監督: ブライアン・デ・パルマ
出演: ジョシュ・ハートネット, スカーレット・ヨハンソン
『ブラック・ダリア』、映画館で観ました。
1947年LA。身体を腰で切断された女の惨殺死体がみつかった。ハリウッド
スターを夢見ながら大都会の暗闇に葬られた彼女を、人々はブラック・ダリアと
呼んだ。やがて捜査線上に浮かび上がる一編のポルノ映画、ダリアに似た
大富豪の娘、そして彼女の一族にまつわるドス黒い秘密。事件の謎は、捜査に
あたる2人の刑事の運命をも狂わせて行く…。
観終わって映画館の席を立ち、出口に向かう人の流れに目をやれば、皆々さん、
今ひとつ釈然としない御様子。だって、それもその筈、映画の宣伝文句は奇妙で
猟奇的な惨殺死体であるはずなのに、物語は一向にサイコな展開に発展しよう
とはせず、なかなか次なる殺人事件も発生しない。映画は、甘く危険な香り、
妖しいオンナの影がチラチラ、その嘘と誘惑に翻弄(ほんろう)され、どんどん
“ヤバい世界”に足を踏み入れていく主人公、焼け落ちていくワイヤーの上を
歩いているようなスリルを感じちまう。そうさ、コイツは血の気も凍る“サイコ・
サスペンス”なんかとは程遠い、犯人捜しの“謎解きミステリー”とも違ってる。
「愛」と「金」と「欲望」の中で、男女それぞれの思惑が見え隠れする“闇の映画”。
典型的な“フィルム・ノワール”だよ。
さて、映画は上にも書いたように、当初の予想とは少しイメージが違ったが、
柔軟に頭を切り替えられれば、全く楽しめない映画ではないと思う。40年代
アメリカの埃(ほこり)っぽくて汗臭い雰囲気は、セット撮影にしたことで
映像によく表現されているし、他にもクラシカルなファッションや自動車など、
本作の楽しみ方は数多い。中でも今回、オイラが最大の見所として挙げたいのが
キャスティング。スカーレット・ヨハンソンの艶っぽさ、ヒラリー・スワンクの
妖艶な香りは、画面を通じてこちら側に匂いたち、映画全体を支配している。
この映画で残念だったのは、次々と現れて消えていく登場人物が整理されて
いないため、複雑に絡まった事件の糸が、最後の最後まで解(ほど)けずに
スッキリしない。だけど、ラストだけは無理矢理に丸く収めてしまって…、
うーん、「フィルム・ノワール」であの結末は‥‥無いよなぁ。
楽天市場ランキング・売れ筋DVD邦画トップ30
楽天市場ランキング・売れ筋DVD洋画トップ30
楽天市場ランキング・売れ筋DVDアジア映画トップ30
楽天市場ランキング・売れ筋DVDアニメトップ30
Amazon.co.jp 外国映画トップ100
Amazon.co.jp 日本映画トップ100
Amazon.co.jp アニメトップ100