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アメリカの夏休みは長く(なんと3か月!)、しかも宿題も登校日もないまったくの休暇。従い、以前このブログでもご紹介したように(学校の1年はたった9か月)、特に共働きのファミリーは夏休みを乗り切るのが大変です。
事情はオバマ家も同様。お嬢さん二人はとっくに夏休みというのに、ほとんど休みなく国内どころか世界中を飛び回っている大統領とファーストレディですが、さて多忙なファーストカップルの”夏休み対策”やいかに。
マリア(11歳)とサーシャ(8歳)のファーストドーターとしての最初の夏休みは、両親とのスケジュール調整をしながら、歴史を学ぶこと、コミュニティサービスをすること、健康的な食事(オーガニック野菜をたくさん食べる、とほぼ同義のようです)、そしてエクササイズも忘れずに、というプランで組み立てられているといいます。
歴史を学ぶことはいつの時代にも帝王学の基本。オバマ大統領もまたあらゆる機会をとらえて娘たちに歴史を学ばせています。ガーナ訪問の際にはCape Coast Castleを訪れ、大統領自ら、奴隷たちが船で送り出された状況を説明しました。マリアとサーシャはイタリアやロシアの公務にも同行しています。オバマ夫妻は彼女たちに「世界を直に見ることで、複雑な世界をありのまま受け入れ、考えられる人になってほしい」と期待していると言われています。
もっとも大統領夫妻が海外の公務に子どもを伴って出かけることには、当然ながら批判もあります。この不況下、コスト削減を標榜している大統領府が子どもにまでVIP待遇の海外旅行をさせるのはいかがなものか?という批判です。
さて『子どもに正しい食生活を!』のキャンペーンに伴い、オバマ家もホワイトハウスの庭で野菜を育てています。食生活を改善して肥満や慢性疾患を防ぎ、健康で長生きできるように(そして医療費をあまり使わないように!)とのキャンペーンです。イタリア旅行中、彼女たちに”果物からシャーベットを作る”体験をさせたのも「この食育の一環」とか。またコミュニティサービスのボランティアは、United We Serve!キャンペーンの陣頭指揮を執るお母さんのお手伝いすることでたくさん学んでいるようです。
気さくで愛情あふれる印象のミシェルさんですが、しかし躾が厳しいことでもよく知られています。ふたりの日課はかなり厳しく、今時まだそんな躾が可能なの?と驚くのは、ベッドタイムが早く且つ厳密に守られていること。そして夕食後から就寝までの時間以外は、テレビもコンピュータもつけてはいけないというルールです。
これは言い渡される子どももですが、実は守らせる親の方も大変だろうと思います。実際ミシェルさんも、マリアとサーシャがコンピュータにかじりついて引き離すのに苦労していると語り、「いまどきの子どもは皆そうでしょうけど、うちの娘も、もしパソコンがなかったら生きていけないと思うわ」と言っています。オバマ大統領がブラックベリーを活用して執務する最初の大統領ならば、ファーストド―ターがインターネットなしで暮らしているところなど、想像できませんものね。
ユーモアがあって造語のうまいミシェルさん、娘さんの夏休みの厳しい日課を”Camp Obama”と名付けました。なるほどCamp(日本語では強化合宿でしょうか?)であってみれば、楽しい中にも厳しいのが当たり前。ミシェルさんのかじ取りもなかなか!です。
ところで、どんなに公務をこなしても最後は母親としてどうか?と問われがちなのもファーストレディの宿命。思い出されるのは、クリントン大統領の在任中にヒラリーさんが中国での国際会議に出席したときのことです。女性問題の会議だったので娘のチェルシーさんを伴っての参加でしたが、会議の参加者や内外の新聞記者たちから「なんて躾の行き届いた素晴らしいお嬢さん!」とチェルシーさんが絶賛されました。その結果、こんなに素晴らしい子どもを育てられるヒラリーさんは素晴らしい母親であり、素晴らしい人であるに違いない、と彼女の評価が一挙にあがってニュースになりました。
どこにいても衆目を集めるファーストファミリーの夏休みは、まさに Camp Obama です。