お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

効果てきめんのクロコダイル・ララバイ

2010-01-19 | about 英語の絵本

Lyle, Lyle, Crocodile

"Lyle, Lyle, Crocodile(ワニのライル)"は読み聞かせテープが威力を発揮する絵本です。なによりもまず、この絵本がかなり"長い"物語だということをお伝えしなければなりません。実は約50ページ。「え~!!」という叫び声が聞こえそうですね。

親にとっては、仕事の後で、さらに家事の後で迎える子どものベッドタイムです。やれやれ、やっと寝てくれる‥‥と思いつつ、気力をふり絞ってにっこりし「今日は何読もうか?」と聞いたら、「これ!」と満面の笑みで差し出された本が50ページ!‥‥。お気持ち、わかります。

ですから、ね?テープがあったら、嬉しいですよね?そうなんです!

バーナード・ウェーバー(Bernard Waber)が書いた"Lyle, Lyle, Crocodile"は、1965年に刊行された絵本ですが、実は、1962年に刊行された"The House on East 88th Street(88丁目の家)"の続編として書かれた作品です。舞台はマンハッタン。主人公は人間の家族(プリムス一家)と一緒にニューヨークのミッドタウンに住んでいるワニのライルです。

お話は、ライルがプリムス夫人と一緒に買い物に行くところから始まります。二人はご近所のガンプスさんと彼の飼い猫のロレッタに行きあいます。ところが、困ったことにガンプスさんの猫はライルを見てすっかり怯えてしまいました‥‥。ライルは一生懸命に努力しますが、ガンプスさんもロレッタもわかってくれません。ついにライルは動物園に送りこまれてしまいます。

さぁ、困りました‥‥。

その後は読んでのお楽しみ‥‥ですが、ある出来事がきかっけでライルはガンプスさんに認められるところとなり、その後は無事88丁目の家に住めることになりました‥‥というハッピーエンディングです。

あらすじだけ書くと、ありきたりのストーリーに聞こえてしまいそうですが、ウェーバーのユーモアいっぱいの文章は、読む楽しみを倍加させます。

はじめガンプスさんはかなり頑固で意地悪。主人公のライルはいい子なのに、努力の甲斐なくひどい目にあって危機に陥ってしまいます。最後のハッピーエンディングまで、読み手をハラハラどきどきさせ続けるお話は、たくさんの絵と簡潔なテキストでテンポよく語られていき、小さな子でも飽きずに最後まで読めます。

お話がたくさんのページに分割されているので、子どもは絵を見ながらストーリーが追いやすく、読み聞かせてもらっているうちに一人で読めるようになるのに時間がかかりません。各ページの分量も一人で読むのに無理がない長さなので、最初から一人で読むお子さんにもきっと楽に読める思います。その意味で、この本は絵本と物語の橋渡しにもぴったり。絵本なのに50ページ!には、作者の積極的な意図が隠されているのではないかしら?

どんな読者にも読み聞かせテープが威力を発揮します。親にとっては「ちょっと疲れたなぁ、読み聞かせる気力がわかないなぁ」というときの強い味方。一人で読み始めた子どもたちには、ページめくり音がアシスタントになって、最後まで読み通させてくれます。

ESLの親にはもちろん強い味方です!‥‥だって、Lの文字ばかりが重なるタイトルからして("Lyle, Lyle, Crocodile")すでにちょっと言いにくい、ですよね?おまけに間にRの文字まであります(LとRは私の大の苦手!)。でも、お子さんと一緒にテープを聴きながら(ひそかに?)舌をしっかり動かして練習してください。きっと、だんだんなめらかになりますよ!

ところで、私の回りでは、この本は、なぜか男性に人気。子ども時代の愛読書だったというのでお父さんが買ってきて、子どもと一緒に読み始めたお母さんがすっかりファンになったという話をよく聞きます。



コメント
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