肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『もののけ姫』、観ました。

2005-11-23 20:41:19 | 映画(ま行)

もののけ姫 DVD

 『もののけ姫』、観ました。
その昔、タタリ神の呪いを断つために旅立った少年アシタカは、辿り付いた
シシの森で、森の神々と人間が戦いを繰り広げているのを知る。そして、彼は
人間でありながら、森の神々に味方する少女サン、人呼んで「もののけ姫」に
出会う‥‥。
 遅れ馳せながら、やっとこの大ヒット・アニメを観たのデス。今回の鑑賞で、
宮崎アニメのほとんどを観たことになりますが、個人的な『もののけ姫』の
評価は、AマイナスからBプラスといったところ。今作でボクが気に入らないのは
“残酷描写”‥‥例えば腕が千切れたり、首が飛んだりする場面。“反戦映画”に
おける過激な戦闘シーンや虐殺シーンは、決して“優れた描き方”ではないと
ボクは思っている。 勿論、『もののけ姫』は“反戦”というよりも“自然との共存”が
テーマになっていて、そういった過激描写も“人間の残酷性”を表現するための
手段だったのでしょう。しかしながら、宮崎駿監督ほどの才人なら、グロに
向かわずとも、もうワンランク上の表現が出来たはず、、それが何とも残念だ。
 それにしても猛スピードで走る山犬の視点から見た景色の疾走感、向こうの
岸から放たれた矢が目の前に迫りくる臨場感‥‥どれも今までアニメでは
体験したことのなかったリアリズム。日々進化しているアニメーションの技術に
驚くことしきり。ただ、ボクがこの映画で好きなのは、心優しき主人公が
怪我人を抱き、森を横切るシーン。白い妖精が一人、また一人と増えてき、
森中に溢れ出す‥‥、きっと彼らは“森の守り神”。そう言えば、どこかで
聞いたことがある。この世に存在するすべてのものに“神”が宿っていると‥‥、
草にも、木にも、川にも、山にも、森にも‥‥。“環境破壊”は、単に美しい
自然を壊すだけではない、そこに住むすべての“神”を殺すことなのです。
そして、ボクたち人間の“豊かな心”も‥‥。

 



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6 コメント

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Unknown (ポップ)
2005-11-24 18:36:36
 この映画、僕は映画館で二度見ました。

二度目はつきあいでしたが。僕としては

同じ映画を映画館で二度観るというのは

とてもめずらしいのでそういう意味での

思い出になっています。

 きのこスパさんのおっしゃるように

この映画、グロいシーンが目立ちます

よね。正直、僕は何度も観たい作品

ではないです。宮崎アニメの中では

最下位かもしれない。とはいえ、最初に

みたときはとても楽しめました。

僕の中で宮崎アニメで一番は今のところ

ナウシカですね。昔はラピュタでしたが。

きのこスパさんはどうですか?

返信する
それでも、ワイフは‥‥ (きのこスパ)
2005-11-25 14:19:49
ポップさん、

コメント、サンキューです。



ちなみに、ボクはまだ『紅の豚』は観てないです。

『ハウル』は昨日観ました。

レビューは、本日アップする予定です。



で、『もののけ姫』なんですが、

上のレビューに書いた理由で、ボクはダメでした。

同じ理由で、実は『ナウシカ』もあまり好きじゃない。

人間がオームを捕まえて、リンチにかける場面がイヤです。



となってくると、残った宮崎アニメで自然とベスト3は想像できるはず…

好きな順から、『トトロ』>『ラピュタ』>『魔女の宅急便』ですよ。

『千と千尋』も良かったけどねぇ。



でも、ワイフは『もののけ姫』が大好きなのダ。
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Unknown (ポップ)
2005-11-26 02:17:08
 こんばんは。僕は「紅の豚」みましたよ。

特別好きではないですが、まあまあって

感じですね。「トトロ」も「魔女の宅急便」もいいですよね、好きですよ両作品とも。



 僕も虫が駄目なのでナウシカに出てくる巨大な虫たちやオームにはまいっちゃうんですが、それでもナウシカが好きですね。あの世界観がなんともいい。人間世界の崩壊と世界の再生の物語。



千と千尋とハウルは映画館で見ましたよ。

両方ともよかったです。

返信する
『紅の豚』って‥ (きのこスパ)
2005-11-27 03:08:20
ポップさん、

またまたコメント、どうもです。



> こんばんは。僕は「紅の豚」みましたよ。

> 特別好きではないですが、まあまあって感じですね。



『紅の豚』って‥‥、

ボクの映画仲間さんからは

「面白いから絶対オススメ」という人もあれば、

「別に観なくて良いと思うよ」という人もあって、

かなり両極端に分かれてる。

「まあまあ」っていうポップさんの意見は、初めてかも(笑)



まぁ、厳密に言うと、ボクは宮崎アニメのファンじゃないので、

一作品くらい観てないのがあっても良いのかなと‥(笑)、

そのままにしてあります。

いずれ、ベビーが大きくなったら一緒に観ることに

なると思うけど‥‥。

それまで大事に取っときます(笑)。



ではでは。

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こんにちわ。 (laundry)
2006-01-30 14:41:50
いつもTBさせて頂いてます。

今回も興味深く 記事を読ませて頂きました。

そーかぁ。なるほど。

宮崎駿だからこそ、グロくなくてもよいという意見は

、そういう意見もあるんやなぁと思いました。

そうですね、決して見ていていい気分はしないですから



色んな意見があって、面白いですね(^-^)

私は逆に、宮崎駿だからこそ

グロくしたんやと思ったので。



ちなみに私の評価はBぐらいです。

一番好きなのは「魔女の宅急便」とか

「耳をすませば」「トトロ」かな。



また遊びに来させてください。
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大人には想像できない… (きのこスパ)
2006-02-04 05:20:29
laundryさん、

TB,&コメント、どうもです。



> 宮崎駿だからこそ、グロくなくてもよいという意見は、

> そういう意見もあるんやなぁと思いました。



特に、宮崎アニメは“子供”も観るからね。

過激描写を使った意図はどうであれ、

子供が“それ”を観て何を感じるかは

ボクら大人には想像できないものがあると思うんだよ。



例えば、ボクは晩年の黒澤映画が大好きなんだけど、

そこでは暴力だとか、過激描写だとかは一切描いてない。

しかし、同時にそれはダイナミズムがなくなったとして、

世間的な評判は低くなっていくんだけど、

むしろ、ボクはそういうことこそ評価すべきではないかと

思っています。

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