「あ、まだ17時半なのにもう外は真っ暗ですね」
客人が突然発したこの言葉につられて窓を見てみると、黒い紙を貼ったかのように窓は黒く塗りつぶされていた。「秋の日はつるべ落とし」とはよく言ったもので、ついこないだまでこの時間の窓は、薄ぼんやりとしたオレンジ色に彩られてた。
このペースで一日の日照時間が短くなっていくと、冬至の頃には15時あたりに日没してしまうのではないかという錯覚とも言える不安が沸いてくる。秋も深まった、というよりは深みに堕ちていく、と言うべきか。
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小説調で書くのがつらくなってきたのでこのあたりで止めるが、とにかく読書の秋なのである。というか、最近リサイクルショップのハードオフに行って中古機器を色々漁ってたときになんとなく衝動買いしたこの電子ブック。発売当時は4万くらいしたはずだが、中古とはいえ8000円くらいで売ってたので思わず購入。
せっかく買ったから → 読書しなきゃ → そういえば10月 → 読書の秋ですね
という感じで思いっきり後付けである。
早速色々読んでみようと電子書籍サイトを見てみる。ていうか僕は恥ずかしながら殆ど読書をしなかった男で、これを機会に読書も趣味のひとつに入れようかと。
文庫本になってそうな古めの本は500円前後。新しいのは1000円くらいするようだ。製本代がかからない割にはちょっと高くないかい?なんて思いながら有名そうな作家や「ベストセラー」とか書いてある書籍をいくつか買ってみる。ちなみにマンガも沢山ある。
購入後、さてSDカードに転送するかと思ったらけっこう著作権的なガードが厳しいようで、パナソニック純正の「著作権保護機能付きSDカードリーダー」が無いと転送できないようだ。むかつきながら2000円で買ってくる。
液晶は1024×768ピクセルが見開きで2枚。事実上2048×1536ピクセルになるわけで、非常に高精細。新書程度の文字数・大きさで読めるし、マンガも問題なく読める。表示を切り替える時にしか電力を消費しない記憶型液晶を採用してるので、電源スイッチも無いし、電池は3ヶ月くらい持つらしいし、かなり「本感覚」で使えるデバイスのような気がする。
だめっぽいところもいくつか挙げると、白青の液晶は普通の蛍光灯下では読みやすいが、電球一個みたいな暗めの部屋だとちょっと読みづらい。バックライトも無い。
あとページの切り替えが遅い。普通に読み進んで行く分には何の問題もないが、数ページ一気に進んだり戻ったりしたいときはかなり待たされる。
電子ブック機器は他にもいくつかあって、カラーだったり多機能だったりしてシグマブックはすでに過去の遺物となってるようだが、普通の本同様の見開き型で、超高精細なのはこのシグマブックだけなのでちょっとお気に入り。
ていうかシグマブックがどうのこうのというより、読書自体が楽しい。笑ったり、ため息をついたり、号泣したりして毎晩過ごしてる。
と、思ったが電子書籍を購入する意味ってなんだろう?と、使い方も分かって落ち着いてきた現在、ふと考えてみたりする。突然購入して突然読めたり、かさばらない、という事だろうか。そのくらいしか思いつかない。
あとは大して安くないし品揃えも良くないし、面白いなあと思った作品を人に貸すのも困難だし、うーん、難しいことを考えるのは止めよう。
ちなみに僕の自宅は2件の古本屋に挟まれてます。