言いたい放題

世相を斬る!

土曜ドラマ「ハゲタカ」

2007年02月28日 | 文化・娯楽
NHKテレビの土曜ドラマ「ハゲタカ」は、今時珍しい力作である。

銀行の不良債権を買い叩く冷徹なファンド・マネージャーといきなり冷水を浴びせられ右往左往する債務者、そして板挟みになる銀行マンを描いたものだ。

登場人物の葛藤も見応えあるが、バブル経済当時の日本の金融事情も垣間見ることができ社会科の教材としても有益といえる。

ドラマを通してあの不良債権の背景も見えてくる。例えば、第2話では経営能力のないオーナー社長を諫める者がいない会社の構造的な問題と、“天下り”先の確保のため融資を続けた銀行の幹部にも責任があることを浮き彫りにしている。

2006年4月~5月放送の「マチベン」(元検事の弁護士を描いた)もそうだが、このシリーズは秀作が多い。そのため視聴率は低いものの熱心な支持者も多い。「ハゲタカ」も番組の支持者から高い評価を受けている。

残り4回の展開が楽しみである。ただ、個人的には、異常ともいえる緊張感に放送終了後にグッタリと疲れてしまう。「触ると切れそう」という形容があるが、「見るだけと自分が追い立てられるそうな」そんなテンションが1時間も続くと疲れる。題材もシナリオも重いので、45分で十分ではないかと思う。

関連サイト:
土曜ドラマ「ハゲタカ」

エントリー記事0040号


バチ当たりな金属ドロボー

2007年02月27日 | 時局
各地で鉄や銅などの金属が盗まれている。昨日も銅板泥棒を捕らえてみたら出入りの運転手だったとか、墓地の線香入れが盗まれたとか…報じられていた。

公園の便所の屋根や、車止め、足場、火の見やぐらの半鐘…など様々な品物が盗難に遭っているのを聞く度に、不謹慎な言い方だが、「ほう、そこに目を付けたか」と感心してしまう。

それにしても理解に苦しむ。線香入れのような小物を盗んでも取り外して運び出す手間、素の材料(インゴット?)に戻す加工賃、そしてこれから与えられるであろうご先祖様からの罰(ばち)を考えると“費用対効果”は割に合わないと思うのだが…。

関連記事;
東京新聞:金属泥棒、昨年5700件 被害20億円、警察庁まとめ

エントリー記事0039号


宮本警部の教訓生きず

2007年02月26日 | 現象
東武東上線の踏切で警察官が自殺を図る女性を救おうと事故死した出来事は、つい先日の事だ。

人々の悲しみは言えないというのに、24日に西武新宿線の踏切で飛び込み自殺があった。幼子を道連れにした無理心中というからよけい痛ましい。25日も東急田園都市線で同様の事故があった。

日本が“自殺が多い国”と言われて久しい。年間3万もの尊い命が消えるのだから異常である。

今一度、命がけで命を守った宮本警部の教えを噛みしめるべきであろう。

関連記事;
読売新聞:心中?急行に母子はねられ死亡…西武新宿線踏切で
東京新聞:電車にはねられ女性と男児死亡 練馬の西武線 自殺の可能性

エントリー記事0038号


歯と毛髪の再生が可能に

2007年02月24日 | 展望
東京理科大と大阪大の共同研究グループは、歯を再生したり、薄くなった毛髪の復活に道を開く新たな治療法の技術開発に成功した。

これが実用化されれば、画期的といえる。多くの人々は、加齢と共に歯と頭髪は衰える。今までは、「歳だから」とあきらめざるを得なかったが、それを防いだり、再生できるとならば、朗報である。

ただ光が差し込めば、影ができるのも世の常だ。

副作用はないのか、倫理規定をどうするか…など慎重な検証を要するだろうし、ニセモノ(詐欺)の出現をどのように防ぐかも重要な課題となろう。


関連記事;朝日新聞:細胞から歯が再生 東京理科大のグループ、マウスで成功
イザ(産経新聞):歯と毛再生、成功率100% 東京理科大・阪大マウス実験 臓器にも応用期待
NHKテレビ「@(あっと)ヒューマン」:まり江の注目きざ単 「歯」再生

エントリー記事0037号


国土交通省は業者の言いなりか

2007年02月23日 | 時局
国土交通省は、管理会社がマンション管理組合に代わり業務を請け負える新制度の検討するという。

ここで管理組合の業務とは;修繕をするかどうか、管理規約を改正するかどうか、管理費を値上げするかどうか…などマンション管理の指針を決定する行為を指す。

管理会社と管理組合は“利益相反”の立場である。にもかかわらず、かかる制度を作ろうという発想が理解できない。管理会社の団体のアプローチ(圧力?)に屈したのだろうか。

そもそも「マンション管理適正化法」が制定されたのは、マンション区分所有者の無知につけ込んで、修繕を不当に高い工費で傘下の業者に請け負わせたり、管理費を利殖に回したり…と管理会社の悪行が次々と露呈したからではないのか。

国交省は、資格要件を厳しくするという。しかし、“性善説”に立脚した制度が危ういことは、耐震偽装事件で実証済みである。

関連記事;
日経新聞:マンション管理組合の理事会、管理会社の代行可能に
「マンション管理新時代」:マンション管理士はなぜ黙っているのか

エントリー記事0036号


再犯防止の刑務作業

2007年02月22日 | 展望
法務省が社会に復帰した受刑者を対象に実施したアンケート調査によると:刑務作業に関して「社会復帰に役立たない作業が多い」という回答が35%あった。

刑務作業とは、刑務所などの矯正施設で被収容者が行う労働のことである。懲役刑の受刑者に課せられるものと、禁固刑の受刑者が自発的に行うものがある。

刑務作業は、かつての“懲罰”という意味合いから犯罪者の矯正・更正を促進する“教育”という意味合いを持つようになっている。再犯防止の訓練と言ってよい。

経済的に自立できれば、犯罪から遠ざかる。治安は社会全体の問題である。犯罪者の矯正・更正を促進できるよう刑務作業のプログラムの見直しが求められていると言ってよい。

ある弁護士が言っていた、「経済的に困窮した者は、自殺か犯罪に走る」と。

関連記事;
読売新聞:刑務作業、社会復帰に役立たない…出所者35%が不満

エントリー記事0035号


最後は利用者にしわ寄せ

2007年02月21日 | 時局
吹田でのスキーバス衝突事故は、運転手の居眠り運転が原因だったようだ。

4日間徹夜の乗務が続いていたと言うから驚きである。また、このバス会社には運転手がバスの台数分しかいなかったというのであるから、「長距離には交代要員を同乗させる」を遵守する姿勢がないに等しい。安全運行に対する会社の配慮がかけらも見られない。

しかし、業界全体にも問題がありそうだ。バス業界も“規制緩和”が進み新規参入の業者が増えた。そのため、旅行代理店がバス会社を買い叩く図式が出来上がった。弱い立場のバス会社としては、極限までコストダウンを強いられるから“余剰人員”を抱えていられない。事故は起こるべくして起きたのだ。

建設業界の様相と同じである。

施工業者が下請けを買い叩く。下請けは仕事の“手抜き”に走る。その結果が、雨漏り、シックハウス、そして強度不足とエンドユーザー(消費者)にしわ寄せが行く。

人命を預かる産業で安全を軽視する(そもそも眼中にない?)傾向に歯止めがかからない。

生命よりコストが優先するのかを改めて関係者に問いたい。

関連記事;
読売新聞:スキーバス衝突でバス会社捜索、運転手「居眠り」供述

エントリー記事0034号


ケータイに命を捧げますか

2007年02月20日 | 事件・事故
大阪で駅のホームから女性客が転落したが、駅員と居合わせた乗客の連携で救出された。女性客は、手の指を骨折したものの命に別状はなかった。

転落の原因は、“ケータイ”という。ホーム上を携帯電話のメールを打ちながら歩いていたため他の乗客に気付かず、ぶつかった弾みに転落したのだ。

「iPod禁止?」(0024号)で音楽プレーヤーを路上で使用することの危険を指摘したが、携帯電話も同様だ。その画面を見ながら歩行すると、それに気を奪われて、周囲の動静をつかみにくいためトラブルになりやすい。

そもそも、四六時中ケータイをいじる生活習慣も問題だ。ケータイを位牌のように拝んでいる様は、“ケータイの奴隷”になっていることを示しているように見える。

今回の件で、電車に遅れが出て多数の乗客が影響を受けた。駅のホームは“危険地帯”である。浅薄な行為・自分勝手な行為で迷惑をかけないようにしたい。

関連記事;
朝日新聞:ホームから女性転落、駅員飛び降り救助 大阪・御堂筋線
イザ(産経新聞):“歩きメール”で女性がホーム転落 御堂筋線、緊急停止

エントリー記事0033号


孤独な日本の子ども

2007年02月19日 | 現象
ユニセフによる「幸福度」に関する調査によると、日本の子どもは世界一孤独と判明した。「孤独を感じる」と答えた15歳の割合は、順に、日本:29.8%、アイスランド:10.3%、ポーランド:8.4%だった。日本がずば抜けて高い。

これは、家族や地域社会と接する機会が“激減”していることに起因しているのではなかろうか。核家族化が進み、兄弟も少ない。少子化で学校の生徒数も少ない。自販機の普及などで対面販売形式が衰退して口をきく機会も少ない。親と接触する機会すら、職場と家庭が分離され、かつ長時間通勤・長時間労働のため大きく減っている。子どもが孤独感を感じるのももっともだ。

近時「子どもの学力低下」「少年犯罪の凶悪化」が大きな問題となっているが、この傾向と関連があるのではないか。

孤独感はコミュニケーション不足の裏返しと言ってよいが、コミュニケーションは、学力の基盤である言語能力を鍛え、モラルを育てる。それが不足すると、感情の表現ができず、些細なことで牙を剥くようになる。

かつての大家族、濃密な地域コミュニティに戻れとは言わない。しかし、子どもが孤独を感じない配慮を考える時期だといえよう。

関連記事;
読売新聞:日本の子供は先進国でずば抜けて「孤独」…幸福度調査

エントリー記事0032号


巧妙な迷惑メール

2007年02月17日 | 時局
有害メール・迷惑メールが増えている。コンピュータウィルスに感染したメール,風俗産業の宣伝メール・・・など夥(おびただ)しいメールが送りつけられる。

前は、すぐにそれと分かった。しかし、最近は判別に困る場合がある。発信者が個人名で、しかも「はじめまして」「お元気ですか?」「ご無沙汰しています」などともっともらしい件名で正規のメールを装っているからだ。

対応策としては、『受信拒否』の設定をすることが考えられる。しかし、次から次へと新しいアドレス・アカウントから送られてくるので、効果は期待できない。

アドレスを変更することも方法の一つである。しかし、馴染んだアドレスを変更するのには、抵抗がある。それに新しいアドレスも同様のスパム攻撃に遭うかもしれない。

妙案がない以上、メールを開く場合は、慎重に判別すべきであろう。また、送り手としても、相手が安心して開けるように配慮をすべきであろう。

ここで重要なのは、件名である。当事者のみにしか分からない件名にする、あるいは件名にも宛名と発信者名を付すなどが考えられる。

エントリー記事0031号