「此処に置かして頂戴よ。まあ、お酒の香がしてねえ、」と手を放すと、
揺々となる矢車草より、薫ばかりも玉に染む、顔酔いて桃に似たり。
もう、選びきれず抜粋するのが厳しい!ほど、名文美文盛りだくさん。装いの描写など、想像力を駆使
するも、自分の知識が足りず悔しいです!状態・・・と、話の内容よりも文体の美しさに酔いしれた小説
であった。かといって、浅学の斜め読みにて100%理解できているかは不明なのである。
鏡花の『婦系図』といえば「切れろ別れろは芸者のときにいう言葉」などがイメージされるが、実はこ
れは舞台用に脚色されたもので、本文には出てこないというのも初めて知った。なんというか、すべてに
おいて前時代的で、ストーリー的には共感の間もなく(お蔦さんは可哀想だったけど)、あらあらまあま
あなんということ!という感じで進んでいって、解せん!ということも多々あるのだが、表現の美しさを
愛でるだけでうっとり・・・でもって、同時進行で読んでいた『ざぶん』に描かれる鏡花の人となりとま
ったく重ならず、なんだか不可思議な読書体験であった。
揺々となる矢車草より、薫ばかりも玉に染む、顔酔いて桃に似たり。
もう、選びきれず抜粋するのが厳しい!ほど、名文美文盛りだくさん。装いの描写など、想像力を駆使
するも、自分の知識が足りず悔しいです!状態・・・と、話の内容よりも文体の美しさに酔いしれた小説
であった。かといって、浅学の斜め読みにて100%理解できているかは不明なのである。
鏡花の『婦系図』といえば「切れろ別れろは芸者のときにいう言葉」などがイメージされるが、実はこ
れは舞台用に脚色されたもので、本文には出てこないというのも初めて知った。なんというか、すべてに
おいて前時代的で、ストーリー的には共感の間もなく(お蔦さんは可哀想だったけど)、あらあらまあま
あなんということ!という感じで進んでいって、解せん!ということも多々あるのだが、表現の美しさを
愛でるだけでうっとり・・・でもって、同時進行で読んでいた『ざぶん』に描かれる鏡花の人となりとま
ったく重ならず、なんだか不可思議な読書体験であった。