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【九七】ぎっしりと敷き詰められる

 密接しているコーンの粒はひとりでに増えていくのではないか、はなから栽培などする必要はないのではないか、などと疑問に思われるかもしれない。コーンの粒は互いに議論をする【一○二】ことで自己が複数存在することを知り、各々が瞬間的に連続した存在であると解釈しあうので自然増殖はしない。まれに衝突自己が起きる程度である。ただしコーンの数だけの視覚対象を同時に欲するため、対象に残像現象が生じると、自然色素【一四八】によって形作ったミニチュアを、粒の内部からレンズ効果で等身大に押し出そうとする。その際には多大な伝気エネルギーを消費するため、商業利用されるまでは栽培にあたった農奴が稀に増殖する程度だった。伝気エネルギーの元となる伝聞質に富んだ芋類も、トウモロコシ畑を避けて栽培されてきたのだ。

リンク元【九三】
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