肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『ドーン・オブ・ザ・デッド』、観ました。

2005-09-25 11:13:47 | 映画(た行)

ドーン・オブ・ザ・デッド ディレクターズ・カット プレミアム・エディション

 『ドーン・オブ・ザ・デッド』、観ました。
アメリカのワシントン州エベレット。看護婦のアナは仕事を終えて帰った
翌朝、人間たちが凶暴化し、機敏な動きで次々と人間を襲う光景を目にする。
パニックに陥った彼女は、夢中で自動車に乗り込み、町を離れようとするが……。
 哀しいかな、リメイク(映画)は生まれながらにオリジナルと比べられる
宿命を背負っている。オリジナルに忠実に作れば「新しさがない」と指摘され、
大胆アレンジを施せば「オリジナルの良さが消え失せた」と非難を受ける。
で、結論、この映画の場合は前者。ゾンビから生き残った生存者がショッピング・
モールに追い込まれ、そこでの攻防戦は確かにスリリングだが、すでに
ロメロ版『ゾンビ』を体験済みの我らにとっては少々食い足りないといった感じ。
大きく違うところといえば“ゾンビが走る”ってことくらい。ボクとしては
リメイク(映画)にしても、名曲のカヴァーにしても、「如何にオリジナルを
壊すか」ってところから始めるべきだと思ってるので、この(映画の)作りには
イマイチ感心出来かねる。だって、オリジナルがベストだと思うなら、わざわざ
作り直す必要ないわけだし、ビデオでオリジナルを観てれば良いんだもん、ねッ。
 それでも、この映画にはこの映画なりの見所はあって、中でもボクが衝撃を
受けたのが、ベビー誕生の瞬間だ。‥‥っていうか、いっそこのエピソードを
映画のクライマックスに持ってきても良かったと思うほど‥‥。絶望に
打ちひしがれた人類にとって、ベビーは僅かに残された「希望」と「未来」の
象徴だったハズ。絶望型?、あるいは希望型?、、どちらのエンディングで
締めくくるにしろ、そのベビーの行く末を描くことで、ラストシーンが
よりショッキングな余韻を残したに違いない。他にも、隣ビルに残された男との
交流など、ひとつひとつのエピソードは決して悪くないだけに惜しまれる作品だ。

 



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