バイク試乗/レンタルおよびツーリング日記

お勧めのツーリングコースや試乗、レンタルしたバイクについてレポートします。

KTM 1190 ADVENTURE(アドベンチャー)

2017-05-15 22:20:56 | バイク試乗、レンタル 海外メーカー
 2017年5月14日にレンタルバイク三河にてKTM 1190 ADVENTURE をレンタルし、

300キロ程度ツーリングしたのでインプレしたい。


  

 ツーリングルート


このスタイルのバイクは日本ではそこまででもないが、ヨーロッパでは大きなブームとなっているらしく、

国産メーカーも含め、世界のバイクメーカーがこのジャンルに多くの車種を投入しているため、

私もかなりこのジャンルのバイクをレンタルしインプレてきた。

アフリカツインMT-09トレーサースーパーテネレタイガー800Vストローム650

モトクロスに力を入れているKTMは特にこのジャンルに力を入れていて

多くのバリエーションを設定しているが、

一番スタンダートなモデルとなるのが、今回レンタルした1190アドベンチャーである。

性能

エンジン

エンジン型式 水冷4ストロークDOHC4バルブ75°V型2気筒
総排気量 1,195㏄
ボア×ストローク 105×69㎜
最高出力 110KW(150HP) / 9,500rpm
最大トルク 125NM / 7,500rpm
圧縮比 12.5:1
始動方式 セル式
変速機 6速
燃料供給方式 KEIHIN製電子制御フューエルインジェクション
潤滑方式 オイル圧送式(3PUMPS)
一次減速比/二次減速比) 40:76/17:42
クラッチ PASCスリッパークラッチ油圧操作式
マネージメント/イグニッション RBW / KEIHIN製EMSダブルイグニッション
トラクションコントロール BOSCH製MTC(4モード選択式)

シャシー
全長/ 全幅/ 全高 2,263 / 1,169 / 1,447㎜
フレーム クロームモリブデン鋼トレリスフレーム(パウダーコート)
サブフレーム アルミニウム
ハンドルバー アルミニウム Φ28 / 22㎜
フロントサスペンション WP製倒EDS倒立フォーク Φ48㎜
リアサスペンション WP製EDS
サスペンションストローク(F/R) 190 / 190㎜
ブレーキ(F) Brembo製ディスク(BOSCH 9ME ABS)ブレーキ 320㎜
ブレーキ(R) Brembo製ディスク(BOSCH 9ME ABS)ブレーキ 267㎜
ホイール(F/R) チューブレススポークホイール 3.50×19" / 5.00×17"
タイヤ(F/R) 120/70ZR-19" / 170/60ZR-17"
サイレンサー ステンレススチール
キャスター角 64°
ホイールベース 1,560㎜±15㎜
最低地上高(無負荷) 220㎜
シート高 860 / 875㎜(調整式)
燃料タンク容量 約23L(3.5Lリザーブ)
車両重量(燃料含まず) 約217㎏
乗車定員 2名
カラーバリエーション オレンジ/グレー
保証期間 2年間
生産国 オーストリア
メーカー希望小売価格 (本体価格:8%消費税込) 1,845,000円



1190アドベンチャーの主なスペックを私が最近レンタルした同ジャンルのバイク

MT-09トレーサー、スーパーテネレ、アフリカツインと比較すると以下のようになる



           トレーサー  テネレ   アフリカ  1190ADV

全長(mm)       2160   2250    2335   2263

軸間距離(mm)     1440   1540    1575   1560

シート高(mm)     845    870     870    875

車重(KG)        210    257    231    217

パワー(PS/回転)  110/9000  112/7250  92/7500  150/9500

トルク(NM/回転)  88/8500  117/6000  95/6000  125/7500

燃料タンク(L)     18     23     18     23

ABS           有     有     有     有

価格(千円)    1069千円  1652千円  1382千円   1845千円




エンジンフィーリング・高速性能

上記の比較表で比較したバイクの気筒数を見ると、トレーサーだけ3気筒、

残りの3車は、テネレ・アフリカツインは並列、1190ADVはV型の違いはあるものの2気筒となっているが、

エンジンの性格的には低速からトルクを発生させ、最大馬力は追及しない、テネレ・アフリカツインと、

高回転までエンジンを回し最大馬力を発生させるスポーツエンジン型のトレーサー・1190ADVと大きく性格が分かれる。

 ただし、1190ADVについては、1200CC近くの排気量を誇ることもあって、低速からのトルクも豊富で、

その高いウィンドウプロテクションもあって高速道路で少しエンジンを回すと、

いつの間にか150キロ近辺で巡行しているほど高速性能は高い。

このようにエンジンフィーリングについては、低速でも豊富なトルクを発生させ、

さらにスポーツバイクのように高回転まで回して楽しむことができる一石二鳥なエンジンとなっていて、

高速道路での快適性もトップレベルで高く評価できる。





ハンドリング・乗り心地

ハンドリングについては、巨体にもかかわらず、車重が燃料を含まない半乾燥で217キロと

かなり軽量であるため、軽快なハンドリングで、ワインディングもスポーツバイクに匹敵するほど楽しむことができる。

また電子式サスペンションを採用しているため、スポーツ、街乗り、雨中、オフロードとサスの設定を簡単に変更でき、

路面の衝撃もマイルドに吸収し乗り心地もよいので、エンジン同様にサスペンションも高く評価できる。


  



取り回し

車重についてはテネレのような超重量級と違い、

この手のアドベンチャーバイクでは軽量といってよい217キロのため、

そこまで苦労することはないが、

シート高については、860mmと875mmと調整可能で、

今回どちらの高さで設定されていたかわからないが、

いづれにしてもかなり高く、

身長が最低でも175センチはないと、常に立ちごけの恐怖にさらされることになるだろう。



燃費

ガソリンは当然ハイオクで、排気量が大きいので仕方ないが、

リッター16キロから17キロ程度とあまり良好とは言えない。

ただし燃料タンクは23Lと大容量なので、300キロまではガソリンスタンドを気にすることなく

走ることができるのは大きな利点である。
 



メーター、デザイン

メーターについては気温、バッテリー、残航続距離、燃費、ギア、時計など

必要とする情報はすべて表示されるので大きな不満はないが、 

180万以上するバイクとしては華がなく、アフリカツインの美しい反転液晶メーターには

大きく見劣りするというのが素直な感想である。

デザインについては、カッコ良い、悪いは別として、KTMらしい個性的なデザインではあるが、

185万の高級車としては、いまいち高級感がなく、質感は100万円のトレーサーと互角というのは

もう少し何とかならないかと感じる。


     






総評

1190アドベンチャーを走りの面で評価するなら、

スポーツ性と快適性を高いレベルで両立させていて、

サスペンションを中心とした、最新の各種電子装備もうまく機能しており、

これまでレンタルしてきた数多くのバイクの中でも

最高レベルに近いバイクだと評価できる。

そのように評価したうえで、このバイクの欠点を言うと

まず一番に来るのが185万というその価格である。

電子制御などの部分に大きなコストをかけているのは理解できるが、

この価格の高級バイクなら、電動スクリーン、グリップ・シートヒーター、ETCなどが標準装備でも罰は当たらないだろう。

さらにもう一つ心配なのが品質面で、

実はこのバイクはもっと前にレンタルしたのだが、ツーリング前日の夜にレンタルし、次の日の朝出発しようとしたら、

バッテーリーが上がり不動となっていて、結局その日はツーリングができないという事態となった。

ネットでの評判を拾ってみても、バッテリーは上がりやすいようである。

また、満載の電子制御についても、部品のサプライヤーはボッシュ、ケイヒンなど信用できるが、

KTMという小規模メーカーがうまくそれらを統合し、処理できているかという部分に不安がのこる。

総合的に走りの質が近い、MT-09トレーサーと比較すると

エンジンパワーやサスペンション、各種電子装備で上回るにしても、

取り回し、燃費、信頼性などの部分では劣っていて、

何より価格面で80万以上ともう一台バイクが買えるほどの開きがある。

このジャンルのバイクで圧倒的な人気を誇るBMWのR1200GSは228万ともっと高額だが、

R1200GSは高級バイクとしての抜群のブランド力を持っているため

その価格を許されている部分があるので、

KTMのブランド力でこの価格帯で戦うには少し苦しい感じがする。


しかしながら走りの面での性能が素晴らしいことは保証できるので、

80万程度の価格差は気にならないほどのリッチマンで、

他人と被らないバイクがほしいというライダーには

KTM 1190 アドベンチャー は大いにお勧めできる。











































コメント
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