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flexaret Ⅳのレストア、セルフタイマーユニット復活!

2008年02月12日 00時14分34秒 | flexaret Ⅳ レストア
※flexaret Ⅳのレストアについてのまとめはflexaret Ⅳのレストア、まとめにあります。

先日シャッターをカメラに取り付け、試し撮り一本を終えたところです。試し撮りの結果はまた後日として、今回は、セルフタイマーユニットです。内容は以下の通りです。

1.はじめに
2.セルフタイマーの仕組み
3.調節の要点と作戦
4.成功
5.ところで

長々しいので、「4.成功」から読むといいと思います。言ってみれば、他は「4.成功」の補足のようなものです。




1.はじめに

セルフタイマーユニットを取り付けておくとシャッターに不具合があり、そのため、昨日まではセルフタイマーなしの状態にしてありました。しかし、怜さんのブログでの怜さんのセルフタイマー取り付け成功例を見て触発され、取り付けに再挑戦することにしました。ちなみに、不具合の状況は次の写真のように、セルフタイマーユニットが動ききっても、シャッター羽を動かしている輪から出ている爪がセルフタイマーにぶつかったままになりシャッターが切れないというものでした。



解決策として、この爪がセルフタイマーにぶつからないところまで動くようにすればいいわけです。ところで、今回の私は、ニコイチ(二つのカメラから一台のちゃんと動くカメラを組み立てること)です。見過ごしはあるものですね。セルフタイマーユニットが二つあるのですが、以前取り付けたほうは、最後まで動いても、セルフタイマーの上に乗っている爪を押さえる部分とセルタイマーユニットの他の部品との間に隙間が出来るのですが、もう一方はこの隙間ができない。上に載せた写真には隙間があります。ところが、もう一方のユニットは最後まで動くとこの隙間がなくなる。これは!今日まで気付きませんでした。というわけで、隙間がなくなる方のユニットをベースにして、作業開始です。なぜ、一方のユニットは隙間がなくならないのかは、明日以降、実験して確かめたいと思います。理由がわかり次第、追記か新しい記事の形で報告いたします。




2.セルフタイマーの仕組み

まずは、セルフタイマーの仕組みについて簡単に説明です。



チャージの際に、チャージレバーの上にある突起「1」の矢印の方向に動き、これにセルフタイマーから延びているアームが押されます。それに連動して、「2」のところの連結部が、矢印の方向に動きます。さらに、それに連動して、「3」のところの黄金色の部品が矢印の方向に動き、先に触れたシャッター羽を動かしている輪から出ている爪がシャッターを切っても、一定以上動かないようになる位置に出てきます。

つまり、チャージの際の人力をセルフタイマーの準備へと連動させる仕組みになっています。

しかし、動かした金具を一定の位置で止めておいて、シャッターを切るとそれが動くようにしなければなりません。その仕組みは怜さんが怜さんのブログで報告されています。怜さんのブログが、とても参考になりました。セルフタイマーが勝手に動かないようにしているのは次の写真の金具と、それからギアから出ている突起です。



このようにギアが動かないように金具が固定しているから、セルフタイマーがシャッターを切るまで動かなくなっています。



動かないように止められたギアが動くのは、この写真の「1」の部品がシャッターを切ると、シャッター羽を動かしている輪から出ている爪が押します。それによって、「2」のように、金具が押され、ギアが開放されます。そして、後は、セルフタイマーユニットに引っ掛けてあるバネの力でセルフタイマーが動いていきます。この酔うな仕組みでPRONTOR-SVSのセルフタイマーは出来ています。ちなみに、セルフタイマーを切ってある時も、チャージ時のセルフタイマーの動きは同じです。しかし、可動式のギアがあり、それが、外れることで、セルフタイマーのギアに抵抗を与えている部品からの抵抗がなくなり、セルフタイマーユニットが瞬時にバネの力で動ききった状態になる仕組みです。




3.調節の要点と作戦

怜さんのブログの二番煎じになりますが、セルフターマーの仕組みで書いたセルフタイマーをチャージによって準備した状態のまま止めておく金具とギアの突起との関係が不具合を起こしていたセルフタイマーを直す鍵でした。



金具がギアを動かないようにしている将にその状態が矢印のところです。この突起はセルフタイマーの可動範囲の一杯一杯まで動かすと約一周します。何が要点かというと、この突起がチャージの際にうまく金具にかかってセルフタイマーの動きが止まること、また、セルフタイマーが動けるところまで動く前に突起が金具に引っかからないこと、この二点です。

以前、セルフタイマーが動ききってもシャッター羽を動かしている輪から出ている爪がセルフタイマーにぶつかっていて動かなかった私としては、ちゃんとセルフタイマーが爪とぶつからないように動けるところまで動いてくれることが肝要でした。そこで、最初は、最後まで動ききった状態を基点に考えました。



手動でセルフタイマーユニットを動かし、その状態で蓋を外し、一番上の変な形をしたギアの写真向かって下から何個目と何個目の溝が隣のギアを噛んでいるかを記録しました。矢印の箇所がそれです。その変な形をしたギアの隣のギアの突起が金具にかかっている状態、かつ、一番上のギアがセルフタイマーの一番動ききったときの状態になるようにしました。つまり、上の写真の状態です。こうすれば、問題なく動くところまで動くだろうと。




4.成功

しかし、これでは上手く行きませんでした。シャッターユニットに取り付けたのですが、チャージ時に金具が突起を動かなくするところまで、ギアが回ってくれませんでした。そこで作戦変更です。チャージして金具がギアの突起にかかる限界の位置にギアを調整することにしました。チャージして、セルフタイマー内のギアの突起がどこまで動いたかを目視で確認し、セルフタイマーユニットを取り外し、確認した状態を手動で再現。再現された状態のまま、蓋を開け一番上のギアの位置を確認。一番上のギアがそのままの状態で、かつ、隣のギアの突起が金具にかかる状態にギアを組み直しました。その時の状態が次の写真のものです。矢印で示した箇所がそれで、一番上の変な形のギアの向かって上から3つめと4つめの部分が隣のギアを噛んでいます。



しかし、これで取り付けてみたところ、チャージの際の、後もう少しで金具が突起にかかるのにってところまでしか回りませんでした。けれども、セルフタイマーが動ききるところまで動ききってはいました。こうなったら、一番上のギアの位置を一つずつ変えて試すしかありません。そうして試してみたら、成功しました。それが次の写真の状態です。



矢印の箇所ですが、一番上の変な形のギアの3つめと4つめではなく、4つめと5つめが隣のギアを噛んでいます。これで成功したわけで、つまり、私のシャッターのチャージしてセルフタイマーが準備された状態で止まる、一方の側のぎりぎりの位置です。チャージすると、若干セルフタイマーはバネの力で動きますが、すぐにギアの突起が金具に抑えられるので、止まります。

こうして、めでたくセルフタイマーが復活しました!怜さんに感謝申し上げます。

この記事の二枚目の写真に示したところですが、現状では次の写真のようになっています。



「1」の部品が、シャッター羽を回している輪から出ている爪です。この爪、セルフタイマーが動ききってもまだ、セルフタイマーに若干ぶつかっていたので、マイナスドライバー二本を用いて、セルフタイマー側の上まで伸びている部分についてはシャッターユニット内側の方へ、スローガバナーの下の隠れている部分についてはシャッターユニットの外側の方へ、同時に力をかけて形を調節しました。そのため、「2」のように、セルフタイマーが動ききった状態で、セルフタイマーとの間に隙間が出来るようになりました。セルフタイマーが可動範囲の限界まで動ききってくれているのは、「3」ので示したところに隙間がないことが証しています。




5.ところで



今回は、既にカメラを組み立てた後で、前板はずしてシャッターユニット外してなんてするまでもないだろうし、試し撮りの結果がよかったとしても、また調整のために試し撮りが必要になるだろうから、前側だけ開けて作業をしました。ネジがヘリコイドの方まで落ちたりしないかと気をつかいました。ネジが一つどこかに行って、机の下を捜索しても見つからない。ふとカメラの中に落ちたのかと思って、flexaretを見ると、シャッターユニットの周りの溝の上に落ちかかりながらはまっていたなんてことが今回ありました。無事、取り付けが終わってほっとしてます。

埃が大量に入ってブロアーで飛ばそうなんて考えても逆に飛ばした埃が後玉の方にたまりかねない。ほっと一息です。


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2 コメント

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復活おめでとうございます! ()
2008-02-12 20:56:19
よかったですね~。
おめでとうございます。

セルフタイマー、私は割と使うんです。
三脚+レリーズという撮影スタイルなので、レリーズを忘れたり、付ける時間が惜しい時なんかよく使ってます。

いつもながら詳細な説明で、とてもわかりやすいです。
お疲れ様でした。

※実は、今度はシャッター羽に難題が発生しました。
 自力解決してみます。私の日記でぼちぼち報告します。
 しかしこのシャターよく泣かせてくれますよね。笑
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Unknown (uragyoku)
2008-02-12 23:52:26
ありがとうございます!

確かに、このシャッター、一つ上手くいったら、今度は他のところに不具合が…ってことが何回もありました。怜さんの成功をお祈りいたします!
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