適当に快適

の~~んびり、充実した日々を過ごしたいなぁ。

クッキング

2022年09月10日 17時55分47秒 | Weblog
外出がままならないこともあり、
最近は家で食事を作る機会が増えた、
と言う方も多いでしょう。
飲食店での外食に対し、
自宅で調理して食べることを内色(うちしょく、ないしょく)と呼ぶそうです。

コロナ禍でのあるアンケートによると、
約70%が「家族で料理を作って楽しみたい」と回答。
窮屈な生活の中でも、
多くの人が家庭でクッキングを楽しんでいることが伺えます。

ハーバード大学の生物人類学者リチャード・ランガムは、
調理こそが人類進化のきっかけであったと述べています。
人類は火の利用、
つまり食物を調理することを覚えたことで、
1日の大半を費やしていた「咀嚼」から解放されました。
すると、
より多くの食料を得ようと、
体力のある男性が遠くまで狩りに行き、
持ち帰った獲物を女性が調理すると言う分業と協力が徐々に定着。
現代のジェンダー観や結婚制度に至るバックボーンも、
ここに起因すると言うのです。
さらに、
消化器官で消費されていた多くのエネルギーが脳に注ぎ込まれるようになり、
人の脳は飛躍的に発達。
動物と人との違いが、
決定的なものとなりました。

ところで調理と言う行為は、
非常に高度な情報リテラシーを必要とします。
献立を決め、
いくつもの食材を揃えて、
それぞれ違った方法で加工し、
盛り付けの美しさや食卓に出す温度も計算して。
と言うように、
効率とタイミングを計って、
いくつもの作業を同時進行しなければなりません。
調理中の脳の活動を詳しく調べると、
特に前頭前野が活性化していることがわかります。
前頭前野とは、
「記憶する」
「判断する」
「応用する」
「アイディアを出す」
「感情をコントロールする」など、
人が人らしくあるために重要な働きを担う脳部位。
調理と人間らしい高度な脳機能とは、
やはり関係が深いようです。

このような反応と行動の関連性を応用して、
近年は「料理療法」や「調理訓練」といった試みが盛んです。
調理することそのものが、
脳機能の維持改善に役立ち、
QOL(人生の質・生活の質)を向上させるなど、
高いリハビリ効果が期待できます。
実は普段の調理でも、
エクササイズや脳トレとしての効果が十分に得られているのです。
重い鍋を持ち上げたり、
繊細な包丁さばきで食材を切ったり、
フライパンを振ったり。
こうした動作は、
筋力や集中力、瞬発力を駆使したエクササイズに匹敵するそうです。
また味付けや味見は、
記憶力や判断力、思考力といった脳機能を鍛えることにつながります。
さらに、
その料理が出来上がったときの達成感や、
食べたり振る舞ったりすることによる幸福感は、
脳へのご褒美。
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンやドーパミンが大量に放出されることがわかっています。
同時に睡眠ホルモンであるメラトニンも増えて、
睡眠の質が向上。
美肌に欠かせない成長ホルモンの分泌が促され、
自律神経が整うなど、
健康にも美容にも嬉しい副産物がいっぱいです。

秋は美味しい食材が盛りだくさんですから、
腕を振るってみてはいかがでしょう。
新しいレシピに挑戦したり、
誰かのために調理する事は、
脳トレにはとりわけ効果的だそうですよ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする