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【54】やはりどうしても食べられないのだった・名誉を失墜

 最初はまだ癒着していなかった左右の口がずれ動いてしまうせいだったが、癒着してからも食べることができず、妻の手料理こそがわだかまりになっていたのだな、と結論づけたヤシモト顧問は大いに夫人を悲しませたのだった。実際のところは顧問の舌に敷き詰められた味蕾の配列が、まだ存在の知られていない銀河【65】を表象していたためであることを、彼の同僚である足跡研究所のエロシェンコ研究員が、ヤシモト顧問の靴底(ソウル)を人知れず使った天体観測の過程で発見した。だが倫理観にもとるその研究手段が学会で物議をかもし、名誉を失墜したエロシェンコ研究員は自宅近親【160】を強いられることとなった。

リンク元【44】ヤシモト顧問・ヤナーチク大人

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