肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『デイ・アフター・トゥモロー』、観ました。

2005-09-25 21:04:30 | 映画(た行)
デイ・アフター・トゥモロー 通常版

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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 『デイ・アフター・トゥモロー』、観ました。
地球温暖化が原因で世界各地で異常気象が発生。さらに地球は再び
氷河期へと突入し、北半球は完全に氷に覆われてしまう。そんな中で
ニューヨークの図書館にいて生き残った 息子サムを救いだそうと、
気象学者ジャックは凍てつくニューヨークへ向かう‥‥。
 設定に明らかな無理があるのは百も承知の上(笑)。地球温暖化が原因で
海流の異常を 引き起こし、寒波が北半球を襲い、瞬時に氷河期へと
突入しちゃうなんて、よくぞ考えついたと 感心する絵空事(笑)。
しかし、どうせ“娯楽映画”なんだがら、どうせ“ハリウッド映画”なんだから、
「そんなバカな‥」と笑えるくらいメチャクチャやってもらいたい(笑)。
うん、そういう意味ではこの映画、ボクはとってもとっても楽しめた。
竜巻でロサンゼルスが崩壊し、津波でニューヨークが水没する。しかも、
こともあろうに浸水したビルの谷間を大型貨物船が入ってくるナンセンス‥‥
観ながらオイラは口をアングリ、そして一瞬間をおいてクスリと笑った。
もしこれが新しい形のアメリカン・ジョークであったなら、我らジャパニーズは
完敗だね。だって付いていけないもの、このスケールあるバカげた発想に‥(笑)。
 さて、監督は娯楽大作にかけてはお手の物というローランド・エメリッヒ。
このドイツ人監督の特徴は、何故か“強いアメリカ”、“強いヒーロー像”が
共通する。しかし、今作に限って言えば、そこに強いアメリカは登場せず、
大自然の猛威に屈し黙って立ち尽くすのみ。デニス・クエイド扮する主人公も
『インデペンデンス・デイ 』や『パトリオット』に登場する完全無欠の
ヒーローではなく、ただ息子を助けたいと願う“父親としての顔”でしかない。
そう、この大作映画の底辺に流れているのは紛れもなく“親子の絆”だったのだ。
 まぁ、そうは言っても本作、やはり“真の主役”は最新CG技術を駆使した
災害シーンで あるわけで、肝心の親子愛がしっかり描き切れているかどうかは
定かじゃないんだけどね。むしろ、それよりボクが心動かれたのは、病院に
取り残された女医と病気の子供を救うべく留守電のメッセージだけを頼りに
表れたレスキューのオジさんだよ。もし自分がその立場であったなら‥‥、
ましてや顔さえ知らぬ会ったこともない他人のために自分自身を危険に
さらすことができるだろうか‥。もしかしたら“本当のヒーロー”とは、
彼らのように目立たずとも地道にその末端で苦しむ弱者のために活動する
人達なのかもしれないね。


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