遠方からの客

客というか親戚が来たので
実家に行った。

私を含めて大人が五人。

昼日中からすき焼きをアテに宴会が始まる。

父が用意したのは日本酒とビール。
え～ワインないの？とブーブー言う私の口を塞ぐため
１０００円札が渡され、コンビニで買って来い！と
指令が出る。

１０００円でワインが買えるご時勢になりました。
昔はワインは高級でリッチなイメージがあったけれど
最近はすっかり庶民の味方。

輸入ワインを自社でブレンドし日本人の口に合うように
調節されたテーブルワインを私は好きだ。

安い、安いよワイン君。
ワンコインで余裕で買えるその手軽さが好ましい。
１０００円でおつりが１５０円。
それは二本のお値段です。

高けりゃいいって物でもなし安けりゃ悪いって事もなく
味と好みで食べ物の価値は決まるのだ。

ビールももちろん発泡酒。
飲む人間が納得してれば無問題。

そして牛肉。
この論理で行けばオージーちゃんを使いそうなものだが
ここは国産牛肉がお目見えなのだ。

実家の近所のお肉屋さんは
ウソ～と言いたくなるぐらいお肉が安い。

見た目同じ牛肉をデパートで買えば
きっとグラム辺り２００円は違うと思う。

牛肉に関して国際間の軋轢が
新聞を賑わすことが多いですが
やっぱり牛肉は国産が美味しいよね～と
普段、オージーちゃんしか食べれない私は思ってしまうのだ。

食卓に上る国産物と輸入物。
味、値段、ブランド、そして安全。

それらのどれに重きを置くかは個人の価値判断。
選択肢が多くて迷いそう。

イギリス生まれのひよこちゃんが大きくなって生んだ卵に
国産牛肉を放り込んでそのまろやかな味わいを楽しみつつ
日本の食卓事情を輸入ブレンドワインに酔った頭で考えている。