蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

親族の基本構造 族内婚族外婚の章4(最終)

2021年05月17日 | 小説
(2021年5月17日)このスライドは前回(5月16日)投稿で発表しております。解説はこの回でとしました。「親族の基本構造」には2の大原理を提案しています。
1 近親婚の禁止(原則と制度)
2 交換の原理(不等価、相互)


その2を左右端において、内側にそれら理念を形態化する「制度」を起きました。中央の柱は両の制度を融合させた社会制度となります。


このスライド内容が本書前半の60頁文のまとめとなります。
序章(inroduction)で近親婚の禁止という理念を確立した。系統(filiation)を決め、族外婚制をとる。当然、女(嫁)の手当を他集団からの前提に成立する、「バンド」数家族単位の集団の社会制度を生んだ。この族外婚バンド単位と女交換が文化の魁とレヴィストロースはしています。
序章で文化以前の「自然」について言及しています(親族の基本…投稿初回1月5日以降を御参照)。それは世代再生産においては系列(遺伝)にのみ拘泥し、配偶には無頓着の状態としました。彼は「子は親から生まれ、親に似る」と自然原則を説明しています。文化は「遺伝」には無力です。そこで配偶を選ぶ工程を作り上げた。
「近親婚の禁止」それに連なる「系列、外婚集団」と「同盟、女の手当」の創成となります。これも文化です。

スライド最終の列には族内外婚を包括する集団と不等価交換を巡回させる集団(交差イトコ婚)を位置づけました。交差イトコ婚は貰ったら贈る、贈らないと貰えない、すなわち限定交換の「交換様態の限定」モードを実現した制度です。

本投稿で限定交換、その概念説明を終了いたします。
族内婚族外婚の章4(最終)了(2021年5月17日)

次回(21日を予定)には各論としてMurngin 族(オーストラリア先住民)の婚姻制度、限定交換の綾織り模様、極致の親族と交換の構造を説明します。お楽しみに。


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