宮古on Web「宮古伝言板」後のコーケやんブログ

2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

▲宮古湾の津波防災はどうあるべきか?

2012年01月28日 | どうなる避難対策

1,閉伊川河口水門 2,宮古湾のディレクション 3,鍬ヶ崎の防災施設


3、鍬ヶ崎地区の津波防災施設



前回、津波の破壊力を殺ぎ、威力を河川や平地へいなす方法についてのべた。その観点から、宮古湾のあるべき津波防災施設についての考えをなるべく具体的に述べたいと思う。一つは鍬ヶ崎地区の例であり、もう一つは普代村の例である。宮古湾の津波対策構想、つまり宮古湾防災グランドデザインができたなら、それと同一歩調で、地区地区においてそれぞれのハード構想をもつべきである。


a、鍬ヶ崎地区の複合防災施設について、実用施設/防災施設

─以下、導入部として、当ブログ<「灯台のある防波堤」は消えた(2011.6.6)より引用─

 
 
ありし日の防波堤(漁師の徒然なるブログ-2010.1.7より)


3.11津波の前、岩手県は鍬ヶ崎地区沿岸で、1)鍬ヶ崎防潮堤計画、2)出崎埠頭の延長・親水開発、3)龍神防波堤の強化──を行っていました(一部完成、一部進行形、一部計画中)。で、これら県の事業は3.11の津波でわずかに磯鶏/藤原地区とその港に効果があったと言えるかもしれない(?)が鍬ヶ崎地区とその港まわには何の効果ももたらさなかった。人は当地区の被害状況をつぶさに見て確かめるべきである! 津波は「灯台のあった防波堤」をなぎ倒し、岸壁をのみ込んで、直接、鍬ヶ崎市街地に押寄せた。壊滅的被害をもたらしたのである。その時も、3事業はそれぞれ連携なしにバラバラに行われており、相互に連携がなかっただけではなく、地域にも、津波にもディフェンス面で少しも関係する事がなかったのである。まさに3事業それぞれが、希望のない、事業のための事業であったからであるといえる。

特に「灯台のある防波堤」には連携の手がさしのべられず、管轄外として3事業の視野にさえ入っていなかったようである。あのようにもろくも崩れるものなのか? 数十億円、数百億円規模の県の宮古港湾事業の中で、この防波堤の強化、改修には目的的予算は何もついていなかったのである。この防波堤の始まりは昭和の初めだったろうか?この防波堤の今に至る経過は真剣に議論される事もなく,宮古港湾全体の中の位置づけ意味づけも通り一遍でずさんで、強度調査も環境調査もまともに行われず、「灯台のある防波堤」は全く無視されてきたといえるのではないか。これは港湾内諸施設の連携あるいは役割ということを考える事なくその場当たりの計画を主導する岩手県(庁)の計画のせいであろう。地域住民の意向を軽く見た官僚行政の末路であったと言える。

鍬ヶ崎地区と港にとって本当は計画の中心になければならなかった「灯台のある防波堤」は津波によってあっけなく破壊されたが、私はこれは役人にシカトされた人災だと思っている。また鍬ヶ崎には政治的力がなく上の方の指導力、住民の団結力も鍬ヶ崎地区になかったという事でもある。今、「灯台のある防波堤」がこんなにも弱々しく、同時に鍬ヶ崎地区とその港にとって中核的に最重要施設であったことがはっきりわかった。敢えて津波のためとはいわないが港湾諸施設や岸壁に対するルーチン的防波堤として原点に返って再興しなければならないだろう。津波対策の諸策、廃止を含めた3事業の根本的見直しは平行して進めなければならない。…宮古港湾全体のグランドデザインが先決か?とも思う。

(引用、以上)



──引用は本文の観点とはやや異なるが、要件はここの引用にそろっている。つまり、県や国や市の事業がばらばらで、赤い灯台のある防波堤,鍬ヶ崎防潮堤,龍神防波堤,出先ふ頭の各事業,各施設が相互に連携していなかったことである。これらの施設が連携して津波に立ち向かえばおどろくほど効果的に津波の偉力を殺ぎ、いなすことが出来たはずである。鍬ヶ崎地区沿岸のこのような事情は脱防潮堤防災のよい先例になるであろう。いやいや宮古湾防災グランドデザイン創造のよい糸口になるのである。

(1)特に震災後のいま現在、宮古港第一の実用施設である 赤い灯台のある防波堤(鍬ヶ崎防波堤)が急遽再建されようとしているが、今大事な事は実用の防波堤として再建されるとしても、それだけではない。同時に、津波(を殺ぐ)防災施設としての中心の役割をもたせるための工夫,設計が同じように大事だという事である。鍬ヶ崎地区の最重要防災施設として地区とその港のために、大きさ、強さ、形状は前の堤防と大きく変わるものでなければならない。
あわせて津波対策としては、龍神堤防、出先ふ頭との連携で、その二者の設計変更、ならびに三者の配置について充分に検証して津波防災に120%の効果を発揮するようにしなければならない。

(2)龍神堤防

(この項 次ページにつづく

 


 

 

 

 


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