年が明けて、新しい罠を仕掛けた。
炭焼き窯へ行く林道の入口付近に、昨年末、ヒトッちゃんと一緒に作ったものだが、1月12日、ストッパーをはずし、エサの古米を檻の最奥、真ん中、入口の内側、入口の外側の順に量を減らしながら撒いた。
これ以降、鹿や猪が檻の中に入り、檻の最奥部に積まれているエサを食べようとして、鼻面(か前脚)で仕掛けをグイッと押すと、背後の入口の鉄格子が情け容赦なくガシャーンと落ちる。鹿や猪はパニックに陥り、檻の中でうろたえ暴れる。少し離れた山の斜面のどこかから、母親か兄弟姉妹の呼ぶ声が聞こえるなか、猟師が罠に近づいていくと鹿や猪は渾身の力を振り絞って暴れる。猟師は感情を殺して槍で止め刺しする…。
そういう場面がまた再現されるのだなあ、というどこか重たい気持ちを感じながら、覚悟を決めてストッパーをはずすのだ。
翌朝、檻を見回ると、入口の内側20~30センチくらいのところに鹿の足跡がついていて、入口付近の餌が食べられている。
大きな足跡。
あいつかもしれないな…。
炭焼き窯への行き帰りに里まるのメンバーの多くが目撃している、立派な角を持った大きな鹿。
さらに次の日、大きな足跡は、檻の入口の内側50センチほどのところにためらいがちについていて、真ん中へんのエサが少し食べられてある。たぶん、明日か明後日、獲れるだろう。
翌、早朝、ラク(犬)の散歩から帰ってきた舎長が、いくらか緊張気味に「入っている」と告げた。
今期、5頭目の鹿。これまでで最大。
檻の中で動き回るさまは「牛みたいだ」と思った。
角も立派だった。三股の角の鹿は初めてだ。
写真の向かって左が、昨シーズン獲った若い牡鹿の角、真ん中が去年11月に獲った鹿の角、そして一番右側が今回の鹿の角。
二日後、川から上げ、皮を剥いで、肉を取った。背ロースのお尻に近いところから、幅10センチ、厚さ2センチほどの肉を切り分けておいて、仕事がすんだ後で土間のルンペンストーブの上に置いたフライパンで焼いて食べた。ニンニクとバターと塩と胡椒だけだったがうまかった。
その後、若い牡鹿を獲った。これで今期獲った鹿は6頭になった。
炭焼き窯へ行く林道の入口付近に、昨年末、ヒトッちゃんと一緒に作ったものだが、1月12日、ストッパーをはずし、エサの古米を檻の最奥、真ん中、入口の内側、入口の外側の順に量を減らしながら撒いた。
これ以降、鹿や猪が檻の中に入り、檻の最奥部に積まれているエサを食べようとして、鼻面(か前脚)で仕掛けをグイッと押すと、背後の入口の鉄格子が情け容赦なくガシャーンと落ちる。鹿や猪はパニックに陥り、檻の中でうろたえ暴れる。少し離れた山の斜面のどこかから、母親か兄弟姉妹の呼ぶ声が聞こえるなか、猟師が罠に近づいていくと鹿や猪は渾身の力を振り絞って暴れる。猟師は感情を殺して槍で止め刺しする…。
そういう場面がまた再現されるのだなあ、というどこか重たい気持ちを感じながら、覚悟を決めてストッパーをはずすのだ。
翌朝、檻を見回ると、入口の内側20~30センチくらいのところに鹿の足跡がついていて、入口付近の餌が食べられている。
大きな足跡。
あいつかもしれないな…。
炭焼き窯への行き帰りに里まるのメンバーの多くが目撃している、立派な角を持った大きな鹿。
さらに次の日、大きな足跡は、檻の入口の内側50センチほどのところにためらいがちについていて、真ん中へんのエサが少し食べられてある。たぶん、明日か明後日、獲れるだろう。
翌、早朝、ラク(犬)の散歩から帰ってきた舎長が、いくらか緊張気味に「入っている」と告げた。
今期、5頭目の鹿。これまでで最大。
檻の中で動き回るさまは「牛みたいだ」と思った。
角も立派だった。三股の角の鹿は初めてだ。
写真の向かって左が、昨シーズン獲った若い牡鹿の角、真ん中が去年11月に獲った鹿の角、そして一番右側が今回の鹿の角。
二日後、川から上げ、皮を剥いで、肉を取った。背ロースのお尻に近いところから、幅10センチ、厚さ2センチほどの肉を切り分けておいて、仕事がすんだ後で土間のルンペンストーブの上に置いたフライパンで焼いて食べた。ニンニクとバターと塩と胡椒だけだったがうまかった。
その後、若い牡鹿を獲った。これで今期獲った鹿は6頭になった。