宮古on Web「宮古伝言板」後のコーケやんブログ

2011.6.1~、大津波、宮古市、鍬ヶ崎、蛸の浜、浄土ヶ浜、復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。

要望書(知事)回答書(2)

2015年03月27日 | 鍬ヶ崎の防潮堤を考える会

前ページよりつづく


知事「回答書」の解説ならびに反論(つづき)

鍬ヶ崎の防潮堤を考える会



2  宮古港海岸鍬ヶ崎地区における防潮堤の構造について 

当地区における防潮堤の構造については、上記の説明会において、標準的な断面や杭式の直立堤を採用した理由、プレキャスト製品を採用した理由等について御説明したところ です。

やたら「上記の説明会」(平成 26 年 11 月4日、宮古市役所大ホール)を引き合いに出して「御説明したところです」を頻発させているが、それほどの説明会ではなかったのです。だいいち貴殿はこの説明会に出席してないし貴殿が説明したわけでもないのに説明会を買いかぶるのは奇異です。岩手県が鍬ヶ崎防潮堤について鍬ヶ崎地区住民、宮古市民に説明会をもったのはこれは2回目、1回目は同所で平成25年11月22日です。1回目2回目のリンクを辿れば分かる事ですがそれぞれ2時間ほど、1回目はほとんどの時間日立浜の船揚場の沖出しの説明でした。質疑応答をふくめて足掛け2回でトータル正味3時間もなかったでしょう。内容的には、私たちが聞いた限りプレキャスト工法による逆T字型防潮堤のメーカーの説明と同じ内容の説明でした。(説明する側も同感ではなかったですか?)。ごくごく表面的な説明だったのです。震災後満4年の中でのゴミ程度の時間割で、これまで防潮堤の無かった鍬ヶ崎地区に巨大防潮堤を新規に建設するのに叶う説得的な説明ではなかったのです。

プレキャスト工法の「もろすぎる心棒鋼管」や「ばらばらの寄せ木細工構造の強度は弱すぎる」という指摘には何ら答えていない。どうするのですか?


御指摘の扶壁(かすがい的斜め壁)は一つの手法でありますが、当地区で採用している逆T型の構造は一般的に用いられている構造の一つであります。今回採用した工法は、定められた基準に基づいた構造計算を行っており、津波によって作用する荷重に耐えられる設計となっています。

先の津波で、(100年来の)あらずもがなの「定められた基準に基づいた構造計算」は粉砕、壊滅させられました。今さらなんなんですか?! そんなものはもう無いのです。まさに、逆T型の構造は、津波によって作用する荷重に「耐えられない」設計となっているのです。ここでは、貴殿のいう荷重は上からの力、津波の本当の荷重は横からの力、とだけ言っておきます。


3  今後の対応について

平成 26 年 11 月4日に宮古市役所大ホールで開催した説明会において求められた地質調査結果については、説明会の際には提供について検討すると回答したところでありますが、 平成 27 年2月 19 日に地質縦断図を貴会に御提供したところです。

ここでも陶酔型説明会の自己過大評価ですか? ちなみに平成 27 年2月 19 日は私たちが県宮古土木センターに拙速工事の中断を初めて申し入れた日です(仏滅の日々)。特別にそのために「地質縦断図」をご提供された日ではありません。拙速工事の抗議と中断を申し入れたときに、ついで振りに、ぞんざいに手渡されたものです。図面の説明も解説もありませんでした(市民に向き合わない姿勢)。素人にはなにがなんだか分からない図面です。渡されたA3判のコピー図面1枚を更に何枚もコピーして3日3晩みんなが読みふけりましたが大した成果はありませんでした。(というのはウソ、大いに分かってきたものもありました。例えばボーリング調査が中途半端で終わっている事などが推測されます)。


「調査地地質縦断図」(A3判大、右側に「凡例」欄あ

注意)縦縮尺1/200、横1/5000 つまり横巾はこの25倍長 

(請求先:岩手県・宮古土木センター(0193)65−0032)

 

鍬ヶ崎地区の防潮堤計画については、平成 26 年 11 月 4 日に開催した説明会において防潮堤の構造等について御説明し、「1日でも早く防潮堤を整備してほしい」という御意見を頂戴するなど概ねの御理解をいただいているところです。 

またまた大うぬぼれの針小棒大説明会の説明ですか? カンベンしてください。私たちも会場でそういう強い意見を聞きました。「概ね」がどんな事か分かりませんが1人か2人でした。宮古市内や鍬ヶ崎地区で他にもそのような方がいらっしゃる事も知っています。しかしその人たちとて貴殿のために存在しているわけではないのです…


今後も県では、事業の進捗に応じて広く皆さまに情報提供を行い、さらに御理解を深めていただくよう努めながら、事業の進捗を図っていきます。 

鍬ヶ崎防潮堤の中味の無い空疎な「進捗」は直ちに中止するべきです。民意と合意形成出来ないままの勝手な工事は許される事でないのです。どこのだいに他人の庭先に無断で巨大なくいを打つ人がおりますか? 直ちに中止するべきです。

工事中止と同時に、岩手県は鍬ヶ崎防潮堤について原点に戻って地区住民の意見に耳を傾けて津波防災の合意形成につとめるべきです。前ページの小見出し的二三の「再要望」に答えるほか、私たちの「要望書」にまともな回答をする事です。現場の言い訳のベタな鸚鵡返しではなく、知事や行政幹部としての対象的な回答、オープンな釈明です。


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(参考)鍬ヶ崎海岸地層縦横断イメージ

 


註 1)外観的にも宮古港海岸の岩盤地層は北方からの、また陸地側からの急峻な土地構造に連なっており、岩盤が切り立って海に落ち込んでいく岩層を想像できなければおかしいのに、岩手県はそのための準備を何もしていない。ユニット巾 6 m、逆T字底版奥行き 7 m、用地巾10mを無視する事は許されないことだ。その範囲で海底岩盤地層は大きく上下している…(前ページより)

註 2)地区住民としては縦断岩盤層のデータやデータ図面の他に「横」断岩盤層のデータやデータ図面がなければ何も分からない。逆T字型直立式の構造から、縦断データ(図)が1稜線であるはずがない。少なくとも鋼管杭の並ぶ縦断2稜線(7m巾)データが揃うものでなければならない。縦断稜線をより確定するための横断データ(図)は鋼管杭の間隔(縦断2稜線=7mより、より大に稜線調査をする必要がある。敷地巾10mを最低イメージするであろうがそれではとんでもなく短い。鋼管杭を支えるに足りる岩盤の地形(厚さ)を見極める必要があるからである。縦断データより横断データの採掘の方がこの土地の急峻岩盤層を把握するには自然な方法である。横断データで一層大事な事はその稜線データの本数である事は誰でも分かると思う。最低でも鋼管杭の横断本数とおなじ532本以上の稜線の岩盤のしっかりした稜線データ(図)が揃うものでなければならない。

註 3)ところが岩手県はそのボーリング調査をやめて(併用してなどと言い方を変えるであろうが)鋼管杭の打ち込みを優先させる方法をとろうとしている。時間的、空間的最小限、短絡、省略、省力化、合理化、のためである(等と言い、私たちもそう理解しようとするがそうではない。そうせざるを得ない理由が別にあるからである…)。しかしそのようなめくら打ち込みをするためには鋼管杭の長さを当初の調査や推測より基本的には(アバウト調査、アバウト推測の悲しさで「短く」ではなく)長く深く打ち込む必要がある。ユニット単位で長さを前後左右の鋼管杭に最長で合わせる必要があるからである。その結果、おそらく鋼管杭の埋設量は必要量の2倍近くに達するのではないか? いずれにせよ膨大な量の鋼鉄、セメント、錆び止め薬品等、を鍬ヶ崎海岸に投棄する事になる。メーカーは喜び、建設会社は意気込む、役所も国家予算消化可能で胸を撫で下ろす。県民と国民に対する岩手県知事の背任…


註 4)結果としてなにが起こるか? ハード面から順番に…

1、鍬ヶ崎海岸の鋼管杭倍増投入による海底自然の破壊 埋設工事破壊と慢性的腐蝕破壊

2、地震による鍬ヶ崎海岸線の自然崩壊 地脈破壊、地盤の弛みによる

3、津波による鍬ヶ崎地区の壊滅 防潮堤の倒壊による

4、鍬ヶ崎地下水系の変調 枯渇、汚濁、地盤・地表への影響

5、港内海水の汚染 鋼管杭埋設汚泥、鉄錆、セメント・コンクリートによる港湾海水の強アルカリ化(六価クロムなど)、錆び止め等薬品

6、宮古湾、外洋の慢性的海水汚染 環境ホルモン、海の自浄作用の退化

7、磯焼け、漁業被害 磯漁業、沖合漁業の壊滅

8、住民の健康被害


註 5)土木工学的結論 逆T字型直立式プレキャスト工法は横からの津波の襲撃力に弱く、鍬ヶ崎海岸はその急峻、複雑な深層岩盤地形のために鋼管杭工法には向いていない。(正しくは「鋼管杭工法は鍬ヶ崎海岸には向いていない」というべきであるが…)──岩手県がボーリングによる鋼管杭支持地層調査を放棄したがる理由ははっきりしている。地層そのものがボーリング調査を受けつけないからである。考えて見れば鋼管杭の打ち込みとボーリング調査は似ている。完璧な杭(くい)打ち込みと完璧なボーリングは同じものなのである。それが出来ない理由は専ら鍬ヶ崎の地層にある。原理的には出来ない事ではないがあまりにも杭の本数が多くボーリングの本数が多すぎる。時間、経費、労力の生産効率が悪すぎる。ほとんどどこかでごまかすか、意識して不正をするか、アリバイ作りでよしとする姑息さをするか、そのような予感にまみれて人間的には無理な作業工程となるのである。現在追加しているという50m間隔のボーリンング調査も納得できるデータは量の面からも質の面からも期待は出来ない。そもそもの大甘の初動が間違っていたからである。大きくふりだしに戻るしかない。


 



 


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