アイ,ロボット 通常版20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンこのアイテムの詳細を見る |
『アイ,ロボット』、観ました。
2035年シカゴ。人間に危害を加えないなどの『ロボット3原則』に
守られ、人類はロボットと共存していた。だが、ある日、ロボット
工学の権威ラニング博士が自殺。捜査を進めるスプーナー刑事の前に
一体のロボットが現れる‥‥。
『ダークシティ』のアレックス・プロヤス監督と言うことで、
あの“暗く不気味な世界観”を再び…、と期待した訳ですが、
残念ながら今作はボクの期待に沿えるものではなかったかな。
むしろ、この『アイ,ロボット』はハリウッド的な娯楽要素がたっぷりで、
未来社会を舞台にした“SFアクション”といったカンジ。
ふと冷静になって考えてみれば、主人公は人気者ウィル・スミス、
しかも、この派手派手なDVDパッケージを見て、何故それに
気付かなかったのか‥‥。今、ボクは海よりも深く反省しています(笑)。
さて、映画は近年でいえば『ターミネーター』、古くは『ウエスト
ワールド』の流れをくむ“行き過ぎた科学”、、その果てにある
《人間対ロボット》の闘いを描いている。今回、ボクがこれらを
見比べて思ったのは‥‥、それでも上に挙げた2作品がロボット役に
ユル・ブリンナー、シュワルツネッガーといった大物俳優を使ったのに
対し、今作のロボットは全てCG。無数に登場するロボット全てが
無表情で同じ顔をしたCGなのだ。確かに本作アクションシーンは満載。
しかし、それが“合成された映像”に描かれる決闘では、観る側に
その迫力は伝わってこない。この映画自体が、その“行き過ぎた
科学”によってつまらなくなっているのは、何とも皮肉な現実だ。
最後にひとつ、ボクが今作で最も興味深かったのは「ロボット三原則」の
内容について。“単純”にしてカンペキ、、しかし、同時にそれが
絶対安全とは言い切れない“怖さ”を孕(はら)んでいる。思わず
背筋がゾクッと、冷たいものが走りました。