海猫日和

色々と思うこと,見たことについてとりあえず気の赴くままに書いてみる.

アポイ岳140525

2014-05-25 | 
友人の計画に乗る形で、久々の登山に行くことにした。
場所は様似町のアポイ岳.

日曜の朝から登るというので,土曜の仕事と用事が終わった後に車を走らせ、天馬街道を抜けて登山口で車中泊。
着いたのは深夜1時であった.

アポイ岳は、標高800mそこそこながら,海から近いため霧が多く、地温が上がらず,またかんらん岩を主とした酸性がきつく森林が発達しにくい土壌のため、低標高なのに高山植物が多く,固有種も豊富である.
花の多さ、登りやすさ,道中の景色の良さ等から、登山者の人気が高い山でもある。


そうした特徴から、国立公園の特別保護地区に指定され、日本ジオパークにも登録されている.
また,この山の高山植物群落は国の特別天然記念物でもある。



早朝、雨が降っており、5時には目が覚めた.
そんな中でも、駐車場に到着する車があり,雨具装備で登りはじめる登山者が居る。

友人との合流はも少し後なので,雨が止むのを待ちつつのんびりと準備をする.
釧路ナンバーの車は珍しいらしく,他の人に声をかけられる。
その方は札幌を3時前には出てきたのだとか.

…………札幌からでも4時間程度はかかる筈なので,条件は私とあまり変わらない気もするのだが.
まあ、峠越えがない分、マシなのかもしれない。



そんなこんなで,雨もほぼ止み,友人と合流する.
実のところ、直接会うのは1年ぶりくらいになるが,まあ、そういう事もあるだろう.



入山届けを書いて,登りはじめる.

雨上がりの土の香が立つ中、のんびりと進む。
山に登るのもそうだが、主には花を探しに来たのである。


今回、森林内でよく見られたエゾオオサクラソウ。
ちょうど良い時期だったようだ。

エゾムシクイ、ツツドリなどの声を聞きつつ登る。


フデリンドウ。林床や岩陰に咲いていた。

他にアポイタチツボスミレ、ツボスミレ、フイリミヤマスミレなどを見る。


アポイタチツボスミレ。うーむ。ピンぼけ。


最初は森林地帯をしばらく歩き、道は徐々に登りになる。
途中、開削されたものの,ほぼ使われずに無かったことにされた登山道もある。

金を掛けてまで何をやっていたのだろう。
まあ、当時も今も、此処に居るわけでは無いので,あまり何かを言うのも筋が違うので止めておこうか。

道中には、シカ除けの実験とおぼしき囲いが幾つか見られた。
此処もシカが多くなっているらしい。


五合目小屋あたりから山頂方向を望む。

雨が上がり、晴れ間が出て気温も上がってきた。


ヤマツツジ


ヒロハヘビノボラズ


此処から少し周りが開け、登っていくとやがて稜線にでる。


見下ろすと、海岸線と、雲海が見える。空はすっかり晴れた。

上空をツミと思しき猛禽が飛ぶ。
オオタカにしては小さく、ハイタカにしては尾が短く見える。


アポイアズマギク

足下はだんだんと岩、砂利が多めになり、アポイアズマギク、エゾタンポポ等が見られるようになる。


稜線上に出ると、見晴らしも良くなり、色々と花も出てくる。
まだ咲いていないものもあるが、まあ、そういう事もあろうて。


サマニユキワリ

ミヤマオダマキ

ミヤマナナカマド

チングルマ


山頂に直接は向かわず、途中で幌満お花畑に寄ることにする。


山腹の林を抜けていくのだが,道中のエゾオオサクラソウ群落はなかなか見事であった。

幌満お花畑は、残念ながらあまり花は咲いていなかった。
時季を外したのか、ハイマツの侵入や盗掘、シカ等で環境が悪化したのか、或いは他の要因なのか。
そのあたりは不明である。

以前はヒダカソウという花が有名であったが、大量盗掘により、ほぼ姿を消したと云う。
今回も当然ながら、見ることはできなかった。
ヒトの業とは、何ともしがたいものである。



アポイキンバイ


チシマキンレイカ


幌満から少し急な登りを経て、山頂にたどり着く。




山頂はダケカンバに覆われ、実のところ見通しは良くない。
標高が低いところに森林限界とハイマツ帯があり、そこより上にダケカンバ林があるという、逆転現象が実に興味深い。
こういうものを天の采配とでもいうのだろうか。


少し欲張って,隣の吉田岳への山道を途中まで行ってみることにする。


天気も良く、稜線上を、続々とヒトが登ってくるのが見える。
どうやら小学生の遠足があったようで、元気に走っているものあり、ばてているものあり、様々であった。


エゾキスミレ

ヒダカイワザクラ


のんびりと花を見つつ、山頂まではおよそ4時間程度。
通常のコースタイムは3時間程度なので、割とのんびりのペースである。

が、まあ、私にはこういうペースが合っているように思う。
ピークに着くのも一つの目的ではあるが,何が見えるかというのも大事なものだ。



昼少し前に、山頂も混んできたので下山することに。

下りはやはり膝に負担がかかるが,あまりかけないように降りる。
そろそろストックを使うことを検討するべきかもしれないが、あまり好きでは無いのだ。

無事に下山したのは14時頃。
なんだかんだと、8時間弱ほど山にいたことになる。

アポイ山荘の温泉で汗を流し、様似の食堂で遅めの昼食。
その後、大学まで車をのんびりと走らせることにしたのであった。

また機会があれば、こうして山に登りたいものである。


6:40~14:00
アポイ岳:登山口~幌満お花畑~山頂~吉田岳への山道途中まで往復~下山

開花植物
アポイアズマギク、エゾキスミレ、ツボスミレ、アポイタチツボスミレ、オオバタチツボスミレ、ヒダカイワザクラ、サマニユキワリ、エゾオオサクラソウ、タカネナナカマド、センボンヤリ、チシマキンレイカ、アポイキンバイ、ヤマツツジ、ヒロハヘビノボラズ、アポイクワガタ、ミヤマオダマキ、キタヨツバシオガマ、チングルマ、フデリンドウ、エゾタカネニガナ、キジムシロ、エゾタンポポ、ツマトリソウ、ミヤマエンレイソウ、ショウジョウバカマ、オオバナノミミナグサ、キンロバイ

鳥類
ハイタカ属猛禽(おそらくツミ)、ツツドリ、キジバト、アオバト、ビンズイ、ウグイス、ヤブサメ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、キクイタダキ、シジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラ、ゴジュウカラ、キバシリ、ハシブトガラス

その他
シマリス、トカゲ類(ニホントカゲ?)

滝の上に在る川にて

2010-07-26 | 
また間が空いてしまったが,なに,気にすることはない.

そんなわけで,今日はふと思い立って雨竜沼湿原まで行ってきたという話.

何とも突発的な企画だが,なんと同行者が2人もいた.
それぞれ専門が違うのでなかなかに面白い.


登山口には8時半頃に着く.
駐車場はさほど埋まっていないが,それでも10台ほど既に止まっている.平日だが,やはり花が見ごろだからなのだろう.

入山届に記入し,環境美化協力金を払ってから出発.
なんでも数日前には此処の駐車場にクマが出たのだとか.

いつもの通りクマ鈴をつけ,後は周りをのんびり見ながら進んでいくことにする.

一人で行くよりも歩みは遅いが,其れはそれでなかなかにオツなものである.
一人では気づかないものに目が行き,それぞれが違った視点でものを見る.

ペンケペタン川に沿って登り,水音に交じるセミや鳥の声を聴く.
せせらぎではカワガラスが餌を探し,樹上からはコマドリの声が響く.

樹林ではチョウが舞い,様々な花が目に映る.
山を歩くのは久々だが,やはり良いものだ.

吊橋を渡り,標高が上がって行く.
水音が強くなり,幾度かのつづら折りを経てやがて湿原に辿り着く.

入り口で靴底を洗い,木道をつたって湿原に入って行く.

真っ先に目につくのはワタスゲやヒオウギアヤメと言ったところか.終わりかけのイワイチョウ,咲き始めのタチギボウシ,池塘に佇むウリュウコウホネやエゾベニヒツジグサ,ひっそりと花をつけるモウセンゴケ等,湿原の植物が出迎えてくれる.

トンボやチョウは暑寒別の山々から吹き下ろす風に乗り,時折飛ぶ鳥達は空に軌跡を描く.

流れに沈む水草が,その水の清らかさを現わし,風が立てる漣が池塘の岸を静かに洗っていく.

澄んだ空気に身を任せれば時の流れが緩やかになった様にも思う.
一時はそんな錯覚にも陥りつつ,湿原一周はいつの間にか過ぎていく.

下山を始めるころには太陽は疾うに中天を過ぎていた.

見られたものも,見られなかったものもある.
いずれまた来たいものだ.

8:30~14:20 南暑寒荘~雨竜沼湿原一周


マガモ,イソシギ,オオジシギ,ハリオアマツバメ,ツツドリ,キジバト,コゲラ,ヒヨドリ,カワガラス,ミソサザイ,キセキレイ,コマドリ,ノビタキ,ルリビタキ,ウグイス,ムシクイ類(地鳴きのみ),コヨシキリ,キビタキ,コガラ,アオジ,カワラヒワ

開花
タチギボウシ,ヒオウギアヤメ,カキツバタ,ネムロコウホネ,ウリュウコウホネ,エゾベニヒツジグサ,ナガボノシロワレモコウ,カラマツソウ,コバイケイソウ,エゾニュウ,アマニュウ,シロバナニガナ,ハイオトギリ,エゾノシモツケソウ,シベリアシオガマ,ヤマブキショウマ,オニシモツケ,マシケレイジンソウ,エゾアジサイ,ハクサンチドリ,ツルコケモモ,イワイチョウ,クルマユリ,ゼンテイカ,ギョウジャニンニク,クロバナハンショウヅル,コバノアザミ,ミヤマサワアザミ,コバノトンボソウ,モウセンゴケ,ミツガシワ,フキユキノシタ,ハクサンボウフウ,オオカサモチ,コガネギク,シナノキンバイ,ミヤマキンポウゲ,ホロムイイチゴ,マルバキンレイカ,ワタスゲ,ホロムイスゲ,イチヤクソウ,コオニユリ,オオウバユリ,エゾクガイソウ(一部駐車場近辺や途中の林道のものも含む)

結実
エンレイソウ,クロツリバナ,チングルマ,サンカヨウ,コバイケイソウ,イワイチョウ,ショウジョウバカマ,ヒメゴヨウイチゴ,エゾノヨツバムグラ,ミズバショウ

未開花その他
ヒメタケシマラン,フトヒルムシロ,ヒメミズニラ?,アサギリソウ,ミズドクサ

哺乳類
シマリス,イタチ類フン

虫その他
エルタテハ,シイタテハ,エゾミドリシジミ,コヒオドシヒョウモン,クジャクチョウ,カオジロトンボ,エゾカオジロトンボ,ルリボシヤンマ,コエゾトンボ,カラカネトンボ,キタイトトンボ,クロイトトンボ,ノシメトンボ,アキアカネ,フキバッタ,ハナムグリsp., ハナカミキリsp., マイマイガ,エゾマイマイ

写真は後で.

カムイおわす処

2009-09-23 | 
朝,いつものようにハルにかじられて目が覚めた.

予報の通り,天気は良いようである.



…………熟考3秒…………(3秒は熟考とは言わん)



そうだ,山に行こう(何故!)



そんなわけで,車を走らせ,一路定山渓方面へ.

目的地は百松沢.登るのは神威岳である.



定山渓の,八剣山より少し先にある山で,頂上は同様に岩壁である.ちなみに標高はだいたい2倍の983m.

9時頃に林道に着き,ゲート近くに車を止める.



準備を整え,林道を歩き出す.しばらくは林道を進む事になる.



ダム湖を脇に見て,そこから林道は沢沿いに奥へと向かう.換羽中のマガモを数羽見つけ,他の鳥を探していると白黒の大きめの塊が飛んでいくのが見えた.ヤマセミも居たようだ.

沢筋ではキセキレイ,カワガラスなどがエサを探しており,鳥を見に来ても面白そうである.また,此処はオニグルミの樹が多いようで,そこかしこに実が落ちている.エゾリスもカサカサと盛んに動いているようだ.

林道はやがて細くなり,登山道が本格的に始まる.

傾斜は,場所にもよるがきつめの処もあり,だいぶ鈍った体にはちと辛い.もう少し動くようにしなければなるまい.

ツタウルシやミズナラも多く,それを目当てにしてかカケスも多く来ているようだ.ちょうど秋.彼らの移動も始まっているのだろう.

そんな事を考えていると,カケスの風切り羽根を1枚拾った.別の処ではアオバトの風切り羽が一枚.どちらも羽軸は千切れておらず,代わりに嘴による傷が付いていた.こんな樹林の中ならハイタカだろうか.それともオオタカか.付近に他の羽は落ちていなかったので,細かい事はわからない.



そんな事を思いつつ,斜度が増す登山道を進む.折れ曲がり,時に降りてまた上り,高度は徐々に上がっていく.頂上が少しずつ近づいてくる.





今度はハシブトガラのものと思われる体羽と風切りが見つかる.とりあえず猛禽の調理場が登山道沿いにあるらしい.木々の隙間は空いているので,使いやすいのだろうか.風通しも良く,登っていて汗をかいても不快感はあまり無い.



そんなこんなで登りだしてから3時間弱.頂上に到着である.



天気は快晴で,遠くの山々まではっきりと見える.特徴的な天狗岳(定天),無意根山.なだらかな空沼岳.その隣の札幌岳.頂上の電波塔が目立つ手稲山.頂上にもそこそこ樹があり,景色は隙間から眺める形になるが,なかなかいい眺めである.



紅葉はまだ進んでいないようで,ツタウルシやオオカメノキ等が少し染まったくらいである.まあ,時季としてはもう少し先なのだろう.

隣の烏帽子岳まで道が通じているらしいが,今回は体力的な事を考えて止めておく事にする.



帰りは急な下りに気をつけながらゆっくりと降りる.

だいたい降りきった辺りで一声,クマゲラが鳴く.

山のカムイには会わなかったが,丸木船を掘るカムイには会えたようだ.


乾いた泥の上にあったエゾシカの足跡.札幌近辺でも珍しくなくなった.


下山後,小金湯温泉に寄り,汗を流す.

またいつか,来る事にしよう.

(090928写真追加)


9:00~14:30
神威岳


マガモ,トビ,クマゲラ,アカゲラ,コゲラ,ヤマセミ,カワセミ,キジバト,アオバト,キセキレイ,ヒヨドリ,ミソサザイ,カワガラス,ウグイス,クロツグミ,ハシブトガラ,ヒガラ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,メジロ,アオジ,カケス

開花
エゾトリカブト,オクトリカブト,メナモミ,ミゾソバ,ママコノシリヌグイ,ミズヒキ,イヌタデ,ハナタデ,アキノキリンソウ,エゾゴマナ,ヒメジョオン,コウゾリナ,ノブキ,ミヤマヤブタバコ,ゲンノショウコ,ダイコンソウ,キツネノボタン,キンミズヒキ,ウツボグサ,ミヤマトウバナ,オオバコ,サラシナショウマ,ヨモギの類と思しきキク科sp.

結実
キンミズヒキ,ノブキ,ハエドクソウ,ヤブハギ,オオカメノキ,オニグルミ,ミズキ,オオツリバナ,ウツボグサ,ミヤマトウバナ,ケチヂミザサ,オオイタドリ,オオバコ,フッキソウ,ツルシキミ,ツタウルシ,ミズナラ,マイヅルソウ,ツバメオモト

その他
エゾリス,シマリス,カナヘビ,サッポロフキバッタ,エゾエンマコオロギ,オサムシsp., ゴミムシsp., ザトウムシsp., オカモノアラガイ,エゾシカ足跡

事故の話

2009-07-20 | 
先日の話になるが,大雪山系のトムラウシ山と美瑛岳で遭難があった.

死亡者10名(トムラウシ:ツアー客8名、単独1名,美瑛岳:ツアー客1名)という,近年最悪の事故だという.

亡くなられた方々の冥福を祈る.

美瑛の方はあまり話が表に出てこないが,トムラウシの方は色々と言われている.

原因は,まあ,諸説ある.
天候が予想以上に悪化したとか,ツアー日程に余裕が無いとか,ガイドが3人いたが1人しかトムラウシの経験がなく,下見もしていないとか(本来この時点で論外だが),内地と北海道の気候の差を軽く見ていたとか,装備が軽すぎたとか,まあ,挙げればきりがあるまい.上級者向けの山に登るには色々とお粗末だったと思うが,まあいい.



そして,ニュースやら何やらを見ていると,概ねツアー会社を責める形になっている.装備のチェックはしなかったのかとか,会社やガイドに責任が無いとは言わないが,それだけで終わらせるのも何やらアホらしい.そこに責任をおっかぶせておけばさぞ楽だろうが,それでは何の解決にもならない.



このような遭難事故を防ぐには,どうすればよいのだろう.

一番必要なのは,登山者が自覚することである.

登山経験というのは,お仕着せのツアーに参加しているだけで身に着くものではない.経験何年と言っていても,ツアーに参加してくるだけでは経験はゼロだと言っていい.

自分で計画を立て,装備を整えて,行って帰ってくる.

これが経験である.

自分の体力はどのくらいか,どの程度のペースで進めるのか,持ち物として何がどのくらい必要なのか,その時期その地域の天候の特徴はどうか,等々,判断する必要のあることは多い.

できれば地形図や天気図が読めるようになるなども必要だろう.非常食や防寒具は,重さを厭わずに持っていくべきである.天気が悪いときには引き返すことも重要である.この辺の判断がある程度できるようになってから初めて経験者というのだ.



今回も,そもそも何で出発の判断をしたのか疑問である.

尤も,登山ツアーが流行のようになっている昨今,途中で引き返したり頂上を踏めなかったりした場合に,「ダメガイド」や「ペテン旅行社」などと客からののしられ,後の仕事に差し支えることがあるという.ツアーを日程通りに消化するために強行するケースが多いのはそのためだとか.今回もまあ,ツアーを強行したのはその辺りに理由があるのかもしれない.

そんな参加者も時に居たりするが,その一方のツアー会社にしても,人数をタテに避難小屋のスペースを占領したりするロクでもないのが多いので,その辺はどうにかならんかなあとは思うのだが.まあ,それは置いておこう.



山の天気は変わりやすい.
特に,大雪山系のような2000m級の山々ではなおさらである.稜線に出れば身の隠しようがなく,雨風に吹きさらしになる.体感温度や風の強さにしても,稜線上や頂上とそれ以外の遮るものがある場所ではかなり違う.体が濡れれば体力も体温も奪われる.最悪体が動かなくなれば,死ぬだけだ.天気が悪い時は無理をしない方が良いし,日程に余裕はあった方が良い.

判断を誤れば死ぬ.

山というのはそういうものである.

自戒を込めつつ,今後も用心して謙虚に山に登りたいと思う.
次が自分でない保障はないのだから.

……100名山やら登山ブームやらに言いたい事は色々あるが,まあ,今回はこの辺にしておくとしよう.

抑えられない逃避衝動ッ!

2009-07-05 | 
要するに,何となく,どこかに行きたい衝動に駆られたということでして.


そんなわけで(何がだ),雨竜沼湿原まで行ってきましたよという話.



2時間半ほど車を走らせると登山口に着く.駐車場は,流石は週末と言うべきか,かなり埋まっている.まあ,着いたのが9時ではこんなものか.満杯でなかっただけ良いとしよう.

入山届を書き,登り始める.

実のところ,花がまともに見られる時期にここに登るのは初めてだったりする.

登山道はペンケペタン川に沿って登っていく.

道中,清流に沿ってミソサザイやカワガラスのさえずりが聞こえる.遠くではエゾムシクイやコマドリが鳴く.NFPとはまた違った雰囲気である.足もとの花もヤマブキショウマ,マシケレイジンソウ,オオバミゾホオズキ,マイヅルソウ等多彩である.道端で見かけたカタクリは実が熟し始めていた.

白糸の滝を過ぎ,つり橋を渡って徐々に標高が上がる.

徐々にコマドリのさえずりが優勢になってくる.ウグイスも盛大に鳴いている.所々で聴きなれないさえずりがするので探してみると,枝先でクロジが囀っている.なるほど,そういえば山の鳥だったか.

少し雨でも降ったのか,或いはこんなものなのか.足場は所々ぬかるみ,気を抜くと滑る.とはいえ,傾斜はきつくないので大して苦にはならぬが.尤も人が多めなので,その辺が少々面倒ではある.まあ,それはそれで仕方がない.そういう場所で,そういう時期だからだ.

湿原入り口に着く頃には,少々雲が立ち込める.

どこぞのがきんちょの一行が追い越していく.

ポツポツと黄色が目立つのはエゾカンゾウ,紫はヒオウギアヤメ,そして白はワタスゲ.ちょっと時期が早く満開とはいかなかったようだが,これはこれで良い眺めである.

南暑寒岳は雲をかぶっていたが,時々隙間が空き,所々に雪渓の残ったその雄姿をのぞかせる.

湿原に入ってからはベニマシコ,ノゴマ,ヒバリ,カッコウなどがよく鳴いていた.

木道を歩き,池塘を巡る.

咲きかけのコバイケイソウ,終わりかけのチングルマ,今が満開らしいホロムイイチゴやハクサンチドリ.沼の近くでひっそりとイトトンボが舞う.自信はないがエゾイトトンボあたりか.

ヒトが多いので,展望台までは赴かずにそのまま一周して帰ることにする.

帰り際,湿原入り口に近づくと続々とツアーらしき集団が現れる.

まあ,そういうこともあるだろう.

そこからのんびりと下山し,帰路に就いたのであった.帰りがけにエゾライチョウを轢きかけたのは内緒である.


登山口~雨竜沼湿原往復
9:20~13:40


エゾライチョウ,キジバト,カッコウ,ツツドリ,アカゲラ,ヒバリ,ハクセキレイ,キセキレイ,カワガラス,ミソサザイ,コマドリ,ルリビタキ,ノゴマ,クロツグミ,ウグイス,エゾムシクイ,キビタキ,オオルリ,シジュウカラ,ハシブトガラ,キバシリ,アオジ,クロジ,カワラヒワ,ベニマシコ,ウソ,ハシブトガラス

開花
マシケレイジンソウ,オオバタケシマラン,ヒメタケシマラン,オオバミゾホオズキ,チングルマ,ホロムイイチゴ,エゾカンゾウ,ハクサンチドリ,ノビネチドリ,ツタウルシ,エゾアジサイ,ツルアジサイ,エゾノヨツバムグラ,クルマバソウ,コバイケイソウ,ツクバネソウ,ミズバショウ,マイヅルソウ,ショウジョウバカマ,ワタスゲ,ヒメシャクナゲ,オオバタチツボスミレ,ツボスミレ,オオタチツボスミレ,キバナコマノツメ,ミツガシワ,クロバナハンショウヅル,タニウツギ,シナノキンバイ,ミヤマキンポウゲ,オガラバナ,ナナカマド,アマニュウ,ハクサンボウフウ,ヤマブキショウマ,ツマトリソウ,ミツバオウレン,エゾワサビ,オオバナノエンレイソウ,ミヤマオダマキ,エゾノリュウキンカ,オオダイコンソウ,ハナニガナ,イワイチョウ,エゾイチゲ,ショウジョウスゲ,シラネアオイ,カラマツソウ,チシマヒョウタンボク

結実
クルマバソウ,カタクリ

その他
イトトンボsp., センブリ

川岸の高いところにある、トドマツの多い場所

2009-06-24 | 
6月のある日.

ふと,山に登りたくなった.

そんなわけで,コッコと一緒に樽前山・風不死岳に登りに行くことにした.




……え,今日は平日だろうって?

なに,気にすることはない.夕べ論文の草稿を一本置いてきたからそれでいいのだ.


……本当は先週末に登る予定をしていたが,雨で流れたというのはまた別の話である.



ヒュッテ脇の駐車場に着き,登り始める.
最初は晴れていたが,ガレ場にさしかかる頃には一面にガスが垂れ込める.風景が見えなくなる前にとカメラを取り出すが,何故か謎の誤作動を起こし,写真が撮れない.そんなわけで今回は写真が無いのである.

…………まあいい.そういうこともあるだろう.



ガスの中,西山のピークを経て風不死岳方面へと向かう.溶岩ドームはこの時点では碌に見えず,霧の中でビンズイだけが元気にさえずっている.足元に目を転じても,咲いている花は多くない.カラフトイソツツジ,マルバシモツケ,ウコンウツギ,イワヒゲくらいなものか.イワブクロやコケモモは微妙に時季を外したらしい.

……まあいい.そういうことも(ry

西山山頂では,何故かヨツボシヒラタシデムシがいた.本来は森林性だと聞くが,たまたまこんな山の上に居たのだろうか.まあ森林は近いと言えば近いのだが.



樽前山を背にして風不死岳に向かうと,急に視界が晴れてくる.
樹林帯に差し掛かり,エゾオオマルハナバチが飛び交う中,登山口へと向かう.

がらりと植生が変わり,樹は背丈を増し,下層植生が充実してくる.登山口周辺や全般にかけてマイヅルソウが多く,少し上に登るとササが多くなっていた.

礫地からビンズイ,樹林帯からエゾムシクイ,コルリ,ミソサザイの囀りが交差する.少し遠くからウグイスの谷渡りも聞こえる.もう少し進めば,ビュルビュルと何やら早口な声がする.ルリビタキだ.NFPではコルリ以外はこの時季には聴くことができない(そもそもビンズイやルリビタキは通過だけ)ので,実に新鮮である.

昨日の雨で湿った地面や岩を踏みしめ,ゆっくりと登る.



やはり体力は落ちている.ジョジョに脚が重くなる.

貧弱,貧弱ゥ!

などと何処かから電波を受信するが気にしないことにする.



花はマイヅルソウが満開であり,あとは山頂付近ではノビネチドリが多かった.実を付けかけのサンカヨウ,つぼみのままのベニバナイチヤクソウなど,微妙に時季を外した感がある.

……まあいい.そういう(ry



山頂につく頃には霧は晴れ,振り返れば溶岩ドームがしっかりと姿を現していた.
転じれば支笏湖が静かに湖光を湛え,対岸の恵庭岳が薄く雲を被っている.

やはりここからの景色は良いものだ.


暫く休憩してから,のんびりと下りる.

帰りは風不死岳登山口から樽前山の脇を通り抜け,7合目まで行くことにする.この辺りのイワブクロはボチボチと花を付けている.場所によって開花時期が違ってくるのだろう.日の当たり具合や,風の強さなども関係してくるのだろうか.

溶岩によって一度破壊された山々.片や噴火の爪痕が未だに残り,片や噴火が古く痕跡が残っていない.植生や地質,住む生き物の違いが如実に見える.そんな中で悪条件に耐える生き物,徐々に勢力を広げる森林.その中でせめぎ合う命.

しかし,彼らは己の性の赴くままに生きているだけなのだ.

ただそれだけなのに,いや,なればこそか.

彼らの生き様は美しい.



ふと,そんなことを考えた.そんな在る初夏の一日.



7:35~14:06
樽前山7合目登山口~樽前神社奥宮~西山山頂~風不死岳~樽前山7合目ヒュッテ


ツツドリ,ビンズイ,ミソサザイ,コマドリ,コルリ,ルリビタキ,ウグイス,エゾムシクイ

開花
ウコンウツギ,マイヅルソウ,オオアマドコロ,ミヤマハンショウヅル,ノビネチドリ,マルバシモツケ,コケモモ,イワヒゲ,イワブクロ,ツマトリソウ,ヤナギsp.

つぼみ
ベニバナイチヤクソウ,イワブクロ,コケモモ,オオイタドリ

結実
サンカヨウ(未熟)

その他
エゾシカ足跡,エゾユキウサギ糞と食痕,ヨツボシモンシデムシ,エゾオオマルハナバチ,ニセハイイロマルハナバチ,エゾハルゼミ,トラフシジミ,オサムシsp., チョッキリsp., ゴミムシダマシsp., ハネカクシsp., モウセンゴケ

山道を登りながらこう考えた

2008-09-11 | 
智に働けば角が立つ.情に掉させば流される.意地を通せば窮屈だ.兎角に人の世は住みにくい.(夏目漱石:草枕より)



朝起きて,ふと気がつくと,山のふもとに立っていた.

そんなわけで,八剣山に登ってみましたよという話.なんで平日の朝からそんなことやってんだっつう話もありますが,まあ,アレだ.天気が良かったからですよ.きっと.

八剣山とは,定山渓の手前くらいにある山で,標高は500mくらい.大した高さではないが,傾斜はそれなりに急であるし,定山渓付近と言うことで当然クマもいる.頂上付近は大きな岩がむき出しになっており,遠目でもよく目立つ.



登山口から急傾斜を登り,広葉樹林の中を歩く.花の季節はほぼ終わっており,エゾキリンソウ,ミミコウモリ,エゾトリカブトなどが細々と咲いている.


エゾトリカブト

フッキソウやツクバネソウ,トチバニンジンなどは実を付けており,オニグルミやミズナラの実も落ちている.晴れていて日差しもそれなりに強いが,もう秋だと言うことか.


フッキソウの実

樹林帯を抜けると,岩壁に沿って急な登りが始まる.道が細いのでけっこう怖い.天気が悪い時には登りたくない山だ.頂上付近には樹があまりないので,遮るものが少なく景色は素晴らしい.標高500m程度の山で,ぐるりと周りが見渡せるというのもなかなか良いものである.


頂上.


定山渓方面.


眼下には豊平川.


振り返って真駒内方面を望む.


こうして見ると,ヒトがごm(ryヒトというのは小さいものだと実感する.登ったからとて,何か利益があるわけでもない.が,何かを得たくて私は山に行く.色々見たいからであり,知りたいからであり,或いはただ行きたいから行く.其れで良いと思っている.実際には現状から逃げられるわけでもなく,現状が変わるわけでもない.それでもこうして山や森や様々なところに行くことで,自分なりに均衡をとっているのだろう.

そんなわけで,私は今後も色々と行ったり見たりするものと思われる.どうやらそれが仕様のようだ.



唯の人が造った人の世が住みにくいからとて,越す国はあるまい.あれば人でなしの国へ行くばかりだ.人でなしの国は人の世より猶住みにくかろう.

越すことのならぬ世が住みにくければ,住みにくい所をどれほどか,寛容て,束の間の命を,束の間でも住みやすくせねばならぬ.(同)




トビ,ハイタカ,アマツバメ,ヒヨドリ,ミソサザイ,ウグイス,ヤブサメ,アオジ,クロジ,スズメ,ハシブトガラス

開花
エゾキリンソウ,ミミコウモリ,ヒメジョオン,エゾトリカブト,キンミズヒキ,ミズヒキ,キツリフネ,ムラサキツメクサ,ゲンノショウコ,ツユクサ,カワラボウフウ,ヒレハリソウ,エゾイラクサ,ミゾソバ

結実
フッキソウ,ツクバネソウ,トチバニンジン,ツバメオモト,オニグルミ,キンミズヒキ,ミズナラ,キツリフネ,ツリバナ,ミズキ,ルイヨウショウマ,クルマバソウ,エゾユズリハ,マムシグサ

その他
コガタスズメバチ,アキアカネ,鱗翅目sp., カナヘビ,オオアシトガリネズミ

金色の野に

2007-09-24 | 
よもや2日連続で山に登ることになろうとは思ってもいなかったのだが.・・・現在筋肉痛でロボのような動きになってます.

というわけで,Y氏と共に雨竜沼まで行って来た.

雨竜沼というのは標高800m以上の所にある高層湿原で,ラムサール条約に登録されている.また,暑寒別天売焼尻国定公園に含まれ,暑寒別岳への登山道の途中という位置にもある.一番良いシーズンは7月らしいが,そんな時季にヒマはない.ぼちぼち紅葉も始まるだろうと思い,今回出かけてみたわけだ.

自宅から車で2時間強で登山口に着く.


登山口にある看板.ここの受付で届け出をし,それから登る.


湿原は尾白利加川という川の源にあたり,その川沿いに登っていく.水は非常に冷たい.


もう花も少なく,色々な植物が実をつけている.写真はマイヅルソウの実.

何度か急な登りを越えて,1時間半ほどで湿原に到着する.
木道を通り,入り口の沢で靴底を洗う.湿原の中に生えていない植物の種子などを持ち込まないためである.


植物はもうシーズンを終えて枯れているものが多い.その黄金色の原の中に丸く池がいくつもある.池に映るのは後ろの南暑寒岳と暑寒別岳.


ゼンテイカと思われる.花が終わり,この莢の中にタネが含まれている.風に揺れてそこからこぼれる.


湿原の木道は一週約4kmで,1時間くらいで回れる.ちょっと奥へ行くと,南暑寒岳への登山道の途中に展望台があり,そこから湿原が一望できた.

花もあまり目立たないが,こういう景色もまた良いものだ.今度はまた別の季節に来たい.

11:25~16:20
雨竜沼湿原登山口~雨竜沼湿原往復

ミサゴ,マガモ,カワガラス,シジュウカラ,ハシブトガラ,ウグイス,アオジ,カワラヒワ,ハシブトガラス

開花
エゾアジサイ,アキノキリンソウ,エゾヨモギ,ヤマハハコ,コウゾリナ,エゾゴマナ,ミヤマトウバナ,オオカナダオトギリ,ヨツバヒヨドリ,エゾリンドウ,ナガボノシロワレモコウ,ネジバナ,エゾノコンギク

結実
オオイタドリ,オオバコ,キンミズヒキ,マイヅルソウ,クロツリバナ,オオカメノキ,ナナカマド,ツバメオモト,チングルマ,ゼンテイカ,ウリュウコウホネ,ウメバチソウ

その他
ノシメトンボ,アキアカネ,トノサマバッタ,クスサン

憂鬱よりも蒼く

2007-09-23 | 
ふと思い立って山に登ってみた.

今回登ったのは樺戸山系の浦臼山から隈根尻山である.いつもは宮島沼でマガンを見る時に眺めているだけなのだが,今回は逆に見下ろしてみることにしたのだ.

ちなみに浦臼とは「ウライ・ウシ・ナイ(梁・多い・所)」,隈根尻とは「クマ・ネ・シリ(物干しのような(平たい)山)(山頂の平らな山)」と言う意である.

なぜ山に登るかと問われれば,そこに山があるからだと答えるしかない.

と,根元的な答えはさておくとしても,思索にふけりたい時には登山というのは有効な手段である.あまり小難しいことは考えないように見せかけつつ,なんだかんだと考えているのが私という人間である.そういう日もある.

9時過ぎに浦臼山登山口に着き,登り始める.人気もあるようで私の他にも10数名の登山者がいた.登山口の駐車場もいっぱいである.

登山道は,軽く舗装されている.何でもこの山ではハンググライダーの人が多く来るらしく,それ用の道らしい.山頂近くまで広い道が続いている.尤も,途中で道が崩れていたり,イラクサやササ,オオイタドリなどが繁茂している.ただ,下が砂利なので多少歩きにくいのは確かだ.登山者の多さを反映してか,オオバコも多かった.


ムカゴイラクサ.イラクサ科


オオイタドリ.タデ科.花は終わり,実が熟している.


ワルナスビ.ナス科.沢沿いにあった.


1時間半ほどで浦臼山山頂に着く.高山域ではないので普通に樹木が生育する.主にシラカンバ,ミズナラ,ツリバナ,コシアブラなど.だいたい石狩低地帯とかわらないようだ.

浦臼山を越えて少し行くと道も細くなり,笹藪が深くなる.けっこうすべりやすく,この先はあまり初心者向けではない.この道を通って樺戸山,隈根尻山へ向かう.


天気が良く,見晴らしも良い.石狩川とその流域の稲作地帯を見下ろす.


エゾトリカブト.キンポウゲ科.あまり多くなかった.


ネジバナ.ラン科.道ばたにけっこう咲いていた.


隈根尻山山頂.だいたい3時間くらいかかった.途中のササこぎがけっこう辛い.


山頂から平野を見下ろす.真ん中に見えるのが宮島沼.もう3000羽ほどのマガンが来ているらしい.視点を変えれば,石狩湾や暑寒別岳など見えた.近くに視線を遮る物はなく,眺望は素晴らしい.

わりと切り立った山であり,上昇気流も発生しやすいらしい.ハンググライダーができるというのもうなずけるが,今日はハチクマを何体か見かけた.渡りの際にここを使っているのだろうか.カケスやシジュウカラなども動いているようで,案外賑やかだった.


カケス.カラス科.陽光を浴びて綺麗だった.

天は蒼く,広く高く,その下で私という人間はとても小さいものであった.

鮮やかに蒼く,憂鬱よりも蒼く,全てを消し去るかのように.

9:30~16:10
樺戸山系浦臼山~隈根尻山往復

ハチクマ,アカゲラ,コゲラ,シジュウカラ,ハシブトガラ,コガラ,ヤマガラ,アオジ,カワラヒワ,マヒワ,ベニマシコ,カケス

開花
エゾトリカブト,コウゾリナ,オオウサギギク,ワルナスビ,ネジバナ,ブタナ,エゾノコンギク,ヨツバヒヨドリ,イヌタデ,ミゾソバ,アキノキリンソウ,オニノゲシ,メナモミ

結実
サワフタギ,ナナカマド,ツリバナsp., オオイタドリ,エゾイラクサ,オオバコ,マイヅルソウ,ヤマブドウ,ミヤマガマズミ,オオカメノキ,キンミズヒキ

その他
シマリス,アキアカネ,ノシメトンボ

雲海の上へ(下)

2007-08-28 | 
翌朝は風の音で目が覚める.外に出てみれば,辺り一面乳白色の霧である.


ガスの中の白雲小屋.ちなみに収容人数は60人.あとは隣りにトイレとテントサイトがある.小屋は一泊千円,テントは一泊300円だったか.

昨日とはうってかわって空模様が不安定なようだ.尤も,山上で天候が安定するということもなかなか無いのだが.

9時過ぎには少し晴れ間がのぞくようになり,その頃になってからのんびりと行動開始.

まずは写真を撮りつつ白雲分岐まで戻ることにし,分岐に荷を置いて白雲岳を往復してくることにする.それにしても風が強い.白雲岳は旭岳,北鎮岳に次いで標高の高い山であり,晴れていればとても見晴らしの良いところなのだ.残念ながら,大量に雲がわいてきていて,そんなに見通しは良くなかった.まあ,そういう日もある.


クモイリンドウ.リンドウ科.白雲岳周辺に多い.これも終わりかけで,秋が近いことを感じさせる.


タイセツトリカブト.キンポウゲ科.白雲小屋は白雲岳,小泉岳,緑岳の間に位置し,雪渓が残ることと日が遮られることから水気が多い.トリカブトやバイケイソウが生きられるのはそれ故であろう.


チシマツガザクラ.ツツジ科.


コマクサ.ケシ科.高山植物の女王ともいわれる.

白雲分岐に戻り,ぼちぼちと下山することにする.それにしても風が強い.途中吹き飛ばされそうになりつつも何とか赤岳山頂までたどり着く.そこを過ぎると少しはマシだ.


イワギキョウ.キキョウ科.


ミヤマリンドウ.隣の黄色い花はハイオトギリ.

少し風が遮られ,暑くなってくる.急なところもあり,膝と足首に注意しながらゆっくりと下りる.無事に下山したのは昼をだいぶ過ぎた頃だった.

その後,近くの高原温泉にて汗を流す.隣にあるヒグマ情報センターに寄っておきたかったが,残念ながら終了した後だった(7:00~15:00まで).

その後上川町に寄って後輩のK氏に会い,後はのんびりと戻ってきたのであった.


帰り道,夕焼けが綺麗だった.



銀泉台~赤岳~白雲岳分岐~白雲小屋~白雲分岐~白雲岳往復~赤岳~銀泉台


ミソサザイ,カヤクグリ,ルリビタキ,ウグイス,ヤブサメ,ギンザンマシコ,ホシガラス

開花
エゾコザクラ,マルバシモツケ,エゾノツガザクラ,コエゾツガザクラ,チシマツガザクラ,アオノツガザクラ,チングルマ,イワギキョウ,クモイリンドウ,ミヤマリンドウ,ハイオトギリ,エゾヒメクワガタ,ウラジロタデ,ヒメイワタデ,ムカゴトラノオ,イブキトラノオ,タカネトウウチソウ,タイセツトリカブト,コマクサ,トカチフウロ,メアカンキンバイ,ミヤマキンバイ,チシマノキンバイソウ,ミヤマアキノキリンソウ,コガネギク,ウスユキトウヒレン,ナガバキタアザミ,ミヤマサワアザミ,チシマクモマグサ,アラシグサ,モミジカラマツ,イチゲイチヤクソウ,ミヤマアカバナ,コモチミミコウモリ,ヤマハハコ,サマニヨモギ,ヨツバシオガマ,リンネソウ,ゴゼンタチバナ,エゾウサギギク,イワヒゲ,イワブクロ,エゾイワツメクサ,エゾタカネツメクサ,タカネスイバ,ミヤマセンキュウ,ハンゴンソウ,オオイタドリ,ヨブスマソウ

結実
コケモモ,ガンコウラン,クロウスゴ,クロマメノキ,ウラシマツツジ,ヒメタケシマラン,ハイマツ,バイケイソウ,チングルマ,トカチフウロ,サンカヨウ,チシマヒョウタンボク,エンレイソウ,イワブクロ,ウラジロナナカマド,カラフトイソツツジ,ウコンウツギ

その他
シマリス,ナキウサギ,アキアカネ,ノシメトンボ,鱗翅目sp., キタキツネ糞,テントウムシsp., ハムシsp.