イラク人女性シンガー、アラブ圏のPOPコンテストで優勝 (アル・ジャジーラ、BBC)

ベイルート(レバノン)で行われたアラブ版POPアイドルコンテスト最終選でイラクの女性シンガー、シャダ・ハソウンさんが、ほかの3人(エジプトとレバノンの男性とチュニジアの女性)の決勝進出者を抑えて優勝した。
シャダさんは、優勝が決定しファンがステージ前に詰めかけると、イラクの国旗を身体に巻いて涙を流しながら喜びを表現した。
治安上の問題で、イラクで唯一、安全に屋外の巨大スクリーンでライブを見ることが出来る北部クルド人自治区では、シャダさんの優勝に詰め掛けた人々が跳び上がって喜んだ。
シャダさんは「私に投票してくれたイラクの人々に私は心から感謝したいと思います。人々が置かれた現在の厳しい状況の中、私の優勝に喜び、微笑んでいることを私は感じることができます。そんな人々を幸せにすることが私の夢なのです」と語った。(アルジャジーラのサイト、BBCのサイトから)

今までに会ったことがあるイラク人は、みんな「自分は○○派である以前にイラク人だ。シーア派であるとかスンニ派であるとか、クルド人であるとか、そういうことで争うのは多くのイラク人の望むところではない。宗派間対立はイラクに混乱をもたらすために外部の勢力によって作られたものだ」と言っている。今のイラクに必要なものはたくさんあるが、市民レベルでの統一を願う気持ちもその中の重要なものだ。
たかがPOPアイドルコンテストかもしれないが、これが人々の心を大いに励ましたことは確かなことだ。
イラク支援も彼らの励みとなるよう、市民に直接届くものでありたい。