    ★★★☆☆

          感動度    ★★☆☆☆

          



          監督   マーサ・ファインズ

          1999年 イギリス 106分


          キャスト
               レイフ・ファインズ
               リヴ・タイラー
               トビー・スティーヴンス
               レナ・ヘディ
               マーティン・ドノヴァン
               アラン・アームストロング   他





 ロシアの文豪プーシキンの私小説を映画化した文芸ロマンス。

 ロシアの風景や室内、女性の美しさはレンブラントを思わせる。

 色彩は重厚で構図もぴったりと決まり、まさしく名画の一場面の連続をコマ送りに見ているような感じがいたしました。

 私はこの映画を見ながら、先日大阪で開催された『プーシキン美術展』の好きだった絵の数々を思い浮かべていました。

 あれだけの名画を集めたロシアの文豪プーシキンの財力は素晴らしく偉大なものなのですね…

 一度行ってみたいなぁ…





 ペテルブルグの社交界で空虚な日々を送るオネーギンは、伯父の死による遺産相続のため田舎へ行く。

 彼はそこで隣人の美しい娘タチアナに惚れる。

 彼女も彼の知性と紳士的行動と美しい容姿にひかれ、告白の恋文を送る

 だが…

 オネーギンは愛するがゆえ不幸な前途を悲観して彼女を退け、津敵生活の身を送りたいと思う自分に抑制する。


 


 一方友人のフィアンセであるタチアナの妹の自信と虚栄心に満ち溢れるが故の内面に秘めたみだらな隠された正確を見抜く。

 オネーギンは友人への思いやりから忠告する。

 友人も一時フィアンセの性格的恥部を疑うのだが、フィアンセの甘い言葉にとろけてしまい自分を見失う。

 友人は正式にオネーギンに決闘を申し込む。







 タチアナはその瞬間を見てしまい、泣き崩れ家路に向かい母と妹とともに泣き崩れる

 このひと時の間、音声は完全に無音。

 決闘前にはゆっくりでいつもとつい合う動き方で右回りだった水車は、決闘後回転は速くなり、左回りに変わる。

 まるで彼の人生が狂い始めた瞬間のように…

 相手から望んできた正式な決闘ではあるが、その友人を射殺してしまい、オネーギンは当地を立ち去る。

 二人は完全に引き裂かれてしまう。





 六年後…




 ペテルブルクに戻ったオネーギンは、舞踏会の会場で美しいレディに出会う。

 タチアナであった。





 皮肉にも彼女はオネーギンの従兄の妻となっていた。

 衝撃を受け苦悩するオネーギン。

 日増しにかのきょに対する思いは彼の中で多くな存在となってしまう。

 六年間大切に肌身離さず持ち歩いていら彼女からの手紙。

 彼は遅すぎた恋文をしたためる。




「うそでもいいから愛しているといってくれ。」
「愛してるは…でも今となってはもう遅すぎるのよ。私は伯爵の妻として、貞操を守り続けるは…」

 二人が互いに抱き合い、自分たちの運命の定めをうらみながら、泣き崩れる。

 オネーギンの思いは果たされることもなく、タチアナも苦しむ。




 人生の目的を失ったオネーギンは朦朧とした面持ちで、凍て付く真冬の街をさまよい歩く・・・






 話はかなりわかりやすく単純といえるかもしれない。

 一言にいえば美しい恋愛絵物語。





 ただこの映画はロシアといった国の各地位に対する重圧なども見事に描いている。
 貧富の差や都会と田舎、各自の価値観の違い…

 知的生活を描き求める文豪プーシキンのる層と現実の羽佐間の中で、見事に水車のように歯車が狂い始めた一個の人生を明確に描いた映画といえるのではないでしょうか。






 この映画は初めにも少し触れましたように、映像の美しさという点ではは目を見張るものがあり、結構好きな映画でした。

 最近こういった美しい映画にめぐり合える機会が度々あり、絵画の四季な私はとても幸せです… 



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