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創業106周年きものと洋服のお手入れ専門店 一級染色技能士の仕事事例と日常生活

しみ抜き屋さんのやらかし 振袖長襦袢 黄変しみ 薬品残留による脆化(穴開き) 丸洗い 正絹素材

2024年02月28日 | 着物(丸洗い・しみ抜き)

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

お母様の振袖長襦袢を娘さんが着用する為にの丸洗い・しみ抜きの依頼があり、

検品すると各所に黒くなったしみがあちこちにありました。よく見ると黒いしみの

部分に穴が開いていました。

振袖長襦袢

ママ振袖長襦袢です。

振袖長襦袢 古い黄変しみ

黒いですが、古い黄変しみです。

何か違和感があります。長襦袢ですので汗が付着する事があってても食べこぼしの

しみなどが付着する事はありません。食べこぼしや汗の場合は黄褐色のしみになりますが

この様に黒くなる場合は血液やしみ抜きで使用する強酸の系の薬品を使用して水でゆすぎますが

ゆすぎ出しが不十分だったりしみの部分に強酸を塗りそのまま乾燥してはいお終いといった

処置をしているしみ抜き業者がいた事も私自身目撃しています。

振袖長襦袢 黄変しみ 薬品残留による穴開き

老眼鏡を掛けて作業をしていますが小豆粒位の大きさです。

穴開きがある黒い黄変しみを除去しようと黄変抜き剤を付けて熱でも掛けると

大豆粒位の穴開きになってしまう所でした。

振袖長襦袢背中(表側)黒い黄変しみ

振袖長襦袢背中(裏側)黒い黄変しみ

表側から見ても分かりずらいですが裏側から見ると穴が開いている事がよく分かります。

振袖長襦袢背中 穴あき

こちら穴が開いています、反対側に蛍光灯で透かして見ると良く分かります。

丸洗い(ドライクリーニング)後にしみ抜きをしようとして自分の胸の中に

違和感があり、長年の経験からの警戒アラートが発砲しました。

少し調べてみましたが、今回のピンクの長襦袢はローダミンと言う発色性の良い

塩基性の染料を使用しています。おそらく染ムラが発生して産地の染色補正業者が

強酸の薬剤の蟻酸とメチルアルコールを使用して染料を溶かし出した後に水で

ゆすぐ事無く乾燥して納品したと考えられます。商品となる前なのでしみ抜き後に

全国に商品として流通していくので、産地の染色補正に携わる職人はクレーム品として

自分の所に返って来る事が無い為にこの様な無責任な仕事が出来たと思います。

自分は修行時代に初期の段階で師匠から「しみ抜き作業で使用した薬剤は責任を持って

生地からゆすぎ出す事」と厳命されていた事を改めて再確認をして、亡き師匠に

お礼と感謝の祈りを胸の中で行いました。

振袖長襦袢 仕上げ後の穴

丸洗いで穴が広がる事は無かったですが、しみ抜き作業を行うと穴が大きくなる為に

しみ抜き作業をしないいで、仕上げ(プレス)を行って納品となります。

振袖長襦袢 仕上げ後

若干の心残りの仕上がりですが、穴あき事故を未然に防げたので自分を褒めてあげます。

消費者にしわ寄せが来ない作業する事を再度確認知る事となりました。

 

着物と洋服のお手入れは

厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる

山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。

〒062-0902

札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号

電話011-811-6926 FAX011-811-7126

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休日 日曜・祝日

メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp

ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp

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