友人の計画に乗る形で、久々の登山に行くことにした。
場所は様似町のアポイ岳.
日曜の朝から登るというので,土曜の仕事と用事が終わった後に車を走らせ、天馬街道を抜けて登山口で車中泊。
着いたのは深夜1時であった.
アポイ岳は、標高800mそこそこながら,海から近いため霧が多く、地温が上がらず,またかんらん岩を主とした酸性がきつく森林が発達しにくい土壌のため、低標高なのに高山植物が多く,固有種も豊富である.
花の多さ、登りやすさ,道中の景色の良さ等から、登山者の人気が高い山でもある。
そうした特徴から、国立公園の特別保護地区に指定され、日本ジオパークにも登録されている.
また,この山の高山植物群落は国の特別天然記念物でもある。
早朝、雨が降っており、5時には目が覚めた.
そんな中でも、駐車場に到着する車があり,雨具装備で登りはじめる登山者が居る。
友人との合流はも少し後なので,雨が止むのを待ちつつのんびりと準備をする.
釧路ナンバーの車は珍しいらしく,他の人に声をかけられる。
その方は札幌を3時前には出てきたのだとか.
…………札幌からでも4時間程度はかかる筈なので,条件は私とあまり変わらない気もするのだが.
まあ、峠越えがない分、マシなのかもしれない。
そんなこんなで,雨もほぼ止み,友人と合流する.
実のところ、直接会うのは1年ぶりくらいになるが,まあ、そういう事もあるだろう.
入山届けを書いて,登りはじめる.
雨上がりの土の香が立つ中、のんびりと進む。
山に登るのもそうだが、主には花を探しに来たのである。
今回、森林内でよく見られたエゾオオサクラソウ。
ちょうど良い時期だったようだ。
エゾムシクイ、ツツドリなどの声を聞きつつ登る。
フデリンドウ。林床や岩陰に咲いていた。
他にアポイタチツボスミレ、ツボスミレ、フイリミヤマスミレなどを見る。
アポイタチツボスミレ。うーむ。ピンぼけ。
最初は森林地帯をしばらく歩き、道は徐々に登りになる。
途中、開削されたものの,ほぼ使われずに無かったことにされた登山道もある。
金を掛けてまで何をやっていたのだろう。
まあ、当時も今も、此処に居るわけでは無いので,あまり何かを言うのも筋が違うので止めておこうか。
道中には、シカ除けの実験とおぼしき囲いが幾つか見られた。
此処もシカが多くなっているらしい。
五合目小屋あたりから山頂方向を望む。
雨が上がり、晴れ間が出て気温も上がってきた。
ヤマツツジ
ヒロハヘビノボラズ
此処から少し周りが開け、登っていくとやがて稜線にでる。
見下ろすと、海岸線と、雲海が見える。空はすっかり晴れた。
上空をツミと思しき猛禽が飛ぶ。
オオタカにしては小さく、ハイタカにしては尾が短く見える。
アポイアズマギク
足下はだんだんと岩、砂利が多めになり、アポイアズマギク、エゾタンポポ等が見られるようになる。
稜線上に出ると、見晴らしも良くなり、色々と花も出てくる。
まだ咲いていないものもあるが、まあ、そういう事もあろうて。
サマニユキワリ
ミヤマオダマキ
ミヤマナナカマド
チングルマ
山頂に直接は向かわず、途中で幌満お花畑に寄ることにする。
山腹の林を抜けていくのだが,道中のエゾオオサクラソウ群落はなかなか見事であった。
幌満お花畑は、残念ながらあまり花は咲いていなかった。
時季を外したのか、ハイマツの侵入や盗掘、シカ等で環境が悪化したのか、或いは他の要因なのか。
そのあたりは不明である。
以前はヒダカソウという花が有名であったが、大量盗掘により、ほぼ姿を消したと云う。
今回も当然ながら、見ることはできなかった。
ヒトの業とは、何ともしがたいものである。
アポイキンバイ
チシマキンレイカ
幌満から少し急な登りを経て、山頂にたどり着く。
山頂はダケカンバに覆われ、実のところ見通しは良くない。
標高が低いところに森林限界とハイマツ帯があり、そこより上にダケカンバ林があるという、逆転現象が実に興味深い。
こういうものを天の采配とでもいうのだろうか。
少し欲張って,隣の吉田岳への山道を途中まで行ってみることにする。
天気も良く、稜線上を、続々とヒトが登ってくるのが見える。
どうやら小学生の遠足があったようで、元気に走っているものあり、ばてているものあり、様々であった。
エゾキスミレ
ヒダカイワザクラ
のんびりと花を見つつ、山頂まではおよそ4時間程度。
通常のコースタイムは3時間程度なので、割とのんびりのペースである。
が、まあ、私にはこういうペースが合っているように思う。
ピークに着くのも一つの目的ではあるが,何が見えるかというのも大事なものだ。
昼少し前に、山頂も混んできたので下山することに。
下りはやはり膝に負担がかかるが,あまりかけないように降りる。
そろそろストックを使うことを検討するべきかもしれないが、あまり好きでは無いのだ。
無事に下山したのは14時頃。
なんだかんだと、8時間弱ほど山にいたことになる。
アポイ山荘の温泉で汗を流し、様似の食堂で遅めの昼食。
その後、大学まで車をのんびりと走らせることにしたのであった。
また機会があれば、こうして山に登りたいものである。
6:40~14:00
アポイ岳:登山口~幌満お花畑~山頂~吉田岳への山道途中まで往復~下山
開花植物
アポイアズマギク、エゾキスミレ、ツボスミレ、アポイタチツボスミレ、オオバタチツボスミレ、ヒダカイワザクラ、サマニユキワリ、エゾオオサクラソウ、タカネナナカマド、センボンヤリ、チシマキンレイカ、アポイキンバイ、ヤマツツジ、ヒロハヘビノボラズ、アポイクワガタ、ミヤマオダマキ、キタヨツバシオガマ、チングルマ、フデリンドウ、エゾタカネニガナ、キジムシロ、エゾタンポポ、ツマトリソウ、ミヤマエンレイソウ、ショウジョウバカマ、オオバナノミミナグサ、キンロバイ
鳥類
ハイタカ属猛禽(おそらくツミ)、ツツドリ、キジバト、アオバト、ビンズイ、ウグイス、ヤブサメ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、キクイタダキ、シジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラ、ゴジュウカラ、キバシリ、ハシブトガラス
その他
シマリス、トカゲ類(ニホントカゲ?)
場所は様似町のアポイ岳.
日曜の朝から登るというので,土曜の仕事と用事が終わった後に車を走らせ、天馬街道を抜けて登山口で車中泊。
着いたのは深夜1時であった.
アポイ岳は、標高800mそこそこながら,海から近いため霧が多く、地温が上がらず,またかんらん岩を主とした酸性がきつく森林が発達しにくい土壌のため、低標高なのに高山植物が多く,固有種も豊富である.
花の多さ、登りやすさ,道中の景色の良さ等から、登山者の人気が高い山でもある。
そうした特徴から、国立公園の特別保護地区に指定され、日本ジオパークにも登録されている.
また,この山の高山植物群落は国の特別天然記念物でもある。
早朝、雨が降っており、5時には目が覚めた.
そんな中でも、駐車場に到着する車があり,雨具装備で登りはじめる登山者が居る。
友人との合流はも少し後なので,雨が止むのを待ちつつのんびりと準備をする.
釧路ナンバーの車は珍しいらしく,他の人に声をかけられる。
その方は札幌を3時前には出てきたのだとか.
…………札幌からでも4時間程度はかかる筈なので,条件は私とあまり変わらない気もするのだが.
まあ、峠越えがない分、マシなのかもしれない。
そんなこんなで,雨もほぼ止み,友人と合流する.
実のところ、直接会うのは1年ぶりくらいになるが,まあ、そういう事もあるだろう.
入山届けを書いて,登りはじめる.
雨上がりの土の香が立つ中、のんびりと進む。
山に登るのもそうだが、主には花を探しに来たのである。
今回、森林内でよく見られたエゾオオサクラソウ。
ちょうど良い時期だったようだ。
エゾムシクイ、ツツドリなどの声を聞きつつ登る。
フデリンドウ。林床や岩陰に咲いていた。
他にアポイタチツボスミレ、ツボスミレ、フイリミヤマスミレなどを見る。
アポイタチツボスミレ。うーむ。ピンぼけ。
最初は森林地帯をしばらく歩き、道は徐々に登りになる。
途中、開削されたものの,ほぼ使われずに無かったことにされた登山道もある。
金を掛けてまで何をやっていたのだろう。
まあ、当時も今も、此処に居るわけでは無いので,あまり何かを言うのも筋が違うので止めておこうか。
道中には、シカ除けの実験とおぼしき囲いが幾つか見られた。
此処もシカが多くなっているらしい。
五合目小屋あたりから山頂方向を望む。
雨が上がり、晴れ間が出て気温も上がってきた。
ヤマツツジ
ヒロハヘビノボラズ
此処から少し周りが開け、登っていくとやがて稜線にでる。
見下ろすと、海岸線と、雲海が見える。空はすっかり晴れた。
上空をツミと思しき猛禽が飛ぶ。
オオタカにしては小さく、ハイタカにしては尾が短く見える。
アポイアズマギク
足下はだんだんと岩、砂利が多めになり、アポイアズマギク、エゾタンポポ等が見られるようになる。
稜線上に出ると、見晴らしも良くなり、色々と花も出てくる。
まだ咲いていないものもあるが、まあ、そういう事もあろうて。
サマニユキワリ
ミヤマオダマキ
ミヤマナナカマド
チングルマ
山頂に直接は向かわず、途中で幌満お花畑に寄ることにする。
山腹の林を抜けていくのだが,道中のエゾオオサクラソウ群落はなかなか見事であった。
幌満お花畑は、残念ながらあまり花は咲いていなかった。
時季を外したのか、ハイマツの侵入や盗掘、シカ等で環境が悪化したのか、或いは他の要因なのか。
そのあたりは不明である。
以前はヒダカソウという花が有名であったが、大量盗掘により、ほぼ姿を消したと云う。
今回も当然ながら、見ることはできなかった。
ヒトの業とは、何ともしがたいものである。
アポイキンバイ
チシマキンレイカ
幌満から少し急な登りを経て、山頂にたどり着く。
山頂はダケカンバに覆われ、実のところ見通しは良くない。
標高が低いところに森林限界とハイマツ帯があり、そこより上にダケカンバ林があるという、逆転現象が実に興味深い。
こういうものを天の采配とでもいうのだろうか。
少し欲張って,隣の吉田岳への山道を途中まで行ってみることにする。
天気も良く、稜線上を、続々とヒトが登ってくるのが見える。
どうやら小学生の遠足があったようで、元気に走っているものあり、ばてているものあり、様々であった。
エゾキスミレ
ヒダカイワザクラ
のんびりと花を見つつ、山頂まではおよそ4時間程度。
通常のコースタイムは3時間程度なので、割とのんびりのペースである。
が、まあ、私にはこういうペースが合っているように思う。
ピークに着くのも一つの目的ではあるが,何が見えるかというのも大事なものだ。
昼少し前に、山頂も混んできたので下山することに。
下りはやはり膝に負担がかかるが,あまりかけないように降りる。
そろそろストックを使うことを検討するべきかもしれないが、あまり好きでは無いのだ。
無事に下山したのは14時頃。
なんだかんだと、8時間弱ほど山にいたことになる。
アポイ山荘の温泉で汗を流し、様似の食堂で遅めの昼食。
その後、大学まで車をのんびりと走らせることにしたのであった。
また機会があれば、こうして山に登りたいものである。
6:40~14:00
アポイ岳:登山口~幌満お花畑~山頂~吉田岳への山道途中まで往復~下山
開花植物
アポイアズマギク、エゾキスミレ、ツボスミレ、アポイタチツボスミレ、オオバタチツボスミレ、ヒダカイワザクラ、サマニユキワリ、エゾオオサクラソウ、タカネナナカマド、センボンヤリ、チシマキンレイカ、アポイキンバイ、ヤマツツジ、ヒロハヘビノボラズ、アポイクワガタ、ミヤマオダマキ、キタヨツバシオガマ、チングルマ、フデリンドウ、エゾタカネニガナ、キジムシロ、エゾタンポポ、ツマトリソウ、ミヤマエンレイソウ、ショウジョウバカマ、オオバナノミミナグサ、キンロバイ
鳥類
ハイタカ属猛禽(おそらくツミ)、ツツドリ、キジバト、アオバト、ビンズイ、ウグイス、ヤブサメ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、キクイタダキ、シジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラ、ゴジュウカラ、キバシリ、ハシブトガラス
その他
シマリス、トカゲ類(ニホントカゲ?)