ジーコ寅の「鹿島アントラーズよ永遠に」

昨年四月まであった、ジーコ寅の「名曲探偵アントラーズ倶楽部」に続いて開設したブログです。音楽部門は今回はやめました。

年の瀬に思う

2014-12-30 09:47:14 | 日記

 風邪をひいてかなり熱っぽい。岩手に住んでいる叔母さんが急に亡くなって、葬式に参列した家族が強力な風邪を運んできたようだ。家族の半分は完全

にダウン。ブログなど書いている場合ではないが、書かないと苦しい。mk2さんの苦しさを想像すれば、この程度の苦しみはなんでもない。ガンと戦いなが

らアントラーズを応援し続けるmk2さんの心意気には頭が下がる。

 

 考えてみると、岩手出身の小笠原と山本、青森の柴崎、宮城の遠藤と、アントラーズには東北出身の選手が多い。特にゲームメイクをしている小笠原と柴

崎の二人がチームのカラーを作ることは言うまでもない。この二人の闘志、プレーの創造性、全体が見える視野の広さが、アントラーズを支えている。私は

今は茨城に住んでいるけれど、岩手で生まれ、親戚はほとんどそっちに住んでいることもあって、東北びいきであることは確かだ。

 

 芸術面でも岩手は宮沢賢治、石川啄木、青森は太宰治と寺山修司という、とんでもない才能を生み出している。厳しい自然条件の中で育ってくる才能。そ

の特徴の一つは、リズム感だ。関東や関西にはない、独特のリズム感とノリの良さ。そして縄文時代から続いているようなエネルギーと原色の色彩感。こう

いうものと冷静な知性がマッチした時、日本の枠組みを超えてしまうような巨大な才能が生まれる。

 

 言うまでもなく、その可能性があるのが柴崎岳。来期も柴崎がアントラーズでプレーできるのを見られて本当にうれしい。いつかは海外に移籍する可能

性が大きいし、長い目で見れば、柴崎自身の成長のためには海外でプレーすることは必要なことだと思う。でも、少なくともタイトルを取るまではアント

ラーズでプレーして欲しい。私は柴崎にもっともっと成長して世界最高レベルのプレーができる選手になってもらいと思う。

 

 みなさんは、柴崎が本当に燃えているときの素晴らしい表情を覚えていると思うけれど、その目に狂気の光が宿っているのを感じないだろうか?アドレ

ナリンの大量放出と、冷静な判断力で冴え渡った脳は、目に何か日常を超えた狂気のような光を宿らせる。これが彼が天才を持っている証だ。私はいつ

も柴崎の目の光を見ると、東北が生んだアーティスト達の天才を思い浮かべてしまう。柴崎よ、どんなに誉められても慢心することなく、世界最高のレベ

ルを見据えて、努力を続けていって欲しい。たぶん、やってくれるだろうと信じている。

 

  そして、アントラーズの今後、10年以上にわたって、センターバックを支えてくれると思う、昌子と植田。植田は今回、アジアカップにA代表として追加

招集されることになった。おめでとう。若いうちにアジアのサッカーを経験するとこは今後の大きな糧になると思う。この武道系の九州男児に、「死に狂い」

の精神が宿ったとき、アントラーズのゴール前は鉄壁になるだろう。昌子と二人で、岩政のクレバーさを引き継ぎながら、ジーコスピリットと武士道を体現

するような、センターバックの鑑になってもらいたい。

 

  千葉への移籍が噂される山村だが、私は彼のポテンシャルは非常に高く評価している。ジョルジ・ワグネルが出るくらいなら、山村がMFに入った方が

いいと信じるくらいだ。トニーニョ・セレーゾがなかなか使ってくれないようだが、決して腐るな。必ず君の出番はやってくる。だからJ2の千葉などには見向

きもしないで、この鹿島アントラーズで活躍する機会を待って欲しい。セレーゾは来期限りで終わりなのではないか?個人的には、ジョルジーニョにまた

戻ってきてもらいたい。アギーレはもちろんもういい。グレーの監督を使い続けるわけにはいかない。そんなことは大人の世界では明らかだ。降任には、

オズワルド・オリヴェイラが最適。彼のスピリットと科学的な分析力、そして選手一人一人を大事にする姿勢は、日本代表チームにピッタリだ。

 

  私は、細々とした動きを追うのが好きではないので、更新する回数も少ないが、オフシーズンは柴崎を主人公にしたフィクションでも書いてみようか

な・・・・・と思っている。柴崎もまあ、馬鹿が書くネタがなくなって書いているんだな、と思って大目に見てもらいたい。

 

では、皆さん、良き、年末年始を!

来年も鹿島アントラーズを応援していきましょう!!

 

よろしかったら、ポチっとお願いいたします。

にほんブログ村 サッカーブログ 鹿島アントラーズへ

 


ルイス・アルベルトの退団に思う

2014-12-27 10:48:47 | 日記

 ルイス・アルベルトの退団が正式に発表された。残念でならない。ポンコツの疫病神、ジョルジ・ワグネルが残って、ルイス・アルベルトが退団だなんて!

こうなる予感はしていたが、はっきり言うが、トニーニョ・セレーゾ、あんたはサッカーにおける、「勝利」ってことに対して甘くはないかい?現在のジョルジ・ワ

グネルのレベルは、二三試合で素人目にもはっきりわかったよ。コイツが使い物にならないどころか、逆に足を引っ張るようなプレーしかできない選手だって

ことが。

 

  勝てる試合を引き分けた試合、逆転負けをした試合には、いつもジョルジ・ワグネルがピッチに立っていた。彼のリズムとアントトラーズのサッカーのリズ

ムは合っていないのは、誰の目にも明らかだった。まあ、彼のヘボサッカーに目をつぶるブロガーもいたけど、そういう人はサッカーでも何でも、「勝利」って

ことに対して甘いんだよ。この程度で何とか勝てるだろうと、心のどこかで見くびっている。

 

 武田信玄は、「甲陽軍艦」の中で、ずばりこう言っている。

 

「勝ちがなければ、名は取られぬものにて候。」

 

 鹿島アントラーズという名門クラブの、「名」は、勝利にしてよってしか裏付けられないということだ。勝ちがなければ、そもそも名を得られないし、いった

ん名を得た後も、勝ち続けなければ、その名は嘘っぱちになってしまう。鹿島アントラーズという名を保つためには、「勝利」という裏付けが絶対に必要で

あり、そのためには一切の甘えとか、カッコつけなんか必要がないということだ。

 

 残念ながら、最終戦でアントラーズを破ったサガン鳥栖にはこの精神が残っていた。だからあれだけ走れたんだ。その気迫に自分たちのサッカーを見

失ったアントラーズに必要なものは、「死に狂い」で勝ちに行く精神力だ。残念ながら、トニーニョ・セレーゾが残した、ジョルジ・ワグネルといううすのろの

ブラジル人には死ぬまでそんなことはわからないだろう。もちろん、そいつを使い続ける連中も同様だ。甘い・・・・甘すぎる。

 

 前回の記事で岩政のことをだいぶ持ち上げたけれど、彼のトークショーで、一言だけ引っかかる言葉があった。「自分は勝てる勝負しかしない」という言

葉だ。監督なんかどうですか?と話を振られた時に、「監督としてやっていくのに、勝てると判断したらやってもいい」と言ったんだ。さあ、こういう考え方は

どうかな?確かに失敗はしないだろう。ちゃんとあらかじめ緻密に計算してのことなのだから。しかし、負けるとわかっていても、突進しなければいけない

時が、戦う男にはあるということが、岩政の精神構造にはないらしい。人それぞれではあるが・・・・・。

 

 岩政の出身の山口県民について、司馬遼太郎は、「山口の人間は怜悧だ」と言い切っている。つまり、賢いということだ。賢い人間はあらかじめ状況を

しっかり計算して、「負ける戦い」はしない。しかしそれでは新しい歴史など切り開くことはできないだろう。岩政が推薦した本の伊坂幸太郎の「オーデュポ

ンの祈り」という本は、センスは良いけれど、死にもの狂いの戦いにおいて、常に勝ちを求められる人間が推薦するような本ではない。好みは勝手だけれ

どね。岩政は、読書に関してはまだアマチュアレベル。今後の進歩に期待する。

 

 退団するルイス・アルベルトといい、ドゥトラといい、前に直線的に前進して活路を見出すタイプのプレーヤーだった。今のアントラーズにはそういうタイ

プの選手はほとんどいない。厳しいアジアのACLで勝ち上がっていくためには、ルイス・アルベルトのような強い身体を持った選手は必要だと思う。

こういう判断を見ても、陽気なブラジル人セレーゾやアントラーズフロントの、「勝ち」の対する甘さが透けて見える。

 

もう一度言っておこう。「勝ちがなければ、名は取られぬものにて候」

 

今後ポイントゲッターになっていく、赤崎、土居、豊川、カイオあたりには、この言葉の真意を良く味わって、考えてほしい。

 

よろしかったら、ポチっとお願いいたします。

 にほんブログ村 サッカーブログ 鹿島アントラーズへ

  

 


岩政大樹という男

2014-12-14 11:02:01 | 日記

 天皇杯は結局、ガンバの優勝に終わり、2000年のアントラーズに続く、三冠でシーズンを終えた。J2から上がってきたばかりのガンバがここまでやる

とは思わなかった。チームがうまく勢いに乗れて、その調子を最後まで落とすことがなかった。宇佐美も好調だっだが、何と言っても補強したパトリックの

活躍も大きかった。その点、どうしようもなかったジョルジ・ワグネルとは対照的だった。パトリックがジョルジ・ワグネルだっら?間違いなく優勝していただ

ろう!その点、フロントが良くなかったのだ。それなのに、ルイス・アルベルトを退団させて、ジョルジ・ワグネルを残すつもりなのか?馬鹿じゃないの!

日経のスポーツ欄に、カイオがベストヤングプレーヤー賞を取れたのは、ルイス・アルベルトが毎日アドバイスをしてくれたおかげだと、感謝の念を述べて

いる記事が載っていた。ルイス・アルベルトは見えないところで貢献している、陰徳の士なのだ。

 

  さて、10日に茨城県結城市立図書館で、「岩政大樹トークショー」があり、聞きに出かけたのでその内容を書きたい。

トークショーの写真撮影は禁止されたので、写真は始まる前のもの。

 

 

  一言で言えば、岩政大樹選手は、魅力的な男だった。ピッチでプレーしている表情などからはもっと泥臭い感じかと思ったが、とてもお洒落でカッコイ

イ!学生時代に複数のチームからオファーが来た話に始まり、アントラーズの三連覇時代の話、タイのサッカーの話と実に明快に気持ちのいい話が一時

間半近く続いた。岩政選手のブログhttp://ameblo.jp/daiki-iwamasa/を読んでも、その文章力と緻密な考え方が素晴らしいのだが、話す内容もと

ても論理的で筋が通っていた。

 

 大学で数学を勉強した論理性はディフェンスの守り方にも影響しているらしい。彼は選手の後を追って走るという守りはしないらしい。こう動くなら次には

こう動くはずだ、と頭の中で論理的に考えて動くのだという。だから全速で走った経験がないので、現在、自分が全盛期より衰えたのか、自覚はないそう

だ。今でも、ある一定範囲内なら、どんなFWよりも早く動ける自信はある、と話していた。

 

  つねに効率良く動くにはどうしたらいいのか?ということを考えていて、それをサッカーではなく、相撲や狂言の動きを勉強することによって習得して

いったという。つまり、「すり足」を使った動きだ。人間が動くという観点で見れば、サッカーも相撲も狂言も変わらないと岩政は言う。むしろ体幹トレーニン

グのような西洋的なトレーニングではなく、日本人の体にあった動き方というのは、伝統的な物の中にあるという。

 

 あと面白かったのは、「勝負所」についての彼の考え方だ。リーグ戦で優勝するには、特別な勝負所はないというのだ。例えば、ガンバ戦の直接対決が

重要だったとか、レッズ戦に勝てていれば・・・・というような考え方はせず、一年を通していい状態を保てたチームが結果として優勝している、という考え

方をするようにしている、というのだ。それでも優勝がかかった大一番が近づいてくると緊張のあまり眠れなくなるそうで、どうも興梠も同じような性格らし

い。練習中に、「岩政さん、眠れましたか?」という興梠の質問に、「いや、今日も眠れなかった」と岩政は答えていたという。見かけによらず繊細な一面を

持っているようだ。

 

  岩政は、サッカーにおいても実人生においても、「いいことと悪いことは、自分のレベルに応じて均等に起きる」という考えに達したのだという。自分の

レベルに不相応ないいことが起きた時には、それを埋め合わせるだけの努力があとになって必要になる、と言っていた。

彼は読書が好きで、良く移動中に読んでいるとのこと。自分を奥底から変えてくれるような内容のものを選ぶようにしているらしい。

そんな岩政がこの日のプログラムに五冊の本を推薦していた。

 

 伊坂幸太郎 「オーデュポンの祈り」、村上春樹 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」、アレックス・ファーガソン 「アレックス・ファーガソン

自伝」、佐藤多佳子 「一瞬の風になれ」、グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツ 「シャンタラム」。この五冊だ。伊坂幸太郎のデビュー作は読んでみようと思

う。岩政は、どんな質問にもしっかり質問者の顔をじっと見て、丁寧に答えているのが印象的だった。時々、ちょっと上を見て考える顔がチャーミング。

全身にオーラが感じられる、実に魅力的な男だった。彼くらいクリヤーな頭なら、解説者になってもいい解説をするだろう。秋田のようなわけのわからない

解説はしないはずだ。明日、来期から入るチームが発表になるらしい。

 

 コーチでも監督でもいいから近い将来、アントラーズに戻って活躍してくれることを望んでいる。がんばれ!岩政大樹!

 

よろしかったら、ポチっとお願いいたします。

にほんブログ村 サッカーブログ 鹿島アントラーズへ

 

 

 

 


サガン鳥栖戦

2014-12-06 18:04:08 | 日記

 奇跡の逆転優勝は実現しなかった。中田をさらに素晴らしい笑顔で送り出せる条件は整っていたのだけれど・・・・・・。でも中田のセレモニーを聞いて、やっ

と気分が落ち着いてきた。アントラーズを応援していて良かったな、やっぱりアントラーズは素晴らしいファミリーなんだなと心底納得している。中田には心か

らお疲れ様、ご苦労様、本当にありがとうと言いたい。

 

 今日の試合に関しては、サガン鳥栖が良すぎた。やはり鳥栖のメンタルと倒れるまで走る姿勢には敬意を表したい。今日の鳥栖のようなチームに勝つの

は難しい。それくらい鳥栖はアントラーズを研究し、力を出し尽くしていた。サッカーの技術を超えた何物かが、アントラーズにいつものサッカーをさせなかっ

た。こんなにパスがつながらないアントラーズを見たのは、始めてかもしれない。10月の勝てなかった時期でももっとパスはつながり、形は作っていた。

 

  柴崎がこんなに落ち着きを失い、パスカットされ、ボールを失ったのは驚いた。それくらい鳥栖のプレッシャーがきつかったんだろう。鳥栖のように野武士

の精神で向かってくるチームに対しては、綺麗なサッカーで勝つのは難しい。やはり負けなくらい倒れるまで走りきるような必死の覚悟がないと勝てないと思

う。特に前半はあまりにも鳥栖が素晴らしく、ほとんど何も出来なかった。最初の15分で今日勝つのは難しいだろうな、という雰囲気が漂っていた。心身とも

に鳥栖の選手は非常に充実していて、小手先の攻撃ではまったく崩せる感じがしなかった。いつものサッカーができないフラストレーションと家本のジャッ

ジのせいで、柴崎、土居、昌子がイエローをもらったが、やはり何とかしなければというプレッシャーがあったのだろう。土居や昌子があんなに平常心を失

うのを見たのも初めてだ。やはりいい意味でまだまだ若いのだろう。でも、それでいいんじゃないのか。彼らの将来のために今日の敗戦が大きな糧になる

のなら・・・・・。

 

  優勝ということに関して言えば、今日、2-0で勝てば、という無念さは残るが、鳥栖が120点の出来のサッカーをしたのだからしょうがないと思う。と

にかく10月に勝利がなかったのが大きかったと悔やまれる。でも今日は引退する中田の素晴らしい表情を見ることができた。サッカーの細かい内容に

関しては今日は書く気がしない。無念ではあるが、これもサッカーだ。来期のアントラーズに期待するしかない。取り合えず今日はこれだけ。

にほんブログ村 サッカーブログ 鹿島アントラーズへ