ハワイに「ロス」と言うアウトレット店がある。" Ross Dress for Less "(衣類が安い店)とあるから、もともとは衣類の専門店だったのだろう。
ダウンタウンにひっそりあった店で、ローカルの人たちには人気があったが、今のように日本人が押し寄せるというようなことはなかった。日本人女性の間にあそこに行けばいいものが安く買えるよとか情報が拡散していったのか。
一度など店内をそれとなく見て歩いていたら、ヘザートン夫人にばったり会ったことがある。お互いびっくりしてしまったが、" I often drop in here. "(私は、よくここに来るのよ!)とか言っていた。
台湾からの留学生レイ・ファンにもロスの店内で会った。" I enjoy shopping here. "(ここで買い物を楽しむの)とか言いながら立ち話をした思い出がある。彼女はいまは母国で大学の教授になっている。
最近はどこで聞いたのか日本人の若い人たちがやってきだしてなんか訊いてみたら、日本で発行されているいろんなクレジットカードも使えるそうで、ひょっとしたら日本人で稼いでいるのかなどと思ってしまった。
気をよくして、あちこちに支店を出してもちろん日本人観光客が集まるワイキキにも出店した。
ロスは、今や事業を拡大してあちこちに支店を出している。自分が知る限り、カイルアにあるし、ウオードの近くにも、ワイキキにもあって、パールリッジ、ハワイカイにもある。 日本にない日常品、珍しい鞄、靴、キッチン用品、化粧品などさまざまなものがある。
日本人は知らないと思うがここには特典があって、シニアの人たちが買い物をすると、火曜日は10%引きなのである。したがって値のはる買い物をするときは、別の日は見るだけにしておいて、火曜日にまとめて買うと得になる。
レジで「シニア」であることを証明する「フォトID」か「免許証」、または日本人だったら「パスポート」を見せればいい。「バスの定期」にも写真が写っているのでシニアの場合バスパスを見せるだけで10%引いてくれるからかなり得になる。
カハラに「バーンズ・アンド・ノーブル」(Barnes & Noble)と言う本屋があった。暇な時間をここで過ごすことが多かった。友人たちとの待ち合わせ場所にもしていた。ここで本を読んでいれば、待ち合わせの相手が少々時間に遅れてきても気にしないでおれた。
ところがこの店が閉店してしまった。ブライアンともここでよく待ち合わせをした。カハラでマージャンするグループがいて、時間決めここで待ち合わせて一緒にレストランに行った。そんな思い出でいっぱいのとこらだったので、なくなってしまって本当に残念な気持ちである。
実はこの店の跡地にできたのが「ロス」なのである。