肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』 、観ました。

2005-11-22 20:42:44 | 映画(ら・わ行)





監督:ピーター・ジャクソン
出演:J.R.Rトールキン、イアン・マッケラン、リヴ・タイラー、ヴィゴ・モーテンセン、ショーン・アスティン

 『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』 、観ました。
世界を支配するために、20万もの軍を集めて襲いかかる冥王サウロン。
そのあまりにも強大な力で、次々と大切な命が失われてしまう。それでも
フロドは、邪悪な指輪を捨てるべく滅びの山に突き進む‥‥。
 さぁ、いよいよ『ロード・オブ・ザ・リング』最終章。この映画が昨年度の
オスカーで、作品賞・監督賞をはじめ11部門を独占したのはボクらの記憶に
新しいところ。ただし、賞を取った映画がすべて「優れている」とは限らないし、
当たった映画がすべて「面白い」とも限らない。一番大切なのは、その映画が
“本当に映画を愛する映画ファン”から「名画」と認められるかどうかだと
ボクは思ってる。ボクがその“本当に映画を愛する映画ファン”に入るか
どうかは別問題にして、少なくともボクにとって『王の帰還』は「名画」とは
思えなかった。勿論、今回の受賞は本作一本だけじゃなく、三部作を通しての
評価だろうし、何らかのアワードは受け取っても良いとは思うんだけどさぁ。
まぁ、これほど気の遠くなるような長~~い映画を見事完成させた“根気”
だけは大いに評価して、さしずめ「努力賞」か「よく頑張ったで賞」くらいが
妥当かなと‥‥(←毒舌ゴメン(笑))。
 さて、この映画の見どころは、言わずと知れたスケール大きな世界観と、
それを細部までこだわり映像化したCGにあるのは間違いない。地鳴りをあげて
突進する巨大マンモスの大群、怪しい妖気を発する亡霊騎士、地平線彼方まで
広がる無数の軍隊、その戦闘シーンの大迫力‥‥確かにスゴイ映像だ。
しかし、ボクにはこのCGの凄さが、逆に本作をつまらなくしてような気がして
ならない。と言うのは、CGって手っ取り早く何でも描けてしまう一方で、
出来上がった映像が“平面的”で背景の奥行き感を感じない。今作中でも
巨大マンモスのスピード感は感じても、そこに“重量感”は感じない。
アクロバティックな戦闘シーンに面白さは感じても、そこに熱い血潮が
ドクドク流れるような“臨場感”は感じない。つまり、全体が“軽い”ってこと。
ボクの言いたいこと、分かるよね??
 それと、ボクが今シリーズ全体を通して、一番気になった問題点をひとつ。
それは今シリーズの思想が、そのまま“現在のアメリカの思想”なんだってこと。
“勝負の構図”に固執するあまり、戦争を「善」と「悪」の2種類だけに分けて
しまう怖さ‥‥、正義の使者が悪の軍団を壊滅させるべく旅に出る。そして、
彼らは口々に叫んでる、「勇気を持って戦え!」「名誉の為に一緒に死のう!」
「平和の為の戦争だ!」‥‥何だかどっかの大国の大統領が引きこした
今も続く“あの戦争”みたいだね。ハッピーエンドで終わるラストシーンも、
ボクには「これで良いのかな??」とさえ思っちゃう。しかも、そういう映画が
事もあろうにアメリカ映画界の最高賞を取ってしまう。偶然なのか、必然なのか、
皮肉な現実だなぁ。



楽天市場ランキング・売れ筋DVD邦画トップ30

楽天市場ランキング・売れ筋DVD洋画トップ30

楽天市場ランキング・売れ筋DVDアジア映画トップ30

楽天市場ランキング・売れ筋DVDアニメトップ30

Amazon.co.jp 外国映画トップ100
Amazon.co.jp 日本映画トップ100
Amazon.co.jp アニメトップ100

DMM.com DVD・CD・本・フィギュアホビー販売


DMM.com DVD・CD・本・フィギュアホビー販売


DMM.com DVD・CD・本・フィギュアホビー販売


DMM.com DVD・CD・本・フィギュアホビー販売


DMM.com DVD通販CD予約販売




最新の画像もっと見る

コメントを投稿