乱鳥の書きなぐり

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日記  プーシキン美術館展を観る

2006-04-25 | 美術・文様・展示物
日記



   プーシキン美術館展を観る



ルノワールやセザンヌ、マティスやモネ、ボナールやピサロ・・・

書き上げればきりがない。

ロシアから持ち出し可能な中での、厳選の五十作品。

ロシアの意気込みが伝わる作品群であった。

またルーブル美術館と同じく、
ロシアのプーシキン美術館でも
『出品リスト』が出されているのであろうか・・・・

プーシキン美術館展(大阪)でも置かれていた。

ただ、ルーブル(フランス)のように薄い紙質ではなく、
かなりしっかりとしたA4サイズの紙に裏表印刷されていた。


『出品リスト』があると、気持ち的にゆっくりと作品と対話できる。



こういった心憎いほどの心使いは、
日本でもどんどん取り入れて欲しいものである。

なお、先日まで開催されていた『ルーブル展』(京都)でも、
同様に『出品リスト』を渡しておられた。






    プーシキン美術館展作品感想




       【印象主義】


『パリ、オペラ座の舞踏会』 (ジャン=ルイ・フォラン) 

 赤と黒のこなれた色彩が心憎いばかりに上品。



     【セザンヌと新印象派】

『池にかかる橋』 (ポール・セザンヌ)

 セザンヌは緑の中の緑、影の中の影の描き方が上手い。

 構図もほとんどの作品が風邪や空間を感じさせる。

 そのため、くるくると視線が画面をすべり、いつまでも見入ってしまう。

 この作品も、水面が揺れう動いていた。



      【象徴主義】

『船曳き』 (リュシアン・シモン)

 今日一番に収穫。

 素晴らしい。

 私は離れられる限り作品から離れて、この作品を見ていた。

 漁師の顔、腕、肩、脚・・

 あらゆる筋肉に力を加え、三人の男は船を曳いていた。

 右画面は海。

 海の向こうには月・・・


 私は右に動き、左に動き・・・

 前に行き、後ろに移動して『船曳き』を見つめていた。

 不思議なことに私が立つ場所を移動すると、海に輝く光はきらきらと揺れる。

 水面の輝きは波うち、光の反射は色彩さえも変化させてくれた。

 この作品に出会えて、良かった・・・・


『刑務所の中庭』 (ファンセント・ファン・ゴッホ)

 色も構図も好きだった。

 囚人たちの進行方向と、リズムのついた右上四個の窓が面白さを深くしている。

 ゴッホの不安定な精神状態を強調しているかのように感じた。

 重厚な一作品。



     【ナビ派とアンティミスト】

『室内』(エドゥアール・ヴュイヤール)

 緑使いと布質感か良い。

 ゴブラン織りが見事に表現されていた。



『洗面台の鏡』 (ピエール・ボナール)

 遠近感をかがみによって、上手く表現していた。

 ただ鏡の中にうつった女のヒップあたりが鏡から飛び出していたのは・・・惜しい。


『画家の妻・・・』『ポリフェモス』 (モーリス・ドニ)

この画家はコーラルレッドが特徴



     【マティスとフォービズム】

 ここの作品群は好きなものが多かった。

 ひとこと・・・

 素晴らしい・・・



     【ピカソとキュウビズム】

『小川』 (モーリス・ド・ヴラマンク)

 渦巻くようなダイナミックな筆使い。

 油(テレピンなど)は少ない目。

 たぶんチュウブから出した絵の具にほとんど油を加えていない。

 この作品は『ホワイト』の使い方が特徴的で、白によって水面の輝きを表現。

 遠くから見ると、油を加えたように艶があるが、近づくと絵面がカサカサしている。

 この快い裏切られ方は、快感さえ覚える。



 同じくモーリス・ド・ヴラマンクの作品『マルティーグの松林』

この作品も緑が美しい。


 モーリス・ド・ヴラマンク派セザンヌの影響を受けていることは上の二作品で充分に感じ取れた。


 ただ どの程度の影響を受けたかを確かめたくて、セザンヌ作品を再度観ることにした。


 モーリス・ド・ヴラマンクも彼らしい作品であったが・・・

 セザンヌはやり・・・セザンヌ^^だった。

 みごと!



         2006/02/22

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