夜なべのする昭和に祖母のありにけり
鼻唄が背より聞こゆる夜なべかな
居酒屋の女将老いけり菊なます
昼酒は何故にかく酔ふ菊なます
秋麗や眠気の誘ふ大あくび
秋麗やゆうらりゆらと鯉二匹
冷やかや税軽減は酒になく
身に入むやトドワラに見る生の果て
ぎ草てふ名の今年米故郷便り
身に入むやありし日の康成の部屋