『神饌』考 2
喜吉祭神饌「百味の御食」 /談山神社(たんざんじんじゃ)
『神饌』考 1 では『神饌』の別名や奈良の談山神社のご住職とお話ししたことを記録した。
上写真は 『果実盛御供』。木の実や野菜など山や里の幸の中の一つである。ほおずきや木の実やムカゴや松ぼっくりやざくろ。
作り始めるのは祭りに三日前であることは1でも書いた。
作り方は、
1 神饌台の竹串に茗荷葉の束を麻緒で固く縛る。
2 円柱形に作り芯にし、それに木の実をつけた竹ひごを刺す。
だそうだ。
この祭りは談山神社では江戸時代は「百味の御食」という名のとおり、百種以上の御饌があったという。現在は10月に集められるものを神饌として選んでいるようす。
神饌は神に捧げた後、村人が食べる場合が多いという。神のお下がりを食べることにより、五穀豊穣や子孫繁栄を祈願する人部との心が感じられる。また、山に返す場合と海に返す場合と土に返す場合などもあるという。奈良の談山神社では一年間飾った後に土に返すという。
ここで面白いのが、私が直接ご住職からお聴きした話。
「生ものですから、腐りますのや。腐りましたら、ほかしていきまのや。それで、今はだいぶ数が減っています。初めはもっとぎょうさん、ありましたんや。」
(奈良弁がわからないので、方言が間違っていると思います。)
ほほう。確かに。私が見た日にも、陳列台の中に、かびたものも一、二ありました。その白き糸は美しく、私は神様のお心のように感じていたのでした。
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