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愛野美奈子という人物(希望。のあとがき)

2022-08-07 15:12:18 | 小説の解説
愛野美奈子について。


「希望。」という小説に出てくる愛野美奈子は、とてもドライで真の意味の孤独を抱いて生きている。

そして、自分が孤独だと言うことをわかっていて、嘆いていて、それでいて諦めている。
孤独であるべきだとも思っている。そして孤独である方が楽だということも知っている。

かつてのセーラーヴィーナスという人物像を、私はとても孤高な人と設定した。

本来、火野レイ主義者の私としては、それこそマーズの役割だったのだが、実は真の孤高の戦士はセーラーヴィーナスであった。

愛を司る、ゆえに孤独。

セーラーヴィーナスは愛とは何なのかということを、十分に知り、また知り過ぎて、故に誰も愛せない。

愛のすべてを捧げなければ、プリンセスを御守りすることはできないとわかっているから。
愛はすべてあなただけに捧げた。だけど、捧げた愛は決して見返りなどなく、それもまた「愛ゆえ」ということをよく知っている。

先読みの力を持つマーズの抱える孤独と、愛し守るプリンセスのためにしか生きていけないヴィーナスの孤独
同志が崩壊の数日前に肌を重ねた理由はいつか書くかもしれないし、書かないほうがいいかもしれない。
そのあたりはどういう関係だったのかというのを、読む人が想像するのもいいかなと思う。


天真爛漫で、美奈子は火野レイの幸せを願うとても心優しい人だけど
永遠に自分の愛や恋などといった煩わしいものと向き合う気はさらさらないのだろう。

レイちゃんはそういうことを全部わかっている。この命はとおにあなたに捧げていた。そのことを変えられないし、変える気もない。それこそが愛野美奈子である。
冥王せつなという人は、きっとだからこそ、愛野美奈子がちょうどいいんだろうと思う。

遠い過去も遠い未来も、たった1人で他人と触れることすら許されない場所で生きたプルートの魂を抱く冥王せつなにとって
愛を知り過ぎ、ゆえに乞わずに生きる美奈子との距離感がちょうどいいんだろう。


それでも最後に、愛野美奈子が見出した「希望」

肺を満たす「希望」

愛野美奈子と冥王せつなを繋ぐセブンスターは、私の中では月野うさぎを覗いたセーラー戦士 SEVEN STARS  の意味を込めて、この銘柄を選んだのだけれど(サターン以外)

おあとがよろしいようで。














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