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99:『大江山絵巻―チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵』 (甦る絵巻・絵本) 影印(7枚)
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『大江山絵巻―チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵』
甦る絵巻・絵本 [大型本]
石黒吉次郎・志村有弘 解説
チェスター・ビーティー・ライブラリィ 監訳
勉誠出版
2006/10
179ページ 定価 18,900円 (本体18,000円)
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目次
大江山絵巻
書誌・凡例
上巻
中巻
下巻
現代語訳・解説
現代語訳 大江山物語/石黒吉次郎
解題/石黒吉次郎
『大江山絵巻』の物語世界/志村有弘
The Tale of Oeyama
Commentary
The World of the Oeyama Picture Scrolls
勉誠出版データーベースより ▼
源頼光ら四天王が酒呑童子を退治する一部始終を描いた『大江山物語』を極彩色の奈良絵とともに綴った在外貴重絵巻をフルカラーで影印。
物語理解を助ける釈文・現代語訳・解説を収載。また、CLB監修による英訳を附した。
上巻 詞書一
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清明七日七夜おこなひて………大江山………頼光を召されたり………。
上巻 詞書三
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頼光勅を受けて………八幡の宮に参り,三日三夜籠り………。
中巻 詞書三
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頼光、綱
酒呑童子の芽を欺くために,酒(都の女の血)を飲み、肉(都の女のししむら)を切って食べる。
「後辺達は酒もさかなも心地よくまいりつるかな」
とて、しらけたるていなりけり
酒呑童子、斧どもは眼力が効くが、帽子甲にて表情を隠せた。
この後酒呑童子たちに毒酒を飲ませる。
下巻 詞書一
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毒酒で酔いつぶれ大鬼の姿に戻った酒呑童子の首を頼光は三刀目で打ち切る。
胴についてはいない酒呑童子の首は、頼光の頭にかぶりつく。だが帽子甲で助かる。
都の女三十四人とともに 酒呑童子の首などを持ち生け捕りの鬼をを引き連れ,都に帰る………。
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先々週の金曜日に『俵藤太物語絵巻―チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵』 (甦る絵巻・絵本) 影印と『大江山絵巻―チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵』をお借りし、ほぼ脇目も振らずに読み続け、本日ようやく読了。
とても面白かった。
『大江山絵巻―チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵』の詞書は『俵藤太物語絵巻』に比べて感じが多く,時も小さく、初心者のわたくしには読みづらい。
まずは巻末の現代語訳と解説を丹念に読み,それから 影印を読み,わからない漢字は影印下の説明を見つつ、ゆっくりと読み進むことにした。
絵はチェスター・ビーティー・ライブラリィで修正されているらしいが、もともとはっきりとした色合いだという。
デッサン力に長け、怖い話しなのに鬼の表情などコミカルだ。
頼光らが勅を受けている時、中には
「難儀なことをいうなぁ」
という表情が見られたり、毒手を次いでいる最中に支度ができた者は旅支度を終え行く先を指さして見つめていたり…
酒呑童子が毒手で横になり女達十人に体をさすらせている時,一人の女だけは鬼の指先に自分の指を触れ重ねてみたり…それを見て笑う女がいたり…。
とにかく表情が豊
それを助長するのが、「人差し指」この絵巻物では,何かを指さして,視線をそちらに向けるといった手法が多用されている。
『大江山絵巻―チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵』は物語性が細やかに仕立てられた絵巻のように感じる。
また 『大江山絵巻―チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵』を見て読んでいると,音が聞こえてくる。
それは法螺貝であったり船の上の男が吹く笛の音であったり…
波のせせらぎや滝や梢や鳥…こんなに景色の音が出てくる絵巻物はわたしは初めて見たが,不思議なことに酒呑童子が出てきてからは意図的にかえられた絵の描き方の違いで、音はぴったりと止まる。
鬼が出てくると音に変わり、酒や血の生臭さや鬼どもの体臭まで匂って来るから不思議。
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見方もわからずわたしなりに楽しんでいるのだが、絵巻物はおもしろいなぁ~とつくづく思う。
大江山も興味深いので次は絵巻ではないが九州大学所蔵一般公開の『しゅてんどうじ』でも読もうかな…。
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