BE~Beautiful Energy~

自分が自分である(BE)ために。BE~Beautiful Energy~を貴方に。

Book 『リーダーは弱みを見せろ~GE、グーグル最強のリーダーシップ~』

2012-03-20 | リーダーシップ・マネジメント
著者の鈴木雅則さん、とは、彼がGEの日本で働いていた時に知り合った。
当時、私はリクルートエージェントでGEを担当していており、鈴木さんはまさにクライアントでもあった。

偶然なのか縁なのか、リクルートエージェントを卒業する頃、鈴木さんがコーネル大学時代の同窓生達と立ち上げた「戦略人事勉強会」の誘いを受け、今では同会の幹事をさせていただいている。

私が、「Executive MBA と GE」という二束のわらじを履くことに対して、「Crazy!でも貴女ならできる」と真剣に言ってくれた人物でもある。

その鈴木さんが、「リーダーシップの実践」に対して、今までの彼の知識・経験からの全ての学びを、分かりやすく体系化して『リーダーシップの型』として、まとめてくれたのが本書である。

組織人事分野では第一といっても過言ではない、アメリカ コーネル大学大学院で戦略人事を学び、「GE」「Google」というビジネスでもリーダーシップ開発でも世界のモデルとなっている2社での鈴木さんの経験は、「戦略人事、組織人材開発」の分野に携わる人ならいかに稀有で貴重な経験だったのか、理解に難くないはず。

内容については、今までの色々なリーダーシップ開発のエッセンスが濃縮されて詰まっており、経営者側の立場でも、個人のリーダーシップ開発の観点でも、最初に手にするリーダーシップ本としては読みやすくてお薦め。

鈴木さんらしいなあ、と思うところは、論理的な内容を比喩や対比を使って分かりやすく伝えている点。

「リーダーシップ」を運転免許に例えていたり、マネジメント(左脳・X理論)とリーダーシップ(右脳・Y理論)で対比させていたり、、、


・リーダーシップ=スキル x 人格(マインド+態度)

・リーダーシップ実践の3つのステップ
 1)自分を知る  ”私は誰か?”
 2)絵を描く   ”私は何をしたいのか?どこへ行きたいのか?”
 3)人を巻き込む ”私はどうやってそこに行くのか?”


リーダーシップ追求の旅は、自分の存在意義の追求でもある。
終わりはないけれど、旅の途中で、きっと、たくさんの宝物に出会えるはず。

私自身は、「一人でも多くの人が、リーダーシップを発揮できる社会になるように」リーダーシップを発揮していきたい。



リーダーは弱みを見せろ GE、グーグル 最強のリーダーシップ (光文社新書)
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光文社

人は変わる?変われる?

2012-03-10 | リーダーシップ・マネジメント
人事という仕事をしていると、常に頭に浮かぶ2つの質問がある。

「リーダーは育てられるのか?」
「人は変わるのか?」

「リーダーは育てられるのか?」については、以前のブログに書いてみた。

今日は、「人は変わるのか?」について、考えてみたい。

このテーマは、おそらく、とても哲学的で、私自身もこれからの人生でずっと考え続ける問いなのだと思う。

今の時点で、私が感じること。


「人は変わる。

 しかし、年齢と反比例する。

 年齢が上がるとともに、『変わる』のではなく、意識して、努力して『変える』

 意識するためには、外からの気づき(Feedback)、内省(自己理解)、が必要」






震災1年を目前にして、感じること、考えること

2012-03-04 | 生きる
あと1週間で、東日本大震災から1年を迎える。

日本を一瞬にして変えてしまった、あの日から、1年。

今日、偶然にも、東日本大震災について、改めて深く考える機会が2つ、重なった。

1つ目の機会は、「キャリア・コンサルタント全国大会」で、気仙沼ハローワークで職業相談員をしている方のお話を聞いた、こと。

震災後すぐ、3月22日から別の場所を借りて業務を再開。
気仙沼ハローワークに訪れた新規求職者数は、去年の6倍の3,000人以上。
圧倒的大多数は、中高年の離職者。
到底埋まらない、需給のミスマッチ。
増え続ける、将来への不安。

絶望的とも言える環境の中で、ひとりひとりの求職者の必死の想いを拾い、その想いを無駄にしないために、粘り強く、真摯に向き合ってきたからこその言葉を聴くと、思わず、涙が出てきた。

「有事の時だからこそ、平時と変わらず、専門家として結果を出すこと。キャリア・コンサルタントに求められている大切な要素は、『粘り強さ』と『柔軟性』」とおっしゃっていたことがとても印象に残った。



2つ目の機会は、東日本大震災後の支援を目的とした、日本最大級のボランティア組織「ふんばろう東に日野支援プロジェクト」を立ち上げた、西條剛央さんの本を読んだ、こと。

この本は、東日本大震災の凄まじさを伝えてくれるだけではなく、震災をきっかけに生まれたネットワーク型組織について書かれている。

著者が専門とする『構造構成主義』という考え方は、とても興味深い。

「ある特定の『状況』で、ある『目的』を達成する手段=『方法』となる」というもの。

だから、状況や目的次第で、方法は自由自在に変化させることができる。
あまりにもシンプルだけれど、実は、人間が陥りやすい罠を実によく捉えている。

ビジネスの世界でも、不確実なこと、予測不可能なことが起こることが日常になっている今、こういったネットワーク型組織の重要性が注目を浴びている。

「ある特定の『状況』で、ある『目的』を達成する手段として、方法(プロジェクトチーム or タスクフォースチーム)』を結成する」ということは、おそらくこれからの組織構造の主流の一つに、なってくるに違いない。


東日本大震災は、日本の構造そのものを変えてしまった。
でも、そこから生み出されたもの、改めて気づいた人の無限の力、には、ただただ感動するばかり。

西條さんが、本の中でとても印象的なメッセージを綴っていた。

「意志が未来を切り拓き、未来が過去を意味づける」

残された私達は、これからの未来を切り拓くことが、与えられた使命だと思う。



人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか
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